先週4日、岩手クラシック一冠目ダイヤモンドカップ・トライアル「第46回スプリングカップ」をご覧になっただろうか。この『テシオブログ』でも報告があったが、リュウノシンゲンが9馬身差で圧勝した。
実況の古川浩さんが"圧倒的な強さ"と表現したが、まさにそのとおり。好スタートを決めたリュウノシンゲン=坂口裕一騎手が周囲の様子をうかがいながら、逃げの手に出た。
何度か記したことがあったが、リュウノシンゲンは早め先頭に立つと気を抜くクセがあった。最たる例が1月2日の金杯。直線で抜け出すと内からグランフォロミーが差し返し、最後はアタマ差の僅差。これが課題だと思っていたが、馬なりで逃げる形。
意表を突かれたと思ったが、坂口裕一騎手「レースでの位置取りは調教師さんから任せてもらっていましたし、この馬で一度逃げる競馬をしてみたいとも思っていたのでスタート次第ではハナに行こうと考えていた」。そう、確信を持った逃げだった。
道中は持ったまま。おそらく馬なりのままでも圧勝だったと思うが、直線で坂口裕一騎手が気合いをつけると鋭く反応。一瞬のうちに後続を突き放し、最後は流してゴール。ひと冬を越して完全にひと皮むけた。
次走は一冠目・ダイヤモンドカップ。もちろん一強だろうし、三冠も視界良好。久々に心ときめいた圧勝劇だった。みなさんもリュウノシンゲンに注目してほしい。
12日メインはA級一組「卯月特別」(水沢1600m)。一線級が前日の赤松杯に向かい、オープン第二グループの争い。展開のファクターが大きく加わり、波乱の要素も十分含んでいる。
主軸にパンプキンズを指名する。典型的な逃げタイプでマークされるのが仇。一昨年、東北優駿、ダイヤモンドカップの二冠制して以降、ずっと勝ち星から遠ざかっていた。
それでも陣営は自分のスタイルを守り、果敢に強豪メンバーへチャレンジ。ついには準重賞・あすなろ賞を逃げ切って圧勝した。その後もすずらん賞、青藍賞でヒガシウィルウィンの2着に粘り、秋に2勝目をマーク。
今回は11月23日、絆カップ3着以来の実戦だが、乗り込み量に不足なし。テッポーもきくタイプで態勢万全。あとはグランコージー、シークロム、アドマイヤコメットなど逃げ同型との兼ね合いがカギだが、内枠を引き当てたのも強運。
フェンドオフは2018年、中央ダート5戦2勝から転入。白嶺賞で8着に終わり、直後に南関東へ移籍。3勝をマークしてA2級へ在籍し、昨年9月に再転入。なかなか軌道に乗ることができなかったが、昨最終戦を快勝。
いい形でシーズンを終え、今季初戦もタイセイブラストの2着。上々の滑り出しを切った。絆カップ8着の成績が物足りないが、地力の高さは確か。展開も向き、首位奪取のチャンス。
グランコージーは昨年、川崎クラウンカップ6着から里帰り。初戦のダイヤモンドカップでフレッチャビアンカを子供扱いにして圧勝。2歳最優秀馬の貫禄を見せつけた。
以降は3着最高とフレッチャビアンカに主役の座を奪われたが、5ヵ月の休養でリフレッシュ。4歳の成長期に入り、反撃に転じるか注目の一戦となった。
シゲノブは中央ダート2勝、南関東0勝、名古屋1勝から転入。初戦は実績通用するか半信半疑の面があったが、チャイヤプーン、ヤマショウブラックに次ぐ3着を死守。これでメドが立った。
そのチャイヤプーン、ヤマショウブラックは赤松杯へ向かい、相手緩和。アッサリまで考えられる。
ジェイケイブラックは昨年6勝2着2回。A級でも4勝をあげ、まだ伸びしろは十分。ただイメージは叩き良化型。昨年も3月競馬で9着に大敗し、休み明けはひと息の印象だった。それでも能力上位は明らか。人気も集めるに違いない。
シークロムは昨年シアンモア記念3着後、南関東、北海道へ転籍して再転入。半年ぶりの実戦、近走は短距離をメインに使われているのが気になるとこだが、過去の足跡は一番。9歳馬でも軽視できない。
◎④パンプキンズ
〇⑨フェンドオフ
▲⑦グランコージー
△⑤シゲノブ
△⑧ジェイケイブラック
△⑪シークロム
<お奨めの1頭>
9R フォーハンズプレイ
前走は昇級戦だったが、逃げて4着と通用を証明した。今回は絶好の展開に持ち込め、首位奪取のチャンス