★重賞 知床賞/アクアリーブルが制して北海道勢が上位独占
10月27日に行われた北海道・岩手交流の2歳重賞『知床賞』は岡部誠騎手騎乗の北海道・アクアリーブルが優勝。北海道勢がこのレースを8連覇となりました。
北海道勢5頭対地元勢7頭という構図ではあったものの地元勢の内3頭が門別デビューからの移籍馬で、実質的には「門別デビュー馬8頭対岩手デビュー馬4頭」の形となった今年の知床賞。先手を奪いに行った1番人気スマイルエルフがコーナーで大きく膨らんでしまったのを見て内を突いたアクアリーブルがそのまま抜け出し、外から追い上げたシンボの追撃を凌いで優勝。自身4度目の重賞挑戦で待望のタイトルを獲得しました。
10月最後の開催日となる10月28日、メインレースは9RのJRA条件交流のダート1600m『フレンドリーカップ・プロキオン賞』。長かった盛岡開催も終盤を迎え、JRA条件交流競走もこれが今シーズンラストになります。
本命は岩手の(3)サンシャンペーンを採りました。今回はJRA1勝クラスとの対戦になるのですが、この馬は6月にJRA未勝利から転入してきた馬で未勝利時代には一桁着順がのべ17度というある意味堅実な成績を残していた馬でした。それもその終盤、マイル~中距離に距離が伸びてきて成績も良くなってきていたところでの移籍。それならば今回のJRA勢と大きな差は感じません。
そして転入後もC1からB1までポンポンと駆け上がってきており勢いは十分。距離・コース経験もあり。その点は初コースになるJRA勢に対するアドバンテージにもなるはずです。
対抗も敢えて地元(8)モズリュウオウ。JRA勢に距離経験が少ない先行タイプが多い事から、マイルでしっかりとした終いの脚を使えるこの馬をピックアップ。少し軽めの時計が速い馬場傾向が続いているのもむしろこの馬には好都合。
3番手にJRAの(12)ドヒョウギワを。デビューからの勝利は1勝のみに留まりますが、競走中止の1戦を除けば全てのレースで一桁着順という成績を残しています。距離も問題なく、あとは前が止まるような展開が希望。
以下はまず(1)テンプルツリー。ダートは1400mまでの経験しかないですし最近はずっと短距離主体に使われてきているので距離にどう対応するのか?が課題ですが、スピード優先の馬場であれば押し切ってしまえるかも。(2)アシャカドはこれが10戦目とキャリアが浅いですが戦ってきたレベルではメンバー中上位といえるでしょう。芝の方が良さげでダートなら軽い馬場。当日の傾向がどうなっているかがカギになりそうです。
●9Rの買い目
馬単(3)=(8)、(3)=(12)、(8)=(12)、(3)→(1)、(3)→(2)
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27日メインは岩手、北海道2歳交流「第10回知床賞」(盛岡ダート1400m)。
創設の背景は岩手競馬がどん底だった時代、北海道が支援策の一環として北海道、岩手2歳の交流レースを創設。1年ごとの持ち回りで門別開催のときは岩手山特別、岩手開催のときは知床賞の名称で実施された。
記念すべき1回目は2008年、門別1200mで「岩手山特別」が行われ、北海道クラフィンライデンが1着。2着に岩手センリグランピーが直線鋭く伸びて確保した。
翌年は水沢1600mを舞台に「第1回知床賞」が行われ、岩手ダンストンルティーが優勝、2着も岩手ダークライ。2010年は門別1200m。岩手から2頭が遠征したが、北海道が上位を独占した。
「第2回知床賞」は盛岡ダート1400mで行われ、アスペクトが優勝、2着エスプレッソ。2012年の門別「岩手山特別」は岩手から参戦なく、発展的解消。
一方の「知床賞」は2012年、第3回から重賞へ格上げされ、昨年第9回まで北海道勢が7連覇中。地区レベルの差を見せつけ、現在に至っている。
以上の結果と背景から序列は北海道主流が当然の選択。主軸はスマイルエルフとした。500キロ前後の大型牝馬でデビュー戦5着、2戦目3着だったが、3戦目から2連勝。
以降は3戦連続で着外だが、エーデルワイス賞は15頭立て14番人気ながら、内に包まれながらもひるまずに直線台頭。0秒7差8着に善戦した。
走破タイムも自身の最高タイムを1秒8も短縮。結果以上に中身が素晴らしく、このメンバーなら最有力候補と見て間違いない。あとは初の長距離輸送をクリアーできるか。当日の馬体重をチェックしてほしい。
アクアリーブルは女傑アスカリーブルの初年度産駒。デビュー2戦目を勝ち上がり、ほかに3着2回。近走は入着止まりだが、3走前の牝馬重賞・フローラルカップで0秒4差6着。
どうやら器用なタイプではないようで、コーナーを気にしなくていいワンターンの盛岡1400mは合うはず。母は水沢だったが、ビューチフルドリーマーカップを優勝した。その仔も岩手で素質開花させるか。
シンボはデビュー4戦目で初勝利を飾り、直後に芝交流・ジュニアグランプリに参戦。フジノロケットの決め手に屈したが、2着確保。見せ場も十分に作った。
北海道勢の中でただ1頭だけ長距離輸送を経験しているのが強み。ダート替わりももちろん歓迎だろう。
バイクミレーは岩手と相性がいいプリサイスエンド産駒。過去<2.2.2.2>。着外わずか一度のみの堅実さが身上。メンバーは強化されたが、前回快勝で弾みもついた。
岩手勢ではチャルメーラに注目。同馬も北海道1勝から転入だが、初戦を1秒4差で圧勝。盛岡ダート1400mを使い、実際に勝っている強みを生かす。
クロスワールドは2歳新馬勝ち。その後は精彩を欠いているが、その実績は軽視できない。
◎⑦スマイルエルフ
〇②アクアリーブル
▲⑤シンボ
△⑫バイクミレー
△⑨チャルメーラ
△⑪クロスワールド
<お奨めの1頭>
5R マースルマン
前走は軽い馬場だったにせよ1200m1分12秒1は破格。距離延長も問題なく、2連勝はもらった
26日メイン8RはB1・芝1700mで行われる特別「秋嶺賞」。5月から始まった今シーズンの盛岡芝競走もこれが最終戦。秋嶺賞がファイナルレースとなる。
改めて芝重賞を振り返ってみたい。3歳交流・オパールカップ(芝1700m)はマツリダレーベンが4角先頭から押し切り、はまなす賞、サファイア賞と3歳芝路線を総なめ。その後のリタイアが痛かったが、芝で持てる能力をフルに発揮した。
芝2400m交流・せきれい賞はダイワリベラルが完勝。中央芝6勝オープンの底力を見せつけた。
2歳・若鮎賞はシーサンプーターが優勝。パワーの要るダートに手こずっていたが、芝に替わって反応が一変した。続くジュニアグランプリは北海道フジノロケットが快勝。札幌芝を経験した強みを生かした。
OROカップはコスモリョウゲツが圧勝。中央芝1勝クラスでも頭打ちだったが、この時点で盛岡芝7戦6勝2着1回。盛岡芝との相性が素晴らしいことを証明した。
そして先週、OROターフスプリントは名古屋エイシンテキサスが鮮やかな逃げ切りを決めて優勝。鞍上・山林堂騎手に初重賞をプレゼントした。
1番人気に応えて勝ったのはオパールCのマツリダレーベン1頭のみ。今年の盛岡芝は群雄割拠の時代、波乱の連続だった。さて、秋嶺賞。果たして順当で収まるのか、それとも波乱の一戦になるのか。
主軸にオリエンタルポリスを指名する。中央1勝クラスから転入後、芝ダートでそれぞれ1勝。前々走の芝1600m戦で好位抜け出しを決めた。
前走6着に終わったが、芝替わりは望むところ。前々走と同じ11番枠を引き当て、内にいる先行馬の動きを見ながらレースを進めるのも強み。
フリームーヴメントは中央芝1200m1勝から転入。前々走のJRA条件交流(中央1勝クラスvs岩手B1下)で3角からひとまくり。あわやのシーンを作って3着を確保した。
追い込み脚質ゆえ展開に注文つく面があるが、加速ついてからのシャープな切れが売り物。流れ次第と底力で一気突き抜けるシーンまで。
ニシノヴォーカルは小柄な牡馬ながら全身がバネ。3走前のはまぎく賞で大外一気に伸びてタイム差なし2着。続く区界賞は6着だったが、不良馬場の前走ダート戦を快勝。上昇ムードに乗り、2連勝を飾るシーンまで。
スガノブリランテは休み明け2戦目の盛岡ダート1200m戦を快勝。本調子を取り戻した。1700m対応が課題だが、芝適性は3走前の姫神賞快勝で証明済み。好枠を引き当て身上の粘りを発揮する。
ウインタリエンテは逃げがベストで願ってもない2番枠を引き当てた。気分良く逃げれば強じんな粘りを披露する。
マイディアライフは中央芝で2着1回3着3回。はまぎく賞は7着だったが、4角で一旦先頭。見せ場を作った。オクトーバーCは芝からダート変更で度外視。仕切り直しで反撃に転じるか。
◎⑪オリエンタルポリス
〇⑦フリームーヴメント
▲①ニシノヴォーカル
△③スガノブリランテ
△②ウインタリエンテ
△⑥マイディアライフ
<お奨めの1頭>
7R シェアザプレジャー
移籍2戦目を圧勝し、上昇一途。走破タイムも文句なく、2連勝はもらった
★重賞 OROターフスプリントはエイシンテキサスV
10月20日に行われた芝の地方競馬全国交流『OROターフスプリント』は名古屋所属のエイシンテキサスが逃げ切り勝ち。鞍上の川崎・山林堂騎手は盛岡の地で自身の重賞初制覇を達成しました。
遠征馬6頭を迎えて行われたOROターフスプリントは今シーズン最後の芝重賞。それも1000mという距離とあってこの距離を狙う短距離巧者が集結しましたが、山林堂騎手を背にしたエイシンテキサスは好スタートからペースをコントロールして後続の追撃を抑え込み、最後も追い込んだタイセイプライドの猛追を退けてゴール。
勝ったエイシンテキサスは昨年のこのレースでは岩手所属として挑んで4着だった雪辱を、所属を替え1年越しで達成。そして山林堂騎手はデビュー以来初の重賞タイトル獲得ともなりました。
10月21日のメインレースは8Rになります。芝1700mの『OROターフ特別』。盛岡競馬のシーズンも終盤を迎え、芝レースも残り少なくなってきました。オープン級の芝特別はこれが最後。それだけに芝巧者たちにとっては力が入る一戦にもなりそうです。
本命は(10)マイネルスカイです。近走は少し大きめの着順の数字が続いていますが前走はダート、二走前は芝の交流重賞でのもので条件的に少し厳しかったのは確かでしょう。準重賞クラスの、つまり地元馬同士の芝戦であれば桂樹杯3着など上位の成績を残しており、今回の条件なら力不足は無いはずです。
対抗は(11)ウインルーカス。この馬もマイネルスカイ同様にダートではやや苦戦するものの芝では別の馬のように堅実。桂樹杯5着、今回と同じ条件になる9月のOROターフ特別でも2着ですからここで上位の力を持っているのは間違いなし。カギは大外枠がどういう影響を及ぼすか?でしょう。
(2)サンエイゴールドは3番手評価。芝重賞6勝・準重賞1勝の実績を誇る岩手の芝の王者なのですが今季は順調さを欠き前走が今季の初実戦。1700mはやや短いという戦績ですがOROターフ特別では常に上位を占めていますから問題は無いとして、やはり今季2戦目という点は割引材料にならざるを得ないでしょう。実績・実力を認めつつも今回は3番手まで。
あとは少し穴っぽく(1)アルカサル、(3)リュイールスター。最近の調子は決して悪くないし芝も本来得意という馬を押さえてみたいと思います。
●8Rの買い目
馬単(10)=(11)、(10)=(2)、(10)→(1)、(10)→(3)
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14日、南部杯の日、一つの記録が誕生した。第9R・B2戦に出走したシャーク(父デュランダル 母ユメノラッキー
母父ソルトレイク)が逃げ切りを決め、岩手通算30勝を達成した。
シャークは2012年4月、中央7戦0勝(うち1回は川崎条件交流)から転入。3歳C2の最下級編入にも恵まれて年間8勝をマーク。その後もタフに走り続け、4歳時3勝。5歳時7勝、6歳時7勝。7歳時はA級に上り詰めたため1勝のみにとどまったが、重賞(当時)・あすなろ賞で3着に健闘した。
8歳時にも2勝したが、昨年9歳時は年齢的な衰えと順調さを欠いて実戦7度のみ。3着2回が最高だったが、今年5月に1勝。大台30勝に王手をかけたが、そこからが生みの苦しみ。クラスもB1とB2を行き来し、2着2回もあったが、なかなか白星を手にすることができなかった。
しかし10月14日、南郷家全騎手とのコンビで鮮やかな逃げ切りを決め、ついに30勝を達成した。
転入後、調教を含め、ずっと世話をしてきた永田幸弘調教師補佐。「2年前から30勝が目標でしたが、なかなか勝てず苦労しました。年齢的なものもありますしね。改めて勝つことの大変さを実感しました。たぶん、自分が攻め馬で乗った中では一番落とされたと思います(笑)。年齢を重ねても俊敏なんですよ。これがデュランダルの血なんだなと思います。勝った後は達成感でずっとニコニコしていました。本当にうれしいです」
ホースマンにとって最大の喜びは『勝つこと』。それを30回もするのは至難の業。記憶に間違いなければ1990年に引退したアラブ・コウギョウハンター36勝、1995年に引退した伝説の名馬・トウケイニセイ39勝以来の岩手在籍30勝達成。条件クラスと言うなかれ。無事に走ってこその30勝。心から記録達成を祝福したい。
20日メインは地方競馬全国交流「第9回OROターフスプリント」(盛岡芝1000m)。トライアル・ハーベストカップ1、2着馬シャドウパーティー、ナリタスターワンがそろって回避。さらに遠征馬の力量適性比較が難しく、非常に難解な一戦となった。
迷った末の本命はコスモリョウゲツ。距離不足は盛岡芝適性でカバーできると見た。中央500万下から再転入後、芝2400m準重賞・かきつばた賞を快勝。一息入れた桂樹杯は2着に敗れたが、交流・OROカップを3馬身差で完勝。待望の重賞タイトルを獲得した。
中央500万下で頭打ちだったが、盛岡芝で持てる能力を発揮。7戦6勝2着1回は文句のつけようがない。残された課題は1000mだが、中央芝1200mを使っていればこなせるはず。何よりも勢いを重視した。
コスモロングソードも盛岡芝適性は引け取らず<7.4.2.3>。特に芝1000mは4戦2勝2着2回と絶対の自信を持っている。昨年はシャドウパーティーの大外一気に屈したが、2着を死守。休み明け3戦目で首位を奪取する。
タイセイプライドはOROカップ5着。盛岡芝にのめっていたのが痛かった。しかしコース2度目。また中央芝1400m2勝、芝1200m1勝と距離短縮は望むところ。
メイショウブイダンは中央芝1200m4勝・準オープンに在籍。北海道移籍後は5着最高だが、間違いなく芝でこそのタイプ。ここは全力投球の舞台。
ケンガイアは7月、3歳ダート1200m交流・ハヤテスプリントを快勝。2ヵ月休養明け後、OROカップへ参戦し、逃げて0秒6差4着。初芝を考えれば好走の部類。こちらも1000m短縮は大歓迎。同型をどうさばくかがカギ。
ユイノルフィはトライアル3着。理想は逃げだが、好位追走でも我慢できる。
◎⑪コスモリョウゲツ
〇②コスモロングソード
▲⑥タイセイプライド
△①メイショウブイダン
△⑦ケンガイア
△⑨ユイノルフィ
<お奨めの1頭>
2R マースルマン
移籍2戦目をハイタイムで圧勝。メンバー強化感もなく、2連勝はほぼ手中