先週は春の盛岡競馬を締めくくる"ダービーシリーズ2020"「第28回東北優駿(岩手ダービー)」はフレッチャビアンカが優勝。一冠目・ダイヤモンドカップの雪辱を果たした。
レースラップをご覧になってほしい。12秒0-11秒6-12秒1-13秒5-12秒9-12秒5-13秒0-13秒1-13秒1-13秒6。
全馬が初の2000mでスローの流れが想定されたが、前半3ハロンが35秒7。対して上がり3ハロンが39秒8だから超ハイペース。これでは先行したマイランコントル、グランコージーがひとたまりもなかった。
一方、フレッチャビアンカは中団インを追走。道中は経済コースを進み、直線半ばで先頭に立ったピアノマンをキッチリ差し切った。
フレッチャビアンカは父キンシャサノキセキ、母スイートスズラン、母父シンボリクリスエス。キンシャサノキセキは現役時代、高松宮記念2連覇を果たしたように典型的なスプリンター。
しかし産駒は佐賀記念(2000m)を制したヒラボクラターシュ、今年の皐月賞3着、日本ダービー6着に健闘したガロアクリークなど距離の融通性があるタイプが少なくない。
この優勝で千葉幸喜調教師は岩手ダービー(東北優駿、ダイヤモンドカップ)5度目の優勝。まさに"ダービーハンター"といっても過言ではない。さて、三冠目・不来方賞を制するのはどの馬か。
15日メインは岩手県調騎会騎手部会協賛「復興祈念 夢あふれる未来へ」(B2級一組 水沢1800m)。
ゴッドミラクルは今季初戦の水沢1600m戦を1秒7差で圧勝。昨年8月以来の美酒を味わった。なかなか勝てなかったのは安定した成績を残していたが、A級昇級でメンバーが強すぎたため。
2戦目はB2からB1へクラスが上がり、流れに乗れず7着だったが、3戦目は3着に巻き返した。そして前走11着は出遅れもこたえたし、盛岡戦は過去3着が最高。コースも合わなかった。
今回は再びB2降格した上、得意の水沢戦。1800mもタイプ的に問題なく、首位奪回のチャンスを迎えた。
アドマイヤツルギは追い込みタイプで流れに左右されるが、必ずひと脚は使う。3月の水沢で2着を確保したが、以降は5、4、7着。先行決着に持ち込まれ、残念ながら届かなかった。
それでも前走はエクスポーネントの競馬に持ち込まれながらも直線鋭く突っ込んで2着。思い切った待機策で連対を死守した。
ここでも展開のファクターがつきまとうが、水沢1800mは内枠有利が定説。前半はインでじっくり脚を貯め、直線勝負に賭ける。
マイディアライフは中央10戦未勝利だったが、2着1回3着4回。ほかもすべてひと桁着順にまとめて堅実ぶりを発揮した。
昨年は未勝利に終わり、じっくり休養。4ヵ月ぶりにレースに臨み、いきなり快勝。素質の高さを垣間見せた。前走は前半で置かれたのが痛く、直線追い込んだが4着。不完全燃焼に終わった。コース替わって気分一新。1800m延長も望むところだし、まとめてのシーンまで。
レッドダニエルはシーズン当初は伸びを欠いていたが、1800mへ延長されて連続3着。調子も上げてきたのは確実。コースを問わずベストの距離と見ていい。
リンネルクロスは好枠を引き当てたのが心強い。自分の競馬に持ち込めないとモロいが、好発進を決めてマイペースなら反撃必至。
シーセクションはまだ本調子ではない印象だが、時に大駆けを秘めるタイプ。大外でも警戒が必要。
◎④ゴッドミラクル
〇①アドマイヤツルギ
▲⑦マイディアライフ
△⑥レッドダニエル
△②リンネルクロス
△⑨シーセクション
<お奨めの1頭>
8R フェアリーキス
転入後、圧巻の2連勝。C2ではモノが違いのは誰の目にも明らかで、コース替わっても追いかける一手