5月1日、岩手クラシック一冠目「第42回ダイヤモンドカップ」(水沢1600m)が行われ、単勝1番人気に支持されたグットクレンジングが3馬身差で完勝した。
グットクレンジングは北海道3戦1勝、高知4戦2勝2着2回。重賞・金の鞍賞でも2着を確保し、大井1戦を使って転入。初戦のスプリングカップはクロールキックに完敗2着だったが、同馬不在の中、順当に初重賞を手にした。
グットクレンジングは父コパノリチャード、母コパノレイミー、母父スターリングローズの牡3歳馬。母は北海道1勝、大井1勝、佐賀1勝。佐賀では重賞・飛燕賞を制した。
板垣吉則調教師「前回・スプリングカップ2着は2ヵ月ぶりの実戦でしたからね。その後も順調に乗り込むことができましたし、追い切りでも自分が思っていた以上に動いたので納得のいく状態で送り出せました。次走は東北優駿になるでしょうが、オーナーと相談の上で決めます。血統的には距離が長いかもしれませんが、どこからでも競馬ができるタイプ。それに2000mはほかの馬にしても未知の距離。今後は距離を意識した調教をしようと考えています」
板垣調教師は2017年、キングジャガーでダイヤモンドカップ(岩手ダービー)、不来方賞(いずれも当時。三冠目はダービーグランプリ)の二冠を制覇。父キングヘイロー、母父ファスリエフのスピード血統だったが、2000m対応もさせた実績がある。
グットクレンジングの血統背景もスピード色が強いが、次走・東北優駿=2000mをどうこなせるように仕上げるのか。非常に興味深い。
9日メインはA級一組「皐月特別」(水沢1600m)。現トップは前日のシアンモア記念へエントリーし、各馬の力量比較が難解。馬券的にはおもしろい一戦となった。
リョウランヒーローは中央ダート1700m~1900mで4勝。3勝クラスに在籍した。昨年7月、北海道へ移籍して4戦0勝。続いて大井へ転籍し、7戦0勝から岩手入りした。
初戦はスタートで出遅れて後方2番手からの競馬だったが、メンバー最速の上がりを使って3着。続く前走はスタートを決め、あとは後方でじっくり脚を貯め、またもやメンバー最速の上がりを駆使。豪快に突き抜けて久々の勝利を飾った。
これで弾みついたが、ネックはスロースターターの脚質。スローに落とされたら届かないケースも十分考えられるが、パンプキンズ、アドマイヤホルンと逃げタイプ2頭。レースを速くするようなら2連勝も可能だろう。
ファイントリックはシーズン初戦5着だったが、船橋・クイーン賞以来、4ヵ月半ぶりの実戦で馬体重が426キロ。成長とも解釈できたが、過去最高の馬体重もこたえた。この一戦を叩いて良化必至だろうし、昨年は牝馬三冠目・OROオータムティアラを圧勝。エンパイアペガサスの妹で地力は確実。反撃に期待した。
マイネルフラップは中央芝2勝からGIII・シンザン記念2着。以降は一貫して芝オープンを走り、今年4月に転入。初戦は生涯初めてのダートにとまどって8着に終わったが、前走は出遅れながらも4着。これでこなせるメドが立った。
評価に迷うのはタイセイブラスト。今季2戦目はゴールデンヒーラーが相手で6着も仕方なしだったが、連覇を狙った栗駒賞8着。ハイペースに巻き込まれたのは確かだが、本来の"らしさ"がみられなかった。年齢的な衰えなのか、巻き返しに転じるか。正念場を迎えた。
アドマイヤホルンはパンプキンズとの兼ね合いがすべて。枠を考えると2番手が濃厚だが、うまく折り合うことができるか。仮にできれば持ち味の粘りを発揮する。
マルケイマーヴェルは一昨年のひまわり賞(岩手版オークス)馬。ベストはコース広い盛岡だが、水沢でも2勝。休み明けを使われて変わり身が期待できる。
◎⑫リョウランヒーロー
〇①ファイントリック
▲⑪マイネルフラップ
△②タイセイブラスト
△⑩アドマイヤホルン
△⑤マルケイマーヴェル
<お奨めの1頭>
8R ハッピーアロー
今季2戦目から2着2回3着2回と抜群の安定感。前走もタイム差なし2着にまとめ、地力の高さを証明した