11日メインは岩手競馬の看板JpnI「第34回マイルチャンピオンシップ南部杯」(盛岡ダート1600m)。今回は徹底分析。印を打った理由と不安点を述べてみたい。
アルクトスの昨年は衝撃的だった。G/JpnIホースが6頭も集結し、6番人気に甘んじたが、3番手キープから直線はモズアスコットとの叩き合いを制して完勝。日本ダート1600mレコード1分32秒7を樹立した。その前年もサンライズノヴァの2着確保。外から鋭く伸びてきたサンライズノヴァに対し、インを強襲。一線級相手にも通用することを証明した。
以降はチャンピオンズカップ9着、根岸S4着、フェブラリーS9着と伸びを欠いたが、前走・さきたま杯を快勝。外から豪快なまくりを決め、健在を誇示した。南部杯はリピーターが多いことでも有名。ブルーコンコルド3連覇、エスポワールシチー3度優勝を含め、連覇は過去6頭(北日本時代のトウケイニセイも含む)。最も勝利に近いと見て間違いない。
不安点は2年とも高速決着の馬場だったが、今年は時計がかかる馬場。例えばクラスターカップは昨年のマテラスカイが1分8秒5(日本レコード)、今年のリュウノユキナが1分11秒1。マーキュリーカップはマスターフェンサーが連覇を果たしたが、昨年が2分3秒0、今年が2分5秒7。単純に2秒5以上も遅いタイムの決着となった。
ただ、アルクトスはさきたま杯を良馬場で快勝。時計かかっても対応が問題ないことを証明した。今年は16番枠だが、昨年は14番枠で優勝。むしろ外枠で自分の競馬がしやすいことも印象づけた。それならば主軸視するのが当然だろう。
ソリストサンダーはデビュー3戦目で未勝利を脱出したが、続くプラタナス賞2着後、1年3ヵ月の長期休養を余儀なくされた。その影響もあって出世は遅れ、3勝クラスを卒業したのは5歳8月だった。それでもオープン入り2戦目の武蔵野ステークスでサンライズノヴァの2着を確保し、今年5月のJpnI・かしわ記念でハナ差2着。4角先頭に立ったカジノフォンテンに一完歩ごとに差を詰めたが、惜しくも勝利を逃がした。
評価に迷うのはエルムステークス10着。勝負どころで進出したが、直線で伸びを欠いた。ただ地方ダートからJRAを使って凡走するケースは多々。それ以前の成績を考えれば南部杯でも十分に勝ち負けになる。しかも今年は時計のかかる砂。ソリストサンダーにはおあつらえの馬場になりそうだ。
サンライズノヴァは一昨年の南部杯を吉原寛人騎手とのコンビで完勝。秘めた素質を開花させた。その時もスタートで出遅れたが、3コーナーでは中団まで押し上げ、逃げたロンドンタウンに1秒以内の射程圏。この攻めの競馬が功を奏した。昨年は外11番枠に入って自己ポジションをキープできたが、日本レコード決着で前が止まらない競馬。直線外から鋭く伸びてきたが、4着に終わった。
今年は一昨年優勝と同じ3番枠。ラッキーナンバーとも言えるが、現実的にはスタートで後手を踏めば位置を取るのに時間がかかる可能性大。スタートがカギを握る。
インティは前走・かしわ記念で出遅れた上、ダッシュもつかず後方3番手に待機。砂を被らないようにレースを進め、メンバー最速の上がりで3着まで盛り返した。昨年は逃げてモズアスコットの徹底マークに遭い、4コーナー手前で失速。ただ昨年はフェブラリーステークス14着からぶっつけで臨み、パドックでも仕上がり途上が明らか。今年はかしわ記念を使い、ローテーションはベスト。
気になるのは14番枠に入ったヒロシゲゴールド。快速で鳴らし、今年もクラスターカップに参戦して3着。スピードには定評があるが、控える競馬をさせたいとのコメント。それならばインティは一人旅で逃げることができ、あっさりまで。
エアスピネルは芝重賞3勝。ダートへ路線変更後もプロキオンステークス、フェブラリーステークス、前走・さきたま杯でも2着を確保。8歳馬健在を誇示している。課題は最後の爆発力。惜しいところで勝利を逃がしているのは上がりのタイム。さきたま杯でアルクトスは36秒6に対し、エアスピネルは36秒8。レース運びがうまくいけば勝利をあげるかもしれない。
ワイドファラオは昨年7着だったが、16頭立て15番枠の外枠に入り、自己ポジションが取れなかった。今年はそれよりも内10番枠を引き当てたのは好材料。3、4番手をキープできれば好走できる可能性がある。
◎⑯アルクトス
〇⑮ソリストサンダー
▲③サンライズノヴァ
△①インティ
△⑬エアスピネル
△⑩ワイドファラオ
<お奨めの1頭>
2R スカイルーク
転入後、好タイムで2連勝マーク。今回は57キロを背負うが、同じ1000mが舞台なら追いかける一手