前週15日(月祝)、盛岡ダート2000mを舞台に行われたJpnⅢ「第17回マーキュリーカップ」はソリタリーキングが快勝。昨年9月、日本テレビ盃以来の勝利を飾った。
福永祐一騎手「メンバー的にペースが速くならないと思ったし、今日の軽い馬場(重)なら先行した方がいいだろうと。逃げ馬(エーシンモアオバー)の2番手はレース前に描いていたポジション。あとはリズムを大事に、仕掛けのタイミングだけを間違いないように気をつけた。エーシンモアオバーを楽に逃がせば怖いし、うしろからも確実に来る。難しい判断だったが、最後まで我慢してくれた」と勝利コメントをした。ソリタリーキングの次走予定は2連覇がかかった日本テレビ盃。
一方、2着に敗れたシビルウォー。4コーナーで若干離され、直線でも動きが鈍かったが、最後は底力を発揮した。内田博幸騎手「久々の実戦と58キロのハンデが影響したのか反応がひと息だった。でもこの一戦を叩かれて次は替わってくるはず」。こちらは史上初の3連覇を目指してブリーダーズゴールドカップへと向かう。
20日メインはオープン馬による盛岡芝1000m戦「北上川ゴムボート川下りレース」。今年の芝戦線はレベルも層も厚くなったが、ここにも適性を求めて好調馬がそろった。このメンバーならレコード更新も十分ありえたが、木曜日まで断続的に激しい雨。当日は回復してもやや重までに止まりそうだ。
芝1000m適性はライトマッスルが一番。昨年、B1から強気に重賞・OROターフスプリントに挑戦。逃げたダイワマックワンの2番手から鮮やかな直線抜け出しを決めて快勝。レコードの0秒3の破格タイムで盛岡芝1000mを駆け抜けた。
しかし、12月の一戦で軽い骨折が判明して5ヶ月の休養され、5月に戦列復帰したが11、9着と凡走。なかなかレース勘を取り戻せなかったが、ここにきてようやく復調気配。今回は好走条件がそろったと言っても過言ではない。
それでも対抗としたのは昨年、OROターフSはA級馬58キロに対し、56キロのアドバンテージ。今回は58キロを背負い、それがどう影響するかで若干不安が残った。
結論はメスナーが本命。中央2勝を芝1600mでマークし、ひと頃は準オープンでも好勝負を演じた。今年4月、1000万下から転入し、ダートでは精彩を欠いたが、芝で動きが一変。移籍3戦目の芝1700m・オープンを完勝。後にかきつばた勝を制したコスモプランタンを完封した。
そのかきつばた賞は3着に敗れたが、明らかに2400mの距離に泣いた。道中、絶好の手応えだったが、直線坂で一杯となってしまった。
今回は芝1000mが舞台。適性はライトマッスルに譲るが、中央芝1200mでも2着1回の実績。距離は芝適性で克服できると見た。
レイクエルフは中央芝短距離で4勝・準オープンから岩手入りした。初戦でいきなり水沢1400m重賞・岩鷲賞へ挑戦。2番手につけたが、3コーナー手前で失速10着。力の要るダートが合わなかった。
今回は適性高い舞台に替わって反撃十分。あとは外から被せられるとモロい面を出す傾向があるが、ラッキーなことに少頭数8頭の大外枠。これならば自分の競馬に撤することができ、ここが本領発揮のしどころ。
ドリームクラフトは岩鷲賞を5馬身差で圧勝。ついに重賞タイトルを手にした。今回は芝に替わるが、中央時代は芝マイル以下をメインに使われて3勝。適性あると思うのだが、気になるのが3走前・芝1700m戦での5着。1着メスナーに0秒6も離された。盛岡芝が向かないのか否か。このレースで判明する。
リビングストンは中央1勝を芝1600mでマーク。転入前は芝短距離を使われていた。岩手初戦は6着だったが、一変の可能性を秘める。
◎(7)メスナー
○(6)ライトマッスル
▲(8)レイクエルフ
△(2)ドリームクラフト
△(5)リビングストン
<お奨めの1頭>
5R ラブバレット
新馬勝ち第一号を芝1000m戦で決め、2戦目は水沢1300mを圧勝。ダートでさらに鋭さを増した。今回の盛岡ダート1200mも問題なし