前日に続いて今開催の盛岡競馬で大きく変わったのは格付け。3歳一般戦がすべてなくなり、全馬が古馬編入となった。 これまでは別路線で考えれば良かったが、今度から3歳馬と古馬との力比較が大きなファクターに加わる。
一見すると厄介に感じるが、過去のデータでは3歳有利。特に下級条件では3歳馬の活躍が顕著。C2、C1は3歳上位評価がセオリー。例年、古馬たちは苦戦を強いられている。
しかしB2あたりから微妙になる。B2編入の3歳馬は近走成績に加え、走破タイムもチェックしてほしい。3歳A級在籍しているから即、B2通用とはいかない。すべてに言えるだろうが、メンバーによる。
さらにB1突破となると苦戦の傾向が強くなる。なぜなら古馬賞金に対し、3歳賞金は基本高いから控除率があっても思った以上にきついクラスに編入することも少なくない。
ただ、3歳馬は成長力という数字では測れないファクターが加わる。古馬編入戦で敗戦を喫しても学習力と成長力で当該クラスを突破できることが多い。これが競馬の面白さでもある。
9月1日メインは2歳重賞「第37回ビギナーズカップ」(M3 盛岡ダート1400m)。今年は過去とは違うメンバー構成となった。岩手デビューが6頭、北海道2頭、大井1頭。単純に交流戦と受け止めていいだろう。
ほぼ近い形で行われているのが北海道、岩手2歳交流「知床賞」。今年は10月27日、同じ盛岡ダート1400mが舞台だが、昨年のヤマショウブラックからさかのぼって7年連続で北海道所属馬が優勝。やはり2歳戦は北海道勢が圧倒的有利は明らかだった。
これで本命コパノキャリーも納得いただけるはず。知床賞の開催時期が早まったと思って間違いない。
コパノリチャードの初年度産駒で母ラブミーブルーはJpnIII・エーデルワイス賞2着、北海道クラシック一冠目・北斗盃を優勝したサウスヴィグラス産駒。
デビューから5戦連続で2着。転入直前は4着に沈んだが、勝った馬は重賞に名乗りをあげ、前々走1着ミナトノヨーコは牝馬・リリーカップ3着。巡り合わせも悪かった。
距離経験が1200mまで、左回りの経験なし。坂も実戦ではなし。ないもの尽くめだが、地区レベルを考えれば地力上位は明らか。初勝利を重賞制覇で飾る。
不安点を捜せば、好走を続けていても勝っていないこと。最後の詰めに課題があるのは事実。そこにサンエイシャトルの逆転の目がある。
千葉サラブレッドセールで一番時計をマークし、デビュー戦の芝1000mを圧勝。若鮎賞はゴール寸前でシーサンプーターに交わされたが、ハイペースがこたえたのが敗因。
今度はダートへ替わるが能力検査で水沢850m52秒3の実戦並みのタイムをマークなら望むところ。逆転首位も十分考えられる。
フェリスウイングは大井2戦目の1200mを逃げ切って圧勝。直後に岩手に移籍し、若鮎賞へ名乗りをあげたが、1コーナーで外に行きたがって急ブレーキ。最後方まで下げるアクシデントがあり、6着も仕方なし。
今回も左回りに一抹の不安を残すが、実績あるダート戦に加え3、4コーナーのワンターン。巻き返しに転じて当然だろう。
オデンセはトレーニングセール出身馬でエスケンデレヤ産駒。関係者の期待も大きい。デビュー戦は初芝で3着。前走は出遅れを喫して4着とひと息だったが、今回からチークピーシーズを着用。レースに集中できればアッサリの能力を秘めている。
ラブロックはデビュー戦の圧勝が強烈。以降は伸びを欠いているが、ダートは基本歓迎。こちらもレースに集中できれば反撃必至。
コンバットファストは芝で2、3着に好走。ダート実戦は初めてだが、父がシビルウォーなら望むところ。
◎②コパノキャリー
〇⑧サンエイシャトル
▲⑤フェリスウイング
△⑦オデンセ
△⑥ラブロック
△⑨コンバットファスト
<お奨めの1頭>
6R カメットテソーロ
新潟ダート1200mで1分13秒台を2度マーク。C2十二組は明らかに恵まれ格付け
2週間の水沢開催が終了し、今週31日(土)から盛岡競馬に替わるが、今年は11月18日(月)まで6開催約3ヵ月間のロングラン。
過去の岩手競馬で同一競馬場で行われるのは2011年、東日本大震災で大ダメージを受け、水沢競馬場が使えなかった時以来のこと。
さらに昨年、盛岡競馬場には照明施設が設置され、昨年より1ヵ月ほど早く薄暮競馬を楽しめる。最近、特に感じるのは日の入り時間がどんどん早くなっていること。
8月31日(土)は最終10R発走が17時05分だから薄暮競馬ではないが、9月1日(日)の最終11R、「ビギナーズカップ」の発走が17時40分。時間的に微妙なところだが、もしかすると照明に点灯される可能性がある。
翌2日(月)は最終12R「復興祈念 夢あふれる未来へ」は発走18時10分。その日の盛岡日没予報は18時06分だから、点灯されるのはほぼ確実。この日が今年度の盛岡競馬最初の薄暮競馬になる可能性が高い。
もちろん当日の天気にもより、日没前でも照明が点灯されるかもしれないが、本当の薄暮競馬が今週3日間で見ることができるはず。開催替わりの盛岡競馬ともども、照明施設の動向にもご注目ください。
31日メインはB2一組「二戸まつり賞」(盛岡ダート1800m)。出走予定馬が相次いで回避し、7頭立ての少頭数。展開がさらに重要なカギを握る。
サンシャンペーンは中央0勝だが、1勝クラスから転入。二けた着順はその1勝クラス10着のほか2度のみと大崩れしないのが身上。3着1回4着3回の成績を残した。
このパターンで岩手で成功するケースは多く、本馬も転入後3戦2勝2着1回。前走では2戦目に完敗を喫したエルドリッジに雪辱を果たした。
持ち味は先行力とバテない点。決め手勝負に持ち込まれると苦しいが、流れが落ち着くと最大能力を発揮する。その意味で今回のメンバーなら展開も有利。距離に泣くタイプでもなく、3勝目のチャンス。
エルドリッジは成績安定しないが、豪快なまくりで2勝マーク。追い込み脚質ゆえペース次第の注文がつくが、中央時はダート1800m以上に好走が集中。距離延長を味方に逆転首位まで。
デザートナイトは前走5着は4ヵ月半ぶりの実戦がこたえたため。成績が示すとおり水沢の方が反応がいいが、盛岡も決して苦手ではないはず。ひと叩きされて良化必至。
フォルシュナイトは中央芝3着3回から笠松を経て転入。初戦の姫神賞は芝1000mに戸惑ったが、前走・水沢1600m2着。これで通用のメドが立った。
トチノコンコルドは枠順的にも逃げの手が濃厚。1800mが微妙だが、スローに落とせれば残り目が考えられる。
◎⑤サンシャンペーン
〇⑦エルドリッジ
▲②デザートナイト
△⑥フォルシュナイト
△①リュイールスター
△④トチノコンコルド
<お奨めの1頭>
1R ボーンインメイ
中央時代に条件交流で3着。転入後は重賞へ挑戦して9、6着なら上々。このメンバーなら地力上位は明らかだろう
★重賞 ビューチフルドリーマーカップ/大井クレイジーアクセルが優勝
GURANDAME-JAPANの古馬シーズンとして全国の強豪牝馬が集結した『ビューチフルドリーマーカップ』。結果もやはり遠征勢が上位を独占しましたが、中でも強さを見せつけたのは大井・クレイジーアクセルでした。
初めての水沢コースながらもいつも通りの先行策を採ったクレイジーアクセル。道中は川崎・アッキーにプレッシャーをかけ続けられる形になり、馬体を並べられるシーンもありましたが、最後はそれを振り切っての3馬身差ゴール。これでGURANDAME-JAPAN古馬シーズンのトップに躍り出た同馬はシリーズ最終戦・レディスプレリュードで総合優勝を狙います。
前回のこのブログで"今週から水沢競馬場に移っている岩手競馬"と書きましたが、実は早くも今週で水沢開催は終わって来週からは盛岡競馬へ。その盛岡開催は11月18日までのロングラン。そのあとに三度水沢に戻ってきた頃にはおそらく"冬の水沢競馬"になっている事でしょう。季節が進んでいくのは思った以上に速いですね。
さて26日・月曜のメインレースはA級ダート1800mの「初秋特別」。本命は(1)チェリーピッカーです。
前走が今季の初勝利となった同馬でしたが、ここまでは重賞や準重賞を使ってきて勝ち星に手が届かなかったというだけで、ゆったりとしたローテーションを守って馬の状態はむしろ上昇。それが前走の勝利やマーキュリーカップでの掲示板確保につながったのだと思います。今回は重賞連勝中の強敵がいますが、それでも順調度と勢いと、そして距離とで優勝を争える条件は整ったでしょう。
対抗はその重賞連勝中(5)ロジストーム。赤松杯・シアンモア記念と連勝、それも完勝という内容は現時点の古馬勢の中でも抜けたものと言っていいものです。今回はしかし、5月以来の休養明けです。秋を見据えてのここからの始動なのですが、その順調度の分で今回はチェリーピッカーを上の印としました。もちろんこの馬が休み明けでどれだけの走りを見せてくれるか?は優勝争い同様の注目点。
三番手は(10)キングジャガー。今季はマイル以上の距離に挑んでおり先行力も発揮していますが、盛岡では最後の最後で少し止まってしまう・・・という結果が続きました。そこが平坦で直線が短い水沢でカバーされたなら結果も、というところ。あとは大外枠を上手く乗り切れるかどうか。
以下、(3)センティグレードと(8)ユイノムテキ。どちらもここまでの戦績や最近の勢いに見劣りはなく水沢コースも得意。◎や○には先着されているのでこれ以上の強気の印は難しいですが、調子の良さが活きてくるシーンはあるかもしれません。
●12Rの買い目
馬単(1)=(5)、(1)→(10)、(1)→(3)、(1)→(8)
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25日(日)メイン「第45回ビューチフルドリーマーカップ」(水沢1900m)の創設は1975年。サラブレッド牝馬で唯一の特別でスタートし、2000年から重賞へ格上げされた。
2010年から"GRANDAME-JAPAN"古馬シーズンに組み込まれ、地元マイネベリンダが優勝したが、翌年から北海道勢が3連勝。2014年、船橋アスカリーブルが連覇にストップをかけたが、翌年から再び北海道勢が快進撃。ジュエルクイーンの3連覇の偉業を含めて4連勝中。
しかし、今年は北海道からの遠征が1頭もなし。データが崩れたかに見えたが、クレイジーアクセルがしっかり踏襲してくれた。
過去の北海道優勝馬7頭はすべてノースクイーンカップを使っていた。続いてブリーダーズゴールドカップを経て参戦したケースもあるが、ノースクイーンカップは必須。クレイジーアクセルは南関東・大井所属馬だが、ノースクイーンカップを快勝して遠征。鉄板データとなった。
デビュー5戦目に2勝目をマークした時が逃げ切り。これを境に徹底的に逃げ戦法にこだわり、東京湾カップ優勝、関東オークス3着。ダートグレードでもハナを譲らなかった。
現在、"GRANDAME-JAPAN2019"で15ポイント獲得。金沢の読売レディス杯でステップオブダンスが4着。これで5ポイントを稼ぎ、計19ポイント。暫定首位に立ったが、クレイジーアクセルが優勝すれば15ポイントを獲得。ノースクイーンCを合わせて計30ポイントとなり、首位を奪回する。
ここも競りかける馬が不在。クレイジーアクセルは外枠から好ダッシュを決め、そのまま押し切る。
アッキーは中央ダート3勝から昨年12月、南関東へ移籍。エンプレス杯5着、地元オープンで3着3回の実績を誇る。前走はヤマノファイト、センチュリオンの強力牡馬が相手。むしろ3着を確保したことを評価するべきだろう。
ただ3着3回とも51キロと負担重量にも恵まれたのは事実。今回55キロ(3歳馬は2キロ減)の定量戦がどう影響するか。やはり対抗格に落ち着く。
エイシンミノアカは中央芝1勝、ダート1勝。昨年9月、岩手A級、中央1000万下の交流・東京カップけやき賞を快勝し、5ヵ月の休養をはさんで園田へ移籍。六甲盃、サマークイーン賞で3着を確保した。
園田から長距離輸送が課題だが、JRA時代に栗東から盛岡へ移動して完勝なら問題なし。自己能力さえ出し切れれば2着争いは確実。
グレースレジーナは最近、全国で活躍馬を送り込んでいるスマートファルコン産駒。まだ2勝馬だが、前々走・のじぎく賞(園田)では逃げたアヴニールレーヴと2頭で後続を離してハイペースを形成。直線一杯となったが、1番人気リリコの追撃をしのいで2着。敗れて強しの一戦だった。
前走は2ヵ月ぶりの実戦に加えて古馬初挑戦。それを考えれば4着なら健闘の部類だし、ひと叩きされて良化必至。53キロのアドバンテージを生かして上位進出を狙う。
コスモパープルは南関東から転入後、7戦4勝。トライアル・フェアリーカップを強いレースで完勝した。動きをみると明らかに盛岡向きだが、今の勢いで水沢も克服。
アーリーバードはフェアリーカップ完敗3着だったが、勝負どころからの伸びがシャープ。有力馬が早めに動いて前崩れなら台頭の可能性がある。
◎⑨クレイジーアクセル
〇⑧アッキー
▲③エイシンミノアカ
△②グレースレジーナ
△④コスモパープル
△⑦アーリーバード
<お奨めの1頭>
3R ラバーブ
東京ダート1400mで5着を確保し、ここ2戦は先行力もあることを証明。3歳C2編入は明らかに恵まれた
24日(土)第3Rに2歳新馬「ファーストステップ」(水沢850m)が組まれている。勝手な予感だが、このレースから重賞でも活躍するホープが誕生すると思っている。
◎ユイガドクソンはアメリカ生まれだが、母サウスヒューマーはダート1300mの未勝利を勝ち上がり、その後、芝1200m2勝。姉は福島ダート1150m、新潟芝1000mでそれぞれ1勝したピュアリーソリッド。
父ポイントオブエントリーはダイナフォーマーの子供で自身はアメリカ芝でGI5勝だが、産駒プリュクパルフェは今年のUAEダービーを優勝。4着はデルマルーヴルだった。以上のことからダートもこなせるとみていい。
〇アークオブメジャーは北海道トレーニングセール出身馬。叔父がダート短距離で活躍し、種牡馬入り後も大成功を収めたサウスヴィグラス。母系からダート短距離は望むところ。
▲ベルスディライトはサマーセール出身馬でスターリングローズ産駒。母はダート1300m1勝。曾祖母デュークプリンセスは中央5勝オープン。その子供デュークウェインは根岸ステークス3着。
△コンバットヘニーはヘニーヒューズ産駒でオータムセール出身馬。母父がクリス。姉アバンサルはダート1400mで2勝した。
△プディングの母ファミリーパークは中央ダートで2戦6着後、岩手転入。2勝をマークした。父トーセンジョーダンは天皇賞を制したジャングルポケットの代表産駒。
レイワインパルはミツバ、スーパーステションなどでお馴染みカネヒキリ産駒。基本は晩成型で850m向きではないが、大化けする可能性を秘めている。
メイン10RはC1特別「田瀬湖賞」(水沢1600m)。主軸にアポロノホウリンを指名する。
中央未勝利から園田2勝後、再び中央入り。500万下・ダート1700mで1勝した。その後、大井4戦を経て岩手入り。昨年A級で3着1回を確保し、今季は最下級へ降格。初戦は仕上がり途上で3着だったが、2戦目から5連勝。格上ぶりを発揮した。
前々走7着、前走2着に敗れたが、頭打ちではなく展開が合わなかったため。今度こそ軌道修正に成功する。
ブラボーウォームは典型的な右回り巧者。今季、馬券対象から外れた4度はすべて盛岡戦。水沢に限ればすべて3着以上と抜群の安定感を誇っている。
メンバーは骨っぽくなったが、昨年はB1・水沢1600mでも1勝なら格負けはなし。大外が若干微妙だが、コース適性でカバーできる。
ポートフィリップは中央未勝利、園田1勝から転入。芝で4着3回の成績から転入2戦は芝を使ったが、11着、5着。置かれたのが致命傷だったが、前走ダートに替わって動きが一変。鮮やかなまくりを決めて快勝。岩本怜騎手に通算100勝をプレゼントした。弾みついて水沢でも再現狙う。
バトルグランドリイは転入後、一度5着以外は毎回、馬券対象。マイル対応が課題だが、相手なりに駆ける堅実派。
シャムゴッドは目立たないが、着実に復調ムード。近走内容から連対まであと一押し。
ヤマニンセノーテ は後方のままの前走は度外視。それ以前の安定度からノーマークにできない。
◎②アポロノホウリン
〇⑨ブラボーウォーム
▲⑦ポートフィリップ
△④バトルグランドリイ
△⑧シャムゴッド
△①ヤマニンセノーテ
<お奨めの1頭>
5R ギンガムチェック
転入2戦ともアッサリ逃げ切り、ここでは地力の違いが明白。コース替わりでも追いかける一手