次週から戦いの場が水沢に替わるが、今週の盛岡開催はメニューが豊富。メインだけ見ても8日(土)は芝2400mが舞台、重賞へ格上げされた「第16回かきつばた賞」、9日(日)はダート1200m重賞「第39回早池峰賞」、10日(月)メインはA級馬のダート1600m戦と非常にヴァリエーションに富んでいる。
さらには2歳新馬(芝1000m)が9日3Rにも組まれ、噂のロックハンドスターの弟ロックザアゲインもデビュー予定と目移りするレースの連続。楽しみが尽きない。
8日メインは「第18回かきつばた賞」、フルゲート12頭立て。まず注目してほしいのは出走11頭が今シーズンの転入組。岩手在籍馬がリュウノヒーロー1頭のみ。完全に昨シーズンとは様変わりした。
これは明らかに盛岡芝をにらんでの転入で実際、中央時代に芝で好走した馬たちがズラリ顔をそろえた。おそらくだが、ダートもこなせればもうけもの。仮に合わなくても芝があるという意向がはっきり出ている。
主軸シルクドルフィンは中央2勝を芝2000mでマーク。ダートもソコソコの結果を残してきたが、それが盛岡2戦に現れている。水沢では反応ひと息だったが、盛岡ダートに替わって動きが一変。豪快なまくりでA級戦2着、重賞・あすなろ賞でも3着を確保した。
これは小回り水沢が合わなかったとも解釈でき、1周1400mの盛岡芝が合うかどうかが微妙だが、それは2400mの長丁場が相殺。過去のかきつばた賞はほとんどが超スローの流れとなり、小回りは気にしなくてもいいはず。
シルクドルフィンは芝では先に行くケースもあるが、好走はじっくり脚を貯めた場合。上がり勝負に持ち込まれるのは間違いなし。待望の重賞タイトルに王手をかける。
メスナーは中央2勝を芝マイルでマークして1000万下からの転入。ダート2戦では精彩を欠いたが、前走は芝に変わって本領を発揮。芝1700m戦にしては結構速いペースだったが、掛かり気味に追走し直線抜け出して快勝。劇的に動きが変わった。
ネックは折り合いがつくかどうか。1700mであれほど掛かれば、超スローの2400m戦を我慢できるか。これが勝敗を大きく左右し、芝適性の高さは認めても対抗までとした。
アロマンシェスも芝に替わって3着に好走した。中央時代は芝1500m1勝、1600mで2勝・1600万下に在籍した実力馬。前走は3、4コーナーでもたついたが、直線鋭く伸びて芝適性を証明。長丁場もタイプ的に問題はなく、2頭をまとめて負かすシーンまで。
リュウノヒーローは前走は得意の芝1700m戦だったが、内で揉まれて戦意喪失。7着凡走したが、これで見限るのは早計。昨年、芝2400m重賞・せきれい賞3着に気を吐いたように気分良くレースを運べれば一発の可能性を十分秘めている。
コスモプランタンは中央未勝利ながら2着1回3着2回。いきなりA級でどうかと思ったが、6ヵ月半ぶりのレースを5着にまとめ、2戦目4着。そして前々走は好調メンバーそろった中、好位抜け出しを決めて圧勝。弾みつけて芝に臨み、メスナーの2着を確保した。引き続きマーク欠かせない。
ヒビケジンダイコは父がオペラハウスで芝2400m<1.1.0.7>。南関東では結果を出せなかったが、岩手が合いそうな予感。軽視すると痛い目に遭うかもしれない。
◎(1)シルクドルフィン
○(10)メスナー
▲(12)アロマンシェス
△(5)リュウノヒーロー
△(3)コスモプランタン
△(8)ヒビケジンダイコ
<お奨めの1頭>
11R ソングライダー
近走を1勝2着2回にまとめ、自慢の切れが冴え渡っている。今回はメンバーが大幅に弱化され、絶好の勝機
6月2日の盛岡第3レースで小林俊彦騎手が地方競馬通算3700勝を達成しました。
岩手には菅原勲元騎手というレコードブレイカーがいて、騎手としての通算勝利数も最終的に4127勝とはるか先を進んでいたためにどうしても陰に隠れるような所があるのですが、小林騎手の成績ももちろん素晴らしいもの。ざっと調べたところ地方競馬では歴代10位、現役騎手の中では7位にある、という事が分かりました。本当に素晴らしいですね。
こうなると菅原勲元騎手が残した4127勝という数字、これは当然ながら岩手競馬の歴代最多勝記録なわけですが、これにどこまで迫れるかあるいは逆転できるのか?が気になります。差は427勝、小林騎手なら4年あればたどり着ける数字ではありますが・・・。
しかしながらご本人はそんな記録はあまり意識してないようだし、最近は「俺もそろそろ身の振り方を考えないとな~」と、ちょっと冗談っぽい口ぶりながらもそんな事を口にするようにもなりました。周りを見れば小林騎手よりも10歳ほど上の的場文男騎手とか有馬澄男騎手とかがバリバリがんばっているだけに小林騎手にも、あと10年とはいいませんが5年くらいは・・・と思うんですけどね。
なんにせよ3700勝は素晴らしい記録だし、4000勝に最も近いのも小林騎手。あとひとがんばり・・・を期待しつつ応援したいと思います。