楽しみな一戦を迎えた。5月27日、オープン特別「あすなろ賞」(盛岡ダート1800m)に予定どおりカミノヌヴォーが駒を進め、トーホクキングが挑戦状を叩きつけたからだ。
昨年12月31日、両馬は桐花賞で激突し、カミノヌヴォーが圧勝。一方のトーホクキングは4着。着差1秒4もつけられ、勝負付けは済んでしまったと思うかもしれないが、競馬のおもしろさは日々、体調が変わり、成長度合いも競走馬それぞれが違うこと。トーホクキングは今が最も旬の季節を迎えたと言っても過言ではない。
トーホクキングは惚れ惚れする馬体を誇りながら、勝ち切れないレースの連続。2歳時から4歳半ばまで5勝に止まっていた馬が、昨年秋から本格化。わずか7ヵ月半で6つの白星を積み重ね、ついにオープン入り。今年の3連勝は驚きの連続。小回り水沢で自慢のマクリ脚が冴え渡っている。
今回の舞台、盛岡1800mは望むところ。脚質からもベストの条件と見て間違いない。仮にこのメンバー相手に突き抜けるとしたら、岩手オープン界を牛耳ることも可能。一躍スターダムにのし上がる。
対するカミノヌヴォーはトーホクキングより1歳、年下。昨年、南関東から再転入後、圧巻の4連勝。不来方賞、ダービーグランプリ、桐花賞の岩手の王道をすべて制覇。年度代表馬の座も獲得した。
今季始動はシアンモア記念。いきなり交流重賞に加え、マイルの忙しい競馬は合わないのは分かっていたが、それでも小生は◎とした。4ヶ月ぶりの実戦でも絶対能力で乗り越えると見たのだが、結果は5着。以上の不安点にプラス7キロの体重増もこたえたようだ。反省しきり。
盛岡1800mはトーホクキングと同様、大歓迎。鞍上・阿部英俊騎手はマイルより、自分の競馬ができる2000mがベストと語っており、1ハロンでも伸びた方がいいタイプ。あとは決して器用な馬ではなく、コース広い盛岡向き。
この条件だからこそ本命をどちらにするか迷ったが、ひと叩きされた上昇度を見込んでカミノヌヴォーを主軸視した。今から対決に心ときめいている。
ただカミノヌヴォーは凡走のケースも考えられ、他陣営にもつけ入る余地は十分にある。マイネルビスタは今季初戦・赤松杯3着。桐花賞10着に大敗したことを考えれば、小回り克服できたのが最大の収穫だった。
とは言え、道中で追走に手こずってエンジンがかかったのは直線を向いてから。そこから強烈な末脚を駆使して2着争いに加わった。
昨年、長距離重賞・北上川大賞典を優勝し、盛岡通算4勝。跳びの大きいタイプでいい脚を長く使えるのが最大の持ち味。このアドバンテージは見逃せない。中間の追い切りで終い一杯となったようだが、コース適性を考えれば台頭の可能性は十分にある。
オウシュウサンクスもついにオープン特別へ挑戦するまで出世した。水沢で5連勝をマークし、今季A級戦も強いレースで連勝。取りこぼしが多かったのがウソかのようにひと皮むけた。いきなりこのメンバーは正直厳しいが、勢いに乗っているのは確かだ。
あとはコアレスランナーも軽視できない。桐花賞2着も含めて7戦連続で馬券対象。レース運びのうまさが際立っている。この馬は盛岡コースは割り引きだが、抜群の安定感には敬意を表さなければならない。
◎(7)カミノヌヴォー
○(9)トーホクキング
▲(1)マイネルビスタ
△(4)オウシュウサンクス
△(5)コアレスランナー
3連単は7、9の2頭軸から1、4、5へ3着流し
馬複は 7-9、1-7、4-7、1-9
<お奨めの1頭>
5R エイシンワールド
前走は初の盛岡戦だったが、前々走2着のうっ憤を晴らして圧勝。C2では負けられない
先週から始まった盛岡競馬。コース替わりは荒れると定評があったが、それにしても強烈だった。特に初日19日は強烈で3連単で3ケタ配当は9レースの2560円の1レースのみ。他はすべて万馬券で10万突破の超万馬券も2回。我々予想陣も完全にお手上げだった。
続く2日目、20日も11レース中7レースが万馬券。8レースの3連単1530円が最低配当であとは5000円前後が2回、8000円台が1回。平均配当が328240円だった。
3日目21日(月)にようやく落ち着き4ケタ配当が11レース7回。しかし最終11レースで84530円の高配当が出て平均配当も19180円。荒れ傾向には変わりなかった。理由は馬も人も久々の盛岡にとまどったからと隠れたコース適性馬が活躍したこと。
果たして盛岡2週目の今開催、どのような結果が待っているのか。先週は勝負どころの3、4コーナー外側の砂が深かったが、今週はどうなったか。馬場傾向をいち早く把握してほしい。
26日メインはA級二組「芝桜レース」(盛岡ダート1600m)。翌日にオープン特別・あすなろ賞を控えているが、このレースにもなかなかの個性派がそろった。やはりポイントはコース替わり。水沢開催で不振だった馬が一気に盛り返す可能性が出てきた。
それでも主軸はフレイムヴェインに落ち着く。昨シーズン最終戦に転入しB1戦を快勝し、冬休み明けのA級初戦も1着。年度をまたいで2連勝を飾った。前走も勢いを買われて2番人気に支持されたが、後方から差を詰めただけの5着止まり。ちょっと物足りなさも残ったが、相手が強かった上、先行有利の競馬。後方待機策を採ったフレイムヴェインには向かない展開となった。
しかし見限るのは早計。自身は38秒5の上がりを使い、勝敗は位置取りの差。盛岡コースは初めてだが、中央1勝は東京ダート1600mでマーク。むしろこの条件は望むところだろう。
逆転筆頭はキタイセユニバース。園田デビューから南関東、金沢、名古屋と渡り歩いて12勝2着14回。重賞タイトルには手が届かなかったが、抜群の安定感を誇っていた。その堅実さは岩手でも健在。水沢2戦を3、2着にまとめ上々の滑り出しを決めた。
ネックはやはり初の左回りバンケット。過去に南関東で左回りを2度使っていたが、いずれも凡走。このあたりがどう影響するか、現時点では未知数。ただ元々が器用さで鳴らした馬で初モノも難なくこなす可能性が大。対抗以下には落とせない。
あっさりか、それとも着外かのどちらも考えられるのがギシアラバストロ。昨年7月、中央準オープンから転入し、初戦の盛岡ダート1800m戦を貫禄の違いで勝ち、2戦目の特別・すずらん賞でも2着。重特路線で台風の目になりそうだったが、脚部不安のために無念のリタイア。
今季は開幕当初から登録をしたが、脚元がパンとせず前走も直前に出走取消。復帰がここまでずれ込んでしまった。すでに実力は証明済みでテッポー駆け1着と実績もメンバー中一番。迷いに迷ったが、▲評価。当日の馬体印象、体重をしっかりチェックしたい。
サクラマジェスティは今季4、6着。年齢的な衰えは隠せないが、それでも前走のタイム差は0秒7。まだまだ戦力になる。コース替わりを最も喜ぶのが同馬。跳びの大きいタイプで盛岡で全能力を発揮する。久々に豪快なマクリを決めるか。
カーリーネイトは南関東C1からの転入。初戦は試走的なレースだったが、ずっと折り合いを欠いて鞍上も苦労していたが、最後まで気力が衰えず0秒5差4着。道中で掛かりさえしなければ通用十分。
あとは一戦ごとに岩手の水に馴染んできたパブリックアフェアもペース次第では浮上するかもしれない。
◎(2)フレイムヴェイン
○(5)キタイセユニバース
▲(8)ギシアラバストロ
△(1)サクラマジェスティ
△(4)カーリーネイト
△(7)パブリックアフェア
3連単は2、5、8の3頭ボックスが本線。あとは1、4、7を押さえ
馬複は 2-5、2-8、1-2、2-4
<お奨めの1頭>
7R ドロップ
前走は1枠に入ったのが災い。道中インで包まれた上、直線でも前がふさがった。今度は二のテツを踏まず、首位を奪取する