7日メインは盛岡芝1000mを舞台に行われるB2特別「姫神賞」。あまり知られていないが、このレースから地方競馬全国交流「第7回OROターフスプリント」(10月21日 盛岡芝1000m)への道がスタートする。
B2・姫神賞→B1・FM岩手杯(9月18日)→オープン重賞・ハーベストカップ(10月8日)→OROターフスプリントが芝1000mの王道。
昨年姫神賞を制したウインミラージュ(父ステイゴールド)はFM岩手杯優勝。そしてハーベストカップ2着からOROターフスプリントでも5着を確保した。
言うまでもなく、芝1000mはスペシャリストの戦い。ダート、適距離など条件が合わず、埋もれていた下級馬が頭角を現せる数少ないチャンスを獲得できる路線でもある。
かつてウメノレイメイ(父ヒシアケボノ)も芝ダート1000mで活躍。OROターフSの前身・きんもくせい特別(オープン)優勝も鮮烈な記憶に残っている。
主軸にシンボリダルクを指名する。父シンボリクリスエス、母父シンボリルドルフ。決して短距離芝向きではない血統だが、前走・姫神賞ターフチャレンジで2番手から抜け出しを決め、タイセイマジックの追撃を封じた。
中央未勝利、園田0勝、笠松3勝・B2から転入。初戦の芝1700mは5着だったが、0秒3差。盛岡芝を経験した強みも生かし、芝1000m対応できたのが収穫だった。馬格にも恵まれた牝馬。2連勝を期待する。
タイセイマジックは姫神賞TCクビ差2着。惜しくも勝利を逃がしたが、芝1000m1勝の実績はダテではなかった。前走は重馬場だったが、今度は良馬場での決着の可能性大。そうなると芝1000m59秒2の持ちタイムも光る。
シーザーバローズは先物買い。昨年、芝で3連勝。これから上級へ殴り込みをかけようとした矢先、脚部不安が発生。リタイアが痛かった。復帰戦の前走は11ヵ月ぶりの実戦に加え、ダート戦では大敗も仕方なし。距離不足の感あるが、芝で反撃に転じる。
レイズアスマイルは目下3連勝。前走は得意のダート1200m戦だったとは言え、1分11秒9の破格タイムもマークした。芝はベストではないが、こなせるタイプ。何よりも勢いに乗っている。
ブラックメイプルは姫神賞TC3着。上位2頭には水を開けられたが、出遅れながらもいい脚で直線伸びてきた。前崩れなら台頭十分。
ラブミーリルも芝向き。前走は芝・レインボーカップへエントリーしたが、馬場悪化のためダート変更。11着も仕方なしだった。1000mどうかだが、盛岡芝は1勝2着2回と適性は証明済み。
◎⑤シンボリダルク
〇⑦タイセイマジック
▲⑨シーザーバローズ
△⑧レイズアスマイル
△⑩ブラックメイプル
△②ラブミーリル
<お奨めの1頭>
10R チェリーピッカー
前走2着で連勝12でストップしたが、体調もひと息だった。未知の1800mは地力でカバーする
6日メインは岩手版オークス「第31回ひまわり賞」。盛岡ダート2000mを舞台に行われる。出走馬は8頭。当初の登録も8頭だったので全馬が予定どおりに駒を進めてきた。
"夏に強い牝馬"の格言があるが、これは科学的にも証明されている。確かに牧場で馬の世話をしていたとき、男馬は暑さに弱かった。もちろん個体差は当然あったが、総じて牝馬の方が気候変化に強かった。
ついでに芦毛は暑さに強く、黒い馬は弱い―の説は根拠がないそうだ。
栗駒賞(7月2日)で2番人気に支持されながら、6着に沈んだ芦毛エーシンシャラクは夏が苦手なのだそうだ。確かにパドックで発汗が激しく、レース前に終わっていた印象だった。やはり通説なのか。
ただ一つ言えることは、大型馬は夏に弱い傾向がある。ナムラタイタンがそうだったし、エーシンシャラクも500キロ超。もしかすると大型馬は体温調整がうまくないかもしれない。
幸い今週の盛岡は昼は暑いが、朝晩は結構涼しい、いや寒い。もはや秋に突入したかとさえ思って一抹の寂しさを感じるが、競走馬にはありがたいこと。今週もいい競馬を期待している。
本題に戻る。ひまわり賞の本命はダンストンレガーメで異論がないだろう。
昨年、北海道から参戦した知床賞を優勝。そのまま畠山信一きゅう舎へ移籍し、プリンセスカップ3着。2歳A級戦7着。
敗れた背景には気性面の課題があった。担当する川島学調教師補佐「神経質な性格で飼い葉が細かったんです。400キロ前後の小柄な牝馬ですから、なおさらこたえたようです。ですから昨年は体重をどう維持するかに悩みました」
そんな川島くんは語る。「今年春のあやめ賞、留守杯日高賞は自信があった。体重は増えていなかったけど、調教をしっかりこなすことができた。相変わらず食は細いけど、体重を維持できましたからね」
それが3歳牝馬二冠に結びついた。続くはまなす賞は芝にとまどって7着だったが、3歳牡馬の岩手ダービーダイヤモンドカップ、古牝馬・フェアリーカップと連続4着。条件を考えると健闘だったし、今回のひまわり賞へもいい経験となった。ひまわり賞へ万全の態勢で臨む。
ダンストンリアンが相手筆頭。ダンストンレガーメと同じく北海道から転入。2勝をマークして金杯へエントリーしたが、出走取消。
これで2歳シーズンを終え、今季は奥州弥生賞から始動。一貫して重賞路線を歩んだが、入着止まり。まだオープンの壁は厚かったが、前々走・ウイナーカップ2着。続く1000m重賞・ハヤテスプリントを直線抜け出しを決め、待望の重賞タイトルを獲得した。
これが3歳馬の成長力。距離不足は強豪に揉まれてきたキャリアで克服した。前走が1000m戦で今回2000mが舞台。常識的には厳しい印象だが、折り合いに苦労しないタイプ。ハヤテスプリントは絶対能力で1000mをこなしたもので、元々は2000m歓迎のクチ。
ビービースペースは北海道1勝から名古屋、川崎1勝、北海道2勝から岩手転入。初戦のハヤテスプリントは1000mが合わず追走に手こずって6着。しかし、短距離を使うと反応が良くなることが多く、2戦目の盛岡1600m戦を快勝。門別1700mも勝ち、2000mは望むところ。
ソーディスイズラヴは南関東から移籍初戦のはまなす賞で直線一気を決めて優勝。マイナス17キロと大幅減だったが、隠れた芝適性を披露した。
その後はダイヤモンドカップ6着、オパールカップ8着。成績も気になるが、それ以上にオパールCで体重が390キロまで減っていたこと。ダイヤモンドCは輸送のない地元競馬だったが、前走は過去最低の馬体重での出走だった。
レース間隔を開けて回復に専念したが、どこまで戻っているか。当日の気配をチェックしたい。
グラマシーは留守杯日高賞でダンストンレガーメのクビ差2着に惜敗。レースを作ったことを考えると負けて強し。直後の転入初戦の盛岡マイル戦完勝も納得だったが、以降は凡走の連続。レースに集中できてない感じだった。今回が正念場となる。
セカンドネイチャーはJRA条件交流・アメジスト賞(盛岡1600m)で3着。その後も堅実に着を拾い、マーク欠かせない。
◎②ダンストンレガーメ
〇⑥ダンストンリアン
▲⑤ビービースペース
△①ソーディスイズラヴ
△⑦グラマシー
△④セカンドネイチャー
<お奨めの1頭>
10R セイユニコーン
転入後、早くも7勝マーク。前走でB1馬も蹴散らし、まだ上を望めることを証明した。追いかける一手だ