まずは「第37回桐花賞」ファン投票の結果から。応募総数は9639票で堂々、1位で選出されたのがゴールドマイン(1040票)。2位がわずか33票差の1007票でカミノヌヴォーとなった。
これが今年の桐花賞最大のテーマ。昨年のロックハンドスターに続き、カミノヌヴォーが3歳馬優勝を果たし、世代交代を完了させるか。それとも古馬が意地を見せるか。非常に興味深い一戦となった。
シーズン当初、桐花賞は盛岡開催の最終日12月5日(月)を予定していた。しかし関係各位の支援、ファンの応援によって奇跡的に水沢開催が12月10日から再開。それに伴って桐花賞は例年と同じく12月31日(金)へ移行。大晦日の恒例行事を実現できる運びとなった。これを心から祝福したい。
主軸はカミノヌヴォー。桐花賞史上9頭目の3歳制覇を果たすと見た。岩手デビューで7戦5勝2着1回(JRAで一戦も含む)の成績を引っ下げて南関東へトレード。当初は南関東の速い流れにとまどいっ放しで凡走の連続だったが、今年8月に2勝マーク。B3戦で10着に敗れた直後に再転入した。
初戦は大敗直後だったため4番人気の評価だったが、古馬A級馬を相手に1・8秒の大差をつけて圧勝。ハイレベル地区で揉まれてきた経験を如何なく発揮した。
その破壊力から3歳重賞・不来方賞は圧倒的な1番人気に支持されて出走。ベストマイヒーローが不在の中、4角先頭の横綱相撲で完勝。待望の重賞タイトルを手にした。
続いて地元の期待を集めて全国交流・ダービーグランプリに駒を進め、南関東の実績上位馬を相手に、これまた完勝。地の利もあったが、それ以上に自身の成長力が確かだったことを証明した。
その後は桐花賞1本に照準を絞って調整。右回りに替わって掛かるところを見せなくなった(千葉幸喜調教師)のが不安といえば不安だが、2歳時に水沢3戦3勝だからおそらくコース替わりも問題なし。先輩馬を一蹴し、世代交代を完了させる。
逆転筆頭はもちろんゴールドマイン。シーズン初戦の北海道遠征・コスモバルク記念以降、岩手の看板レースにフル出場。マーキュリーC、クラスターCで6着に善戦し、マイル重賞・青藍賞を優勝。また東京競馬場で行われた南部杯にも参戦した。
帰郷後、北上川大賞典3着、栗駒賞2着、そして白嶺賞5着と足踏みを続けているが、白嶺賞は馬場と展開が合わず仕方なしの結果。一昨年の桐花賞では斎藤雄一騎手と初コンビを組んで優勝。今や斎藤騎手は主戦ジョッキーになるまで成長を遂げた。
白嶺賞を叩いて桐花賞は当初の予定どおり。元々、白嶺賞は過去3、4着と振るわず陣営のショックも少なかったのは事実。桐花賞2度目の優勝に意欲満々で出走する。
ツルマルヤマトは相手なりに駆ける堅実さを身上とするタイプ。ただ決め手勝負になると劣る面は否定できず2、3着が多いのはそれが理由。1600m戦で2勝マークだが、おそらくベストは長距離戦。北上川大賞典(盛岡ダ2500m)で2番手追走から4角で早め先頭。ゴール前でマイネルビスタに交わされたが、見せ場を十分作ったことからも長距離向きを裏付けている。
コアレスランナーは抜群の水沢巧者。前走は待ちに待った一戦で、好位からアッサリ抜け出して4馬身差。水沢2000mも2戦2勝と自信の舞台。B1条件下でも適性を前面に上位争いをもくろむ。
北上大賞典馬マイネルビスタにも敬意を表さなければならない。大跳びの馬で小回り水沢対応に若干不安あるが、ツルマルヤマトと同様、長い距離が向く。
あとは格を度外視でトーホクキングも狙ってみたい。目下2連勝の強さがケタ違い。特に前走は追い込みタイプが一変、掛かり気味に追走しながら直線で力強く抜け出して完勝。今が充実期と言っても過言ではなく、果敢な挑戦が楽しみだ。
◎(4)カミノヌヴォー
○(2)ゴールドマイン
▲(12)ツルマルヤマト
△(8)コアレスランナー
△(5)マイネルビスタ
△(10)トーホクキング
3連単は2、4の2頭軸から2着12、8。3着押さえで5、10の24点フォーメーション
馬複は 2-4、4-12、4-8、4-5、4-10
<お奨めの1頭>
1R ファントムクォーツ
目下3連勝と波に乗り、すべて圧勝。C2ではモノの違いが明白で連勝を伸ばすのみ