2011年シーズンの岩手競馬もいよいよ今日でラスト。今季は例年実施されている3月の特別開催が投票システム入替作業のため行われず、今週が正真正銘(変な言い方ですが)シーズンラストという事になりました。岩手競馬はこれから4月7日(土)予定という来季の開幕まで、3ヶ月ほどの冬季休催に入ります。
特別開催が始まったのは2006年から。それ以前は今季同様1月から3月いっぱい開催が無く、春の調教始めも3月に入った頃に行われるのが通例でした。特別開催があるとそれが2月の半ば、「冬休み」といっても実質1ヶ月くらいしか無い感じで。
この恩恵を受けるのが冬季遠征に向かう騎手たちです。遅くとも2月下旬に厩舎作業に戻らないといけないとなるとなかなか腰が落ち着きませんが、3月に入ってもOKという事なら正味2ヶ月は使えますからね。
この冬に冬季遠征に挑むのは南関の村上忍騎手と佐賀の菅原俊吏騎手。特に菅原俊騎手は昨年福山に行ったものの正味6日くらいしか騎乗できる機会がなかっただけに、今年はじっくり乗れると楽しみにしているようです。
毎年1月下旬に川崎競馬場で行われる全国のリーディングジョッキーの対抗戦『佐々木竹見カップ』への、村上忍騎手の出場が決まった模様です。
高知競馬場で行われる全日本新人王争覇戦に出場する菅原辰徳騎手、そして佐賀競馬場で行われるM&Kジョッキーズカップに出場する阿部英俊騎手・関本淳騎手・南郷家全騎手・大坪慎騎手ともども、冬休みの間も岩手の騎手の活躍で盛り上がりそう。
そして。既報の通り皆川麻由美騎手が9日一杯で騎手生活にピリオドを打つほか、調教師への転身を目指す菅原勲騎手も9日が最終騎乗になる可能性が非常に高くなっております。
菅原勲騎手の足跡はもはや言うまでもありません。騎手引退となればイコール、岩手競馬のひとつの時代が終わる事でもあります。
皆川騎手は、勝ち星の数では菅原勲騎手に遠く及びませんが、"LJSのお笑い担当"と呼ばれたりもして全国のファンに与えた印象(衝撃?)は勲さんに勝るとも劣らぬ物があったのではないでしょうか。
9日の二人は、皆川騎手が3Rと7Rの二鞍、菅原勲騎手は4・7・10・11Rの四鞍の騎乗です。その瞬間、皆さんの目に焼き付けてほしいですね。
今シーズンの岩手競馬は8日、9日の2日間を残すのみ。3.11東日本大震災で大きなダメージを受け、再開のメドが立たなかったが、5月14日に盛岡競馬が開幕。
そしてシーズン当初、被害甚大だった水沢開催を見送ったが、12月10日にようやく再開。年明け9日まで開催できることは奇跡的。これはすべて皆さんの支援があったからこそ。心から感謝いたします。
8日メインはC1級「はまゆり賞」(水沢1600m)、主軸はブライティアアネル。岩手転入後、連対を外したのは3走前、錦秋湖賞10着一度のみ。このとき1番人気に支持され、2番手を追走したが、直線で失速。1400mからいきなり1800mへ距離延長されたのがこたえたのに加え、先行馬には厳しい流れとなった。
それで勢い止まる可能性もあったが、続く一戦で2着確保。大器シャインリーオウ相手に向正面からまくって一旦先頭。乱ペースを作りながらも善戦。そして前走は2戦のうっ憤を晴らすかのように6馬身差をつけて圧勝した。
タイム平凡だったのは馬場のせいなので、あまり気にしなくていい。同じ水沢1600m戦なら逃げ、もしくは2番手キープから主導権を握ること必至。特別をキッチリ勝って来シーズンに弾みをつけたい。
逆転筆頭はルクールロゼ。秋に足踏みをした時期もあったが、反撃に転じて目下4連勝中。C1昇級も難なくクリアーした。しかも近2走は2頭のマッチレースに持ち込んだ末の勝利。根性あるところも披露した。
ネックは1600m延長だが、中央時代にダート1700m戦を3度使われてむしろ望むところ。ブライティアアネルの出鼻を叩いて一気押し切るシーンまで考えられる。
ユキマツリは前走・かまくら賞で2番人気に支持されたが7着。後方から差を詰めただけに終わったが、明らかに1400mの忙しい競馬が合わなかった。ベストは前々走を快勝したように水沢マイル戦。反撃に転じて当然だろう。
ライクキャロットの前走は強いの一語。後方じっくり待機策から2コーナー過ぎにスパート。外からスルスルと進出し、4コーナーでは先陣に取りつくと逃げるローテスイートピーをアッサリ交わした。今回、メンバーが強化されて同じ芸当ができるかどうかだが、いずれにせよ追い出してからの反応はB級以上と見て間違いない。
あとは堅実な差し脚が武器コスモクルトゥーラ、大外でも前走逃げ切りの再現を狙うマイネルフューラーも押さえたいところだ。
◎(5)ブライティアアネル
○(9)ルクールロゼ
▲(8)ユキマツリ
△(2)ライクキャロット
△(7)コスモクルトゥーラ
△(11)マイネルフューラー
3連単は5、9の2頭軸から2着2、8。3着に7、11の24点フォーメーション
馬複は 5-9、5-8、2-5、5-7、5-11
<お奨めの1頭>
11R コアレスランナー
水沢巧者ぶりを存分に発揮して桐花賞2着。強豪がトウケイニセイ記念に回り、ここは役者の違い明らか
本日の担当は松尾康司です。みなさん、新年明けましておめでとうございます。今年も岩手競馬をよろしくお願いします。
3日メインはB1級「ダイヤモンドダストカップ」(水沢2000m)だが、正直、頭を悩ます一戦だ。オウシュウサンクスの評価に最後の最後まで迷ったからだ。
結論から先に言うと本命とした。今シーズン14戦6勝2着5回3着1回。着外に沈んだのは7月、JRA条件交流・アンタレス賞8着一度のみ。それ以外はすべて3着以上にまとめ、馬券的にお世話になった方も多いはず。抜群の安定感を誇っている。
ただオウシュウサンクスは今年こそ、オープン戦線に殴り込みをかけて欲しかった1頭。B1で止まっていること自体、不思議でならない。個人的にはB1からでも長距離重賞・北上川大賞典へ挑戦して欲しかった。追ってバテない脚は2500m戦に打ってつけだった。
しかし現在もB1条件。実際にはすでにA級入りしているが、格付け変動の関係で今回もB1据え置きで走れる。
9月の1800m戦で白星をあげて以降、勝ち星から見放され2、3着止まり。運のなさもあったが、なかなか突き抜けることができなかった。
そして迎えた水沢戦。初戦は○、2戦目▲としたのは攻め馬担当の話。「右回りになったら掛かるところがなくなって、動きがぎこちなくなった」と不安をこぼした。先にも記したようにオウシュウサンクスの評価は高い。しかし取りこぼしを続けた上で水沢に替わるのは心配だった。
しかし、そんな杞憂をあざ笑うかのように2戦とも圧勝。特に前走・銀嶺賞では大外、58キロの酷量を背負っての逃げ切り勝ちには、ただただ脱帽するしかなかった。今回も58キロを背負い、2000m延長に不安が残らない訳ではないが、2戦の圧勝劇を見せつけられたら主軸視するしかないだろう。
逆転筆頭はマイネルリファイン。昨年、不来方賞でロックハンドスターの2着。今季初戦も2着にまとめ、前途洋々かと思わせたが、その後は凡走の連続。吉田司調教師は思い切って夏場に休養を決断し、2ヵ月後に戦列復帰。
休み明けを3着にまとめ、ようやく本調子を取り戻したかと期待を集めたが、その後も連続3着。消化不良のレースを続けている。
しかし今回はベストとも言える2000m戦。昨年のダイヤモンドカップではコアレスランナーの2着確保。そのコアレスランナーは12月31日の桐花賞で2着に健闘したことを考えればアッサリあって不思議なし。悲願のシーズン初勝利を飾りたいところだろう。
シュクモモコは目立たないが、確実に成長し続けている。JRA交流(芝)を快勝し、ス来方賞4着、前々走・ゴールデンステッキ賞2着。前走は追い込み届かず3着に終わったが、これは流れが合わなかっただけ。距離を味方に一気に主役に躍り出るシーンまで。
あとはダービーグランプリ以来の実戦だが、乗り込み量に不足なしガッテンモントレー、ジリ脚タイプで2000mは歓迎ケイジートレジャー、決め手上位アースグラヴィティにもマークが必要だろう。
◎(4)オウシュウサンクス
○(2)マイネルリファイン
▲(9)シュクモモコ
△(8)ガッテンモントレー
△(11)ケイジートレジャー
△(1)アースグラヴィティ
3連単は2、4の2頭軸から8、9。3着に1、11の24点フォーメーション
馬複は 2-4、4-9、2-9、4-8、4-11
<お奨めの1頭>
4R トウカイアタッカー
前走は1枠が災い。スタート直後につまづいて馬群に包まれてしまった。今度は二のテツを踏まず反撃首位
年が明けて2012年となりました。
昨年は本当にいろいろなことがあって、忘れることができないような出来事も多々ありました。
あの3.11以前と以後、同じ「岩手県」でもまったく別なものになってしまった。そんな感覚がしてなりません。
また、震災直後の被災地で感じた、呼吸をするだけでも身体の中がざらざらするような緊張感。あの感触は一生忘れる事ができないだろう、とも思います。
とはいえ、こうして暦が変わり、歴史のページがまたひとつ新たになった事で、何かが変わってくれるのではないか?そんな事を願ってみたりもします。
この新しい年が、皆さんにとっていい一年でありますように。