今開催の特別開催19日から新人調教師・橘友和調教師が開業。2戦目・コスモグランツでうれしい初勝利を飾った。
橘調教師は葛西勝幸きゅう舎で厩務員経験を経て昨年12月1日に調教師免許を取得。準備等の関係で開業は3月になったが、早々と勝ち鞍をあげた。
彼は大学時代、岩手競馬情報誌「テシオ」の愛読者だったという変わり者?。きゅう舎に勤め始めた時から調教師を目指していたという。
1979年6月9日生まれだから現在36歳。先に開業した飯田弘道調教師が1975年生まれだから、岩手競馬では最年少調教師。しかも飛び切り若く、ただ一人30代の若手。
3月19日、第4Rでドクトルカルミアがきゅう舎第1号で6着。しかし2頭目のコスモグランツを第7Rに出走させ、2番人気ながら3馬身差で圧勝。鞍上・高松亮騎手がゴール入線後、派手なガッツポーズで橘調教師を祝福した。
橘友和調教師「高松亮騎手が積極的なレースをしてくれたのが最大の勝因。ひと叩きされてからかなと思っていましたから、正直とまどっているところもありますが、厩務員時代とはまた違った喜びですね。冬場にコスモグランツの世話をしてくれた牧場スタッフの女性も応援に駆け付け、いっしょに記念写真を撮りました。喜んでもらえる人がいて幸せです」
調教師合格を祝福して、いっしょに飲んでから早3ヵ月あまり。この初勝利は自分のことのようにうれしかった。橘調教師、おめでとう!!
27日メインはオープン馬による水沢1400m戦「スプリント特別」。中央500万下からの転入馬が4頭。南関東B2、B3から転入馬がそれぞれ1頭ずつ。序列が非常に難しい上、小回り水沢対応も微妙。悩ましい一戦となった。
その中にあってエーシンシャラクが一番計算できる。昨年5月、東海地区から転入後、桂樹杯5着以外はすべて3着以上。3勝2着5回3着2回と抜群の安定感を誇る。
課題だったマイルも克服して白嶺賞、トウケイニセイ記念2着。芝ダートを問わず常に結果を出してきた。
ただ詰めの甘さがつきまとうのも事実。短距離対応の高さがある反面、最後の爆発力に欠けるのは否定できず、軸の見方で主力扱いとなる。
ローレルイニシオは中央未勝利、北海道3勝、南関東6勝が過去履歴。1200mから1400mに好成績が集中し、水沢1400mは望むところ。
昨年7月に勝利を飾ったが、一度4着以外は二ケタ着順。しかも今回は5ヵ月半ぶりの実戦と不安要素が少なくないが、能力検査を叩かれ、追い切りでも好タイムをマーク。体重さえ絞れていれば勝ち負けに持ち込めると判断した。
ファストアズソングは中央2着1回から南関東へ移籍。3勝2着7回の成績から再び中央復帰したが、4戦とも二ケタに終わり、岩手へ新天地を求めてきた。
牡馬にしては420キロ台と小柄ながら、シャープな切れが武器。小回り克服がネックだが、地方ダートが合うタイプ。あとは流れに乗れるかどうか。
ニナフェアリーは芝1400m1勝2着1回。ダートはデビュー2戦とも二ケタとパワー勝負がカギ。ただ中央芝1200mでもハナを奪っているようにスピードが身上。好枠から逃げてマイペースならアッサリまで十分。
ショウナンダイチは新潟芝1400m2勝。ディープインパクト産駒でダートは未経験。やはり押さえ程度に落ち着く。
ユキノユウダンは昨年暮れに転入。ダート戦で5、4着の実績があり、もっと強い印が必要かもしれない。
◎(5)エーシンシャラク
〇(1)ローレルイニシオ
▲(3)ファストアズソング
△(2)ニナフェアリー
△(7)ショウナンダイチ
△(9)ユキノユウダン
<お奨めの1頭>
2R ココロノママニ
前走は余裕を残して逃げ切り圧勝。C2では地力の違いを証明した。タイム以上に内容がすばらしく、2連勝濃厚
先週19日から特別開催がスタート。クラス再編成により格上馬が最下級へ急降下したケースが多く、結果も格上が優位。特にC2条件は比較的、本命サイドで決着した。
加えて先行優位の傾向も強かったが、後半になって荒れ始めた。特に力の序列が決まっていない3歳戦は波乱の連続。上位クラスも荒れムードだった。
また初日(19日)、2日目(20日)の前半戦は順当、後半から荒れてきたが、3日目は2、3レース以外は高配当が連発。逃げ先行もほぼ壊滅状態となった。
果たして今週はどのような傾向になるのか。2回使い(C2)はある程度、力量比較がしやすいが、上級になると混戦ムード。
一つの対策法として言えるのはパドックの状態把握。今の時期は気ヅヤ、馬体の張りなどが分かりやすい。テシオ情報局のツイッターでパドック印象を報告したが、メイン9R「春風賞」(B1)で②グエンザップ、⑨アフリカンハンター、⑥セユウレインボー、⑩マイネルナロッサをピックアップした。
結果は1着・マイネルナロッサ、2着・アフリカンハンター、3着・セユウレインボー。パドック印象が大きいことを改めて実感。みなさんもしっかりチェックしてほしい。
26日メインはA級二組「東風特別」(水沢1600m)。いよいよオープン戦がスタートするが、いきなり難解なメンバー構成となった。
主軸にナムラハンベエを抜てきする。阪神ダート1700m・2歳新馬戦2着。以降も一度12着のほかは堅実に上位を確保した。
しかし未勝利に終わり、高知へトレード。2着2回後、5戦目に待望の初勝利を飾り、一戦置いて2勝目をマーク。直後に岩手入りを果たした。
何と言っても強みは2月まで実戦を使っていたこと。他は2ヵ月半、3ヵ月の休養明けに対し、このアドバンテージは当然大きい。中間の追い切りでも動き、いきなり勝ち負けに持ち込める。
トーホクアローは無事これ名馬を地で行くタイプ。桐花賞へも4年連続で出走を果たし、3着1回4着3回。どんな相手でも直線で確実に台頭するが、追い込み脚質のため弱い相手でも取りこぼすケースも多々。入着止まりも十分考えられる。
とは言え、水沢1600mは6勝2着4回。コース勝ち星をすべて水沢マイル戦で上げているように条件ベスト。リーディングジョッキー・山本聡哉騎手の腕も勝利を後押しする。
リトルキングは昨年5勝2着2回3着5回。相手なりに駆ける堅実さが最大の武器。その反面、最後の爆発力に欠けるケースもあり、勝ち切れるかどうか。
ただ昨年の特別開催を快勝したように久々を苦にしない気のいいタイプ。仕上がりの早さで好勝負に持ち込む。
マウントマズルは1年休養を経て中央から転入。なかなか戦闘モードにならなかったが、終盤にようやく復活ムード。いい形でシーズンを終えた。今年こそ秘めた素質を開花させたい。
ブルースイショウは北上川大賞典で3着確保。旧地でもオグリキャップ記念、六甲盃3着と長丁場で本領を発揮した。今回はマイル対応と休み明けが不安だが、地力上位。
タフガイはB2からA級にジャンプアップだが、レースセンスの良さが売り物。
◎(9)ナムラハンベエ
〇(1)トーホクアロー
▲(6)リトルキング
△(11)マウントマズル
△(4)ブルースイショウ
△(12)タフガイ
<お奨めの1頭>
6R マイネルボンド
前走はプラス15キロの体重増と短距離戦にとまどって4着。ひと叩きされて今度は首位を譲れない
先日15日、高知競馬場でJpnIII「黒船賞」が行われ、岩手からラブバレットが挑戦した。
トウケイニセイ記念を優勝後、福島県のテンコートレセンで乗り込み、レース2週間ほど前に水沢へ帰郷。12日に水沢を出発し、17時間半かかって高知入りした。
さすがに長距離輸送がこたえたのだろう。ふっくらしていた体がすっきりして若干あばらが浮いていた。その影響か珍しく入れ込みが目につき、笠松グランプリとは雰囲気が違った。
内枠も厳しかった。当日は内が深く、不良馬場の発表だったが、力の要るコース。押し出される格好で逃げの手に出たが、ダノンレジェンドのマークもきつく3コーナーで一杯。7着も仕方なしだった。
結果からさかのぼれば敗因はいろいろと考えられるが、負けは負け。力不足だったと判断するべきだろう。
次走予定は4月6日、東京スプリント(JpnIII 大井1200m)。もちろん状態を見ての決断だが、今回の敗戦を糧に捲土重来を期す。
20日メインはB1一組『花巻御食事処「山水」賞』(水沢1800m)。A級から降格、1800m延長とエイトプリンスに好走条件がそろった。
中央1000万下、大井B2から転入。移籍3戦目の芝交流・せきれい賞(2400m)で3着を確保し、3走前には盛岡ダート1600mを圧勝した。
その直後、脚部不安が発生し3ヵ月の休養。12月末に戦列に戻り4着、トウケイニセイ記念6着でシーズンを終了した。
今季はB1へ降格し相手有利は明白。距離も長い方が合い、A級復帰へ好発進を決める。
逆転筆頭はレディアントデイズ。昨年3月の特別開催を3着にまとめ、2戦目から2連勝。幸先のいいスタートを切ったが、以降は精彩なし。なかなか疲れが取れなかった。
しかし終盤になって反撃。最終戦を快勝し、ようやく勢いを取り戻した。寒い季節が活躍のとき。単まで十分。
ケイジースワローは9戦8勝2着1回。完全に岩手の水が合った。C1からいきなりB1へジャンプアップだが、スケールの大きさで突破するか注目。
キーマスコットは水沢<4.2.1.1>とコース適性は相当。小柄な牝馬ゆえ平坦小回りがあったと解釈して間違いない。仕上げにも手間取らず、いきなり勝ち負けまで。
スパンコールは切れる末脚が武器。牝馬交流・ビューチフルドリーマーカップでも3着に善戦した。ハイペースで一気台頭。
エリモサプライズは北海道A2から移籍初戦で豪快な3角まくりで2着。2戦目は凡走したが、実力的にも引けを取らない。
◎(9)エイトプリンス
〇(4)レディアントデイズ
▲(7)ケイジースワロー
△(3)キーマスコット
△(5)スパンコール
△(8)エリモサプライズ
<お奨めの1頭>
4R レオパルドゥス
本質的には追い込みタイプで狙いづらいのは百も承知。しかし最下級C2なら自力で展開を切り開けるに違いない
岩手競馬は2ヵ月あまりの冬休みから明け、ついに再開。19日から28日までの特別開催が始まります。また岩手競馬をよろしくお願いします。
それに先立ち寒菊賞を制したイチダイが3月12日、JRA・中山500万下(芝2000m)へ挑戦。生涯初めての芝が舞台だったが、3着に健闘した。
続いてラブバレットが15日、高知・黒船賞(JpnIII)へ挑戦。内枠(3枠)に入り、包まれるのを避けて逃げの手に出たが、3コーナーでダノンレジェンドに早めに交わされたのが致命傷。直線一杯7着に終わった。
当日は前日の雨の影響で不良馬場だったが、内が極端に深くラブバレットには不運だったのは事実。幸いレースの反動が少なく、状態が良ければ東京スプリント(大井1200m JpnIII)へ向かいたいと菅原勲調教師。捲土重来を期す。
19日メインはB1級二組「春の扉賞」(水沢1600m)。今開催から格付けが再編成され、大幅にクラス変動。休み明けに加え、上がり馬、降格馬の力比較も大きなファクターとなり、波乱の要素も十分ある。
主軸にロケットボールを指名する。昨年5月、北海道1勝、大井1勝から転入。堅実な差し脚を武器として<3.3.3.1>。馬券対象から外れたのはわずか一度のみと抜群の安定感を誇った。
昨年、転入2連勝後、軽い骨折で3ヵ月の休養を余儀なくされたが、復帰戦2着。休み明け実績も強調材料となる。
逆転筆頭はエアラギオール。中央ダート3勝・1000万下に在籍。岩手入り後、青藍賞3着、北上川大賞典4着にまとめた格上の存在がB1降格は恵まれた。
その反面、勝ち味に遅く2着1回3着2回が最高。岩手未勝利が気になるが、相手が緩和され、待望の勝利まで。
タイセイオーシャンは金沢C1から転入して4勝2着5回。依然、底を見せていない。クラスが一つ上がり、メンバー強化が微妙だが、岩手の水が合ったのは確実。ここも突破ならオープン入りも夢ではない。
ドリームカトラスは中央芝5勝、笠松6勝・A級からトレード。初戦・白嶺賞はしんがり11着に沈んだが、その一戦のみで終了。3ヵ月の休養でリフレッシュできれば旧地実績からも通用するはず。
同じ意味がワールドブルーにも言える。中央2勝、高知18勝。岩手では3着1回までだが、ひと息入れて反撃に出るか。
ノーティカルスターは追い込みタイプゆえ展開が大きなカギを握るが、通算9勝のうち8勝がマイル戦。前崩れの展開になれば台頭十分。
◎(5)ロケットボール
〇(6)エアラギオール
▲(3)タイセイオーシャン
△(2)ドリームカトラス
△(9)ワールドブルー
△(4)ノーティカルスター
<お奨めの1頭>
4R ココロノママニ
中央芝1200m1勝から転入してB2戦で2着確保。冬場に高知・黒潮スプリントへ挑戦した。今回は最下級C2へ降格は見逃せない