3日、JBCデーは最高の盛り上がりを見せた。朝から雨が降ったりやんだりしてグズつき気味だったが、第8Rのレディスクラシックが始まるあたりから雲の隙間から光が差してきたのは神がかり的だった。レースをご覧になった方も多いと思うので、いくつかのコメントを紹介してみたい。
「第14回JBCクラシック」
1着・コパノリッキー
田邊裕信騎手「
これといった逃げ馬がいなかったし、スタートが上手だったので行こうと思った。帝王賞のときは折り合いを欠いたが、今回は感じよく走っていた。ここまで直線でも伸びて完勝してくれるなら、これからも楽しみです」
村山明調教師
「当初、南部杯から秋始動を考えていたが、夏負けの影響が心配だったのでJBCへ切り替えた。気のいいタイプなのでマイルがベストかなと思っていたが、ジョッキーがうまく乗ってくれた。次の目標はチャンピオンズカップ。今回の勝利で改めて潜在能力の高さを実感したが、もっと強くなれる。ワンランク上のパワーがあるかもしれない」
「第14回JBCスプリント」
1着・ドリームバレンチノ
岩田康訓騎手
「馬場が締まっていたので、この馬のスピードを生かして強気の競馬をした。イメージは4角先頭。内でサトノタイガーが渋太く粘っていたが、併せ馬の形に持ち込めたのが勝因。
今日はGⅠ2連勝ができたが、自分ができることは競馬で勝って喜んでもらえること。これからも東北へできる限り足を運びたい」
加用正調教師
「オーナーがダート変更を理解してくれた。厩舎初のGⅠなのでとてもうれしい。今後の予定は馬の状態を見ながらだが、今後は追われる立場。しっかし調整を積んで万全の態勢で臨みたい」
「第4回レディスクラシック」
1着・サンビスタ
岩田康訓騎手
「レディスプレリュードと同じような位置取りは理想的なポジション。ワイルドフラッパーが動いたのを見て仕掛けたら反応がすばらしかった。高速決着の馬場も合ったようです。これで賞金を加算できたので、どんなレースにもいけます」
角居勝彦調教師
「これほどまで成長してくれるとは。次走予定は船橋のクイーン賞。以降も牝馬ダートグレードを歩んでいきたい」
8日(土)メインは「立冬特別」(A級二組 盛岡ダート1600m)。前走の強さを見せつけられたらイキナヤツの中心は動かない。
中央1勝、南関東1勝・B2から転入。通用するか半信半疑のところがあったが、豪快なマクリを決めて完勝。展開に恵まれた感もあったが、それでも走破タイムが優秀。同じ盛岡ダート1600mが舞台なら連勝もらった。
ザドライブは結果的にイキナヤツをアシスト。差し競馬から一転、積極策に転じて4角で早々と先頭。前半で脚を使って直線一杯となったが、それでも3着に粘ったのはさすが。今季未勝利でも安定度抜群。ここでも上位争いを演じる。
ダノンボルケーノは春先から好調度を前面に4勝マーク。夏場は無理をせずリフレッシュに専念して9月に復帰。まだ本来の粘りを取り戻していないが、けやき賞はJRA相手では7着も仕方なかったし、距離も長かった。得意のマイルで反撃に転じる。
同じくドラゴンロックスはけやき賞は8着だったが、転入初戦は果敢に攻めて0秒4差3着。地元同士なら好勝負必至だろう。
トーホクアローは前々走1着。追い込み有利の展開がズバリ。今季2勝目をマークした。流れに左右される面あるが、ペース速くなれば一気突き抜けるシーンまで。
◎(2)イキナヤツ
○(4)ザドライブ
▲(7)ダノンボルケーノ
△(9)ドラゴンロックス
△(8)トーホクアロー
<お奨めの1頭>
8R ユキノハリケーン
2戦3、2着と2戦足踏みだったが、前走は明らかに重め。連闘で臨み、雪辱を果たす
いよいよJBC!お天気の方は残念ながらもうひとつ・・・なものになりそうですが、それでも当初の予報よりは回復が早めで、JBCレースの頃には雨の心配はあまりなさそうな感じになりました。
当日は朝から夕方まで慌ただしく過ぎるとは思いますが、みなさまもぜひJBCデーをお楽しみください。
■JBCレディスクラシックJpnI(8R・14:15発走)
ここは(4)ワイルドフラッパーがいろいろな面で最右翼です。まず実績面。今年ここまでの牝馬グレードレースでのこの馬の活躍を思えば間違いなくこの馬が現時点の"牝馬ダートNo.1"。交流GIにありがちな別路線組の参入にもめぼしい存在がありませんでしたし、力量面最上位は揺るいでいません。
また、同馬はレディスプレリュード優勝からの転戦ですが、過去3回のJBCレディスクラシックはすべてレディスプレリュード勝馬がそのまま優勝しています。基本的に力関係の急激な変動はあまり起きない牝馬戦線ですから、1ヶ月程度の間隔ではそうそう勢力図が変わる事はない・・・のでしょう。
加えて枠順も手頃です。盛岡ダート1800mはスタンド前の直線からのスタート。地方の競馬場としては直線が長い盛岡ですが1800mは1コーナーまで300mほどしかありません。すなわち外枠は不利。ワイルドフラッパーの2枠4番は、もうちょっと外側だったらベストだったかもしれませんが、ひとまず満足できる所でしょう。
様々な条件がワイルドフラッパー優位を後押ししています。これで負けたとしたら"取りこぼした"という事になるのだと思います。本命は(4)ワイルドフラッパーでOK。
対抗は、これも素直に(10)サンビスタ。着順の数字は若干上下の幅がありますが、牝馬ダートグレード路線での戦績は◎に次ぐものなのは間違いありません。
ただ、サンビスタは直線に坂があるコースではやや走りが鈍る印象があります。であれば正反対のタイプの、坂があるコースで瞬発力を活かす脚質の(6)トロワボヌールも侮れないのではないか。
(15)ブルーチッパーは中距離での走破タイム的に足りて良い力があると思うのですが8枠15番はちょっとやりづらい条件になった気がして△一番手まで。以下一連の内容から地方馬ではNo.1の実績と言える(3)ピッチシフター、中間絶好調の(11)マムティまで拾っておきます。
●8Rの買い目
馬単(4)→(10)、(4)→(6)、(4)→(15)、(4)→(11)
■JBCスプリントJpnI(9R・14:55発走)
前哨戦東京盃を制したノーザンリバーが中心になると思っていましたが、枠順発表を見て心が揺らぎました。16頭立て1枠1番はあまり良い枠とは言えないのではないか?
心が揺らいだままに本命は(12)ドリームバレンチノを採る事にしました。まずいかにも戦いやすそうな枠順。主立った先行馬がほとんどこの馬の内にいて、他馬の出方を窺うにはちょうど良い枠。
馬自身も、東京盃ではノーザンリバーに対し「着差は少なくても完敗」といった2着でしたが、休み明けを叩かれた形の今回はドリームバレンチノも上積みがあるはず。その分で前走の差をひっくり返す事は十分に可能と見ます。◎は(12)ドリームバレンチノ。
しかし(1)ノーザンリバーも前走で見せたようにこの路線では力が上と言える存在。馬群を捌いてしまえば前走同様、馬場の真ん中をこの馬が突き抜けてくるシーンが再現されてもおかしくありません。対抗以下には下げる事はできませんね。
三番手は(15)セイクリムズンで。どちらかといえば1400m向きで1200mでは展開に注文がつきやすいタイプ。「JBCスプリントで過去3回連続上位」という戦績も、そのうち2回は1400mのJBCスプリントだった点には留意が必要だと思います。ただ今回は、ノーザンリバーが内枠に入った事で先行争いが激化しセイクリムズン向きの展開が生起する・・・と判断。流れ次第では頭まであっておかしくない・・・くらいに評価しておきたいですね。
以下、重ハンデから解放された(6)タイセイレジェンド、初ダートが不安ですがこなせれば速力脅威(2)コパノリチャード。もう一頭は完全な差し馬の展開になった時の穴馬として(9)ドリームクラフトに目を向けてみましょう。
●9Rの買い目
馬単(12)=(1)、(12)=(15)、(1)=(15)、(12)→(6)、(12)→(2)、(12)→(9)
■JBCクラシックJpnI(10R・15:40発走)
意外に混戦なのではないでしょうか。JRA勢が有力なのは確かとしてもどの馬にも有利な材料・不利な材料が存在していて「これなら」という存在がありません。荒れるパターンも考慮しておきたい所です。
本命は(6)クリソライトを採ります。大きく眺めて減点部分が一番少ないのがこの馬ではないかと思うからです。
ダート中距離も、左回りも、直線の坂も問題ありません。日本テレビ盃を勝って勢いがあり、マーキュリーCでは2着ではありましたがコース経験を積む事ができました。
不安材料は"前走だけで完全復活と言えるかどうか?"しかしその点はやってみないと分からない部分でもあります。前走の非常に強い、そしてこの馬らしい勝ち方なら・・・という事にしておけばいいでしょう。
(4)ワンダーアキュートが対抗。ここ数年のダートグレード戦線の中で重要なバイプレーヤーでしたが、今年の帝王賞を勝ってGI2勝目、これならもう主役といって良いでしょう。意外にも盛岡初参戦、そしてこの馬も平坦コースの方が無理が利きそうなタイプゆえ案外な走りを見せる懸念は残りますが、軽視はできない一頭なのは間違いなし。
三番手は(9)ベストウォーリア。距離に懸念があるのは間違いない・・・と前提を置いたうえで、しかし南部杯の勝ち方は少々の距離延長なら十分耐えられる印象がありましたし、過去のJBCクラシックでも案外短距離に実績がある瞬発力型が健闘しています。加えて休み明けが多いライバル達に対しひと叩きを済ませて挑めるのも有利なはず。
(15)コパノリッキーは距離に関しては特に心配しませんが、休み明けという点、枠順が不利に思えるという点で△一番手まで。あとは地元勢(8)ナムラタイタン、(14)コミュニティに一点。
●10Rの買い目
馬単(6)=(4)、(6)=(9)、(6)=(15)、(6)→(8)、(6)→(14)
■不来方賞 (7R・13:35発走)
(7)ライズライン優勢の勢力図は変わらず。前走は休み明けのせいで動ききれなかった同馬ですが叩かれて型どおり良化。今回は力が入る一戦になります。相手も(1)シグラップロード、(11)ユナイテッドボスと3歳重賞戦線の流れのままで良さそう。新勢力から一頭拾うなら距離合いそうな(9)ドナアヴィードを。
■秋嶺賞(11R・16:15発走)
◎は(2)シルクアーネストで妥当。少し間隔が開いたといっても1ヶ月ほど、JRA馬のローテーションで考えればむしろ詰めて使っているくらいだ。中間もきっちり仕上げておりここ全力投球。
相手は距離よりも勢い重視で(1)ダイワスペシャル。三番手も同様に(4)ダブルスパーク。シーズン末期の荒れた馬場に雨が入って馬場状態はかなり悪化している事が想像される。「差し馬優位」という1700mのイメージは捨てて内枠の先行できる馬で固めたい。以下着順の数字以上に良化している(8)ハカタドンタク、春先の内容ならの(5)ソールデスタン。
11月3日(月祝)、JBCデーの枠順がすべて確定した。今回は事前展望を軽くやってみたい。当日の天気は雨模様。良馬場の可能性はほぼなく、高速決着が予想される。これを念頭に馬券検討をしてほしい。
まずは10R(発走15時40分)、JBCクラシック。人気はおそらく割れるが、日本テレビ盃を圧勝したクリソライトが集めるか。前々走・マーキュリーカップ2着ながらレコード決着の0秒1差。自身もシビルウォーのレコードを更新した。ハイタイム決着は歓迎だろう。
同じくワンダーアキュートも高速決着は歓迎。帝王賞でコパノリッキーをアッサリ切って捨て、改めて地力の高さを証明した。不安は栗東から盛岡の長距離輸送。これが最大課題。当日の馬体重をチェックしてほしい。元々、増減が激しいタイプだが、500キロを割るようだと割引きが必要。
コパノリッキーは2000m克服がカギ。そのあたりは折り込み済みだと思う。強調材料は父ゴールドアリュール、母父ティンバーカントリーは盛岡ダートとの相性抜群。あとは道中でいかに楽ができるか。
ベストウォーリアは南部杯を圧勝。非の打ちどころない内容だった。あとは距離。石坂正調教師は「マイルから前後1ハロンが守備範囲」と語っていたが、戸崎騎手が「折り合いがつくので大丈夫のはず」とコメント。果たして結果は如何。
ホッコータルマエはGI5勝と実績断然だが、ドバイから帰国初戦が微妙。2000m、重馬場適性も抜けているが、7ヶ月ぶりはさすがに厳しい。チャンピオンズカップをにらんだ出走と見ている。
カゼノコはジャパンダートダービーでハッピースプリントを交わして快勝。目下3連勝と波に乗っている。3歳で2キロ減も魅力だが、初の古馬挑戦。現状は押さえまでだろう。
9R(発走14時55分)、JBCスプリント。取捨のカギは初ダートとなるコパノリチャード。高松宮記念を快勝し実績は抜けている。あの時は不良馬場で内の芝も相当荒れていた。それならダートも問題なさそうだが、芝からダートに替わった初戦、足を滑らせるケースも少なくない。鞍上・武豊騎手もその点に不安をのぞかせていた。しかも2番枠。砂をかぶった際にモロさを出さないか。おそらく武豊騎手はそれらを踏まえてハナを主張するに違いない。
ノーザンリバーはトライアル・東京盃を快勝。最も計算できるのがこの馬だが、はたしてGIを勝てる器かどうか。試金石の一戦となった。
ドリームバレンチノは東京盃0秒1差2着。昨年のJBCスプリントでは芝からダートへ変更初戦だったが、まったく問題にせず2着確保した。高松宮記念でロードカナロアの2着の実績が光り、GIの資格は十分。
セイクリムズンはダートグレード9勝。東京盃もマイナス32キロ!と信じられない体重減だったが、それでも3着。勝てないまでも押さえは必要。
タイセイレジェンドはクラスターカップに3度参戦して1、2、6着。今年は60キロの酷量を背負ったが、果敢に先手を奪った。ただ往時の迫力が薄れつつあるのは確か。
第8R(発走14時15分)、JBCレディスクラシック。このレースが最も堅いと思う。ワイルドフラッパーが中心。ブリーダーズGCはサンビスタに完敗2着だったが、プラス14キロに敗因を求めたい。前走も体重はさほど変わらなかったが、ひと叩きされて貫禄の違いを見せつけた。相手はサンビスタ筆頭。あとは安定度でアクティビューティ、絶好枠を引き当てた3歳馬コーリンベリー。
2日(日)メイン10RはB2級・芝1000m「もみじ賞」、12頭立て。
阪神芝1200mの2歳新馬戦で3着スズカグランデに期待する。前走が転入初戦だったが、4ヶ月ぶりの実戦でプラス22キロ。明らかに太めで好位から退いて5着だったが、叩かれた変わり身十分。適性高い芝短距離なら首位奪取のシーン。
テンプトミーノットは芝1000mで最大能力を発揮。直線の伸びがすばらしい。展開も前に行きたい馬がそろって超ハイペース必至。大外一気を決める。
ヤマニンパニエは前走・SJTで果敢に逃げ粘って3着に善戦。盛岡芝1000mの持ちタイム一番が魅力。
ダイヤモンドパールはタイム劣るが、前々走・FM岩手杯はB1条件。前走2着にまとめ、B2へ降格。反撃態勢は整った。
サクラルモンドは逃げ条件。揉まれたり競りかけられると厳しいが、スンナリなら連対確保できる。
あとは盛岡芝は初めてだが、短距離に自信あるベシュテルングが展開からも不気味。
◎(7)スズカグランデ
○(10)テンプトミーノット
▲(9)ヤマニンパニエ
△(8)ダイヤモンドパール
△(4)サクラルモンド
△(11)ベシュテルング
<お奨めの1頭>
8R ポワドサントゥール
中央から再転入後、圧巻の5連勝。すべてワンサイドで決めてきた。走破タイムも抜けている