6日メインはA級馬による「皐月特別」(水沢1600m)。この最終12Rで水沢開催はひとまず終了。次週から舞台は盛岡に替わり、水沢巧者は今回、何としても結果を出したいところだろう。
その一番手はヒドゥンブレイド。3月開催を貫禄勝ちしたが、以降は2戦連続で4着。相手も骨っぽかったが、上りの勝負に持ち込まれたのが敗因と見ている。
ヒドゥンブレイドはどんな展開にも対応でき、終いも堅実に伸びてくるが、その反面でピリッとした脚がないのがネック。中央1000万下から転入後、重賞以外で着外に沈んだのはわずか3度。
残念ながら重賞では歯が立たないが、自己条件に戻ると堅実さを発揮する。それが長所であり、短所でもある。重賞で好走するためにはワンパンチが必要だ。
裏付けているのが2戦の勝ち馬サインズストームは昨年、盛岡ダート1000mレコードを更新したようにスピードで押すタイプ。ヒドゥンブレイドは苦手の競馬に持ち込まれてしまった。
今回のメンバー構成なら逃げるのはタイセイラビッシュ、2番手ワイルドソング。ヒドゥンブレイドは3番手はキープでき、流れも落ち着くのは確実。おあつらえの展開になる。
加えて水沢<4.3.1.5>に対し、盛岡<0.2.2.6>とコース適性がはっきり。次開催から舞台が盛岡に替わり、陣営にしてみれば水沢開催の今回が全力投球。何としても勝ちたいところだろう。
ダイチラディウスは昨年春、早々と2勝マークして飛躍を期待されたが、脚部不安のために無念のリタイア。12月に復帰を果たしたが、久々の実戦がこたえて7着。結果的に不本意なシーズンで終わったが、今季は初戦を快勝。これで復調なったと解釈していいだろう。
前走・駒形賞は3着に敗れたが、実質A級馬が相手。優勝したセンティグレードはA級戦を完勝した実績を誇り、仕方なしの結果だった。
この一戦からA級へ昇格したが、実際のところはヒドゥンブレイド以外はB級クラス。相手はむしろ楽になり、逆転の可能性は十分にある。
ワイルドソングは550キロ前後の大型馬。3歳時に不来方賞2着、4走前のB1特別・ひいらぎ賞を完勝。まだまだ伸びしろを感じさせる。
今シーズンは精彩を欠いているが、明らかに仕上がり途上。馬体が緩く冬毛も結構残っていて陣営は叩かれながら―と考えているムードがあった。
それでも前走にしっかり変わり身を見せ、走りごろの休み明け3戦目。相手も手ごろとなれば、自慢のパワーで押し切る可能性も十分。
タイセイラビッシュは中央ダート1400m、1600mで2勝。近走は短距離を専門に使われ、初戦に水沢850m戦を選んだと思うが、追走にてこずって9着。案外の結果に終わった。
その内容から岩手ではもう少し長い距離の方がいい印象。外枠でも苦もなくハナに立てそうだし、マイペースにも持ち込める。A級で通用するかどうか、正念場を迎えた。
ジーパワーは高知から再転入。初戦は粘りなく失速8着だったが、500キロの体重増がこたえたか。体が絞れてくれば通用して不思議はない。
アイリスロードは川崎1勝から里帰り初戦6着。まだA級では荷が重そうな感じだったが、成長続ける4歳馬。ここで見せ場を作って得意の盛岡を迎えたいところだろう。
◎④ヒドゥンブレイド
〇①ダイチラディウス
▲⑧ワイルドソング
△⑦タイセイラビッシュ
△③ジーパワー
△⑤アイリスロード
<お奨めの1頭>
11R コールサインゼロ
休み明け2戦目から圧巻の逃げ切り2連勝。持ち前のスピードが冴え渡っている。モロさも同居のタイプだが、今回も楽に先手を取れるメンバー構成
★重賞 やまびこ賞/グレートアラカーが前走の雪辱果たす
5月4日に行われた3歳馬の重賞『やまびこ賞』は1番人気グレートアラカーと2番人気パンプキンズの、下馬評通りの一騎討ちに。2週目の3コーナーまで続いた接戦は、最後は楽に抜け出したグレートアラカーがパンプキンズを7馬身突き放して優勝。前走のスプリングカップで敗れた雪辱を果たしました。
3着はこれもゴール寸前まで接戦が続き、南関東から転入初戦リュウノボサノバが、同じく南関東から転入して4戦目のトーセンロブロイを抑えきって確保。これによりグレートアラカー、パンプキンズ、そしてリュウノボサノバの3頭が東北優駿の優先出走権を得ました。
さて5月5日のメインレースは古馬マイルの『シアンモア記念』です。昨年までは地方競馬全国交流として行われていましたが今年は岩手限定の条件に変わりました。そのために、という事では無いでしょうが、6頭立ての少頭数になってしまったのはちょっと寂しい気がします。
昨年のこのレースの覇者・ベンテンコゾウはその後南関東に移籍、そのベンテンコゾウを青藍賞で破っているエンパイアペガサスは、先日の笠松・オグリキャップ記念への遠征を選んだためここには不在。そしてそのエンパイアペガサスとの対戦に注目されていたチャイヤプーンも南関東に移籍。地元有力馬も次開催。1800mのあすなろ賞へ向かう馬が多く、マイルのここは"この距離でこそ"と狙ってきた馬が少なくなってしまった印象。出走6頭がどんなレースを見せてくれるのでしょうか?
しかし少頭数ながらも楽しみが無いわけではありません。本命はその期待の一頭(4)サンエイキャピタルとしました。
一昨年の7月に新馬戦を勝ったものの直後に体調を崩した事から休養にはいったサンエイキャピタル。しかし復帰初戦となった昨年6月のウイナーカップを11ヶ月の休養明けで完勝。さらには10月の3歳伝統の一戦・不来方賞ではチャイヤプーンとの大激戦を制してみせ周囲を驚かせました。その後軽度の骨折で再び休養に入ってこのシアンモア記念が再度の復帰戦という事になります。
つまり休養明けであり対古馬初戦、それがこのシアンモア記念なわけで、普通に考えたら楽な戦いではないと考えるべきでしょう。
ですが、これまでも何度も想像以上の走りを見せて周囲をあっと言わせてきた馬。それはデビュー当時「間違いなくこの世代のNo1」と言われた素質があってこそでもあります。今回もまた不安や心配を吹き飛ばす走りを期待したいもの。
実際の状態面も、昨年の不来方賞時ほどではないでしょうが、帰厩前から乗り込んで来たうえで態勢整ったという事での出走ですからひとまず不安なしと考えて良いでしょう。ここでどんな走りを見せてくれるのか、期待と注目の意味で◎。
対抗は(2)ロジストーム。昨年の今頃とは別の馬のような好成績が続くのは馬体重が550kg前後で安定してきたため。前走時の565kgはやや太めだったのかもしれませんが、あくまでも前哨戦、それを太め残りで完勝できた事はむしろ本番に向けた好材料だったとも言えます。
今や水沢マイルは最も得意とする条件にも。ベテラン古馬の貫禄と意地で4歳馬には負けられないところ。
三番手は(6)パーフェクトデイでどうでしょうか。直近の南関での成績は同じ時期に南関にいたロジストームと遜色ないものです。二度目の水沢戦なら前走よりも前進あって良いはず。
(1)イーグルカザンは赤松杯でしぶとい末脚を繰り出して2着。直前の笠松で勝っていたように11歳にしての状態の良さを活かした戦いを演じました。その前走が結果2着ながら非常に良い走りだっただけに同じ走りができるかどうか?になるのですが、それができればここでも再現まであり得るでしょう。そして(5)シークロム。2016年の青藍賞、同じ水沢マイルの重賞を勝っており地力はある馬。前走は1800m戦を逃げ切りましたが本来はマイルでも少し長いというタイプの快速馬でしょう。先行同型が多い事が逆にしぶとさを引き出してくれたなら、でしょうか。
●12Rの買い目
馬単(4)=(2)、(4)→(6)、(4)→(1)、(4)→(5)
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