15日(月)は夏の風物詩「第16回クラスターカップ」(JpnⅢ 盛岡ダート1200m)。今年は第11回以来、久々に盛岡のフルゲート14頭がそろった。
過去15回中13回までJRA所属馬が優勝。また地方優勝2回は名古屋・ゴールデンチェリー(第5回)、船橋・プライドキム(第13回)だが、両馬ともJRAデビュー。地方生え抜きは1頭もいない。しかも昨年は優勝サマーウインドから5着までをJRA勢が独占。そのデータからも印はドスライス、トーセンクロス本線に集まっている。
今年のテーマはズバリ、ラブミーチャンがクラスターCの流れを変えることができるか。それに尽きるだろう。
改めて紹介するまでもないが、デビューから6連勝を飾り、史上初めて2歳馬でNARグランプリ年度代表馬の座を獲得。昨年度は北海道スプリントカップで3着に粘ったものの、続く函館スプリントSで大敗。
その後は休養を余儀なくされ、復帰後もずっと精彩を欠いていた。もしかすると早熟だったか―の声もあがっていたが、新設スーパースプリントシリーズで見事に復活をとげた。トライアル・名古屋でら馬スプリントで上がり33秒9の驚異的なスピードで圧勝し、全国地方のスピード自慢が集結した習志野きらっとスプリントも完勝。
レース内容も文句のつけようがなく、逃げたジーエスライカーの外をピッタリ追走し、直線で突き放す横綱相撲を披露。強いラブミーチャンがよみがえった。しかも2歳から3歳半ばまで480キロ前後の馬体重が、現在は510キロ超。これが成長の裏付けと見て間違いない。
確かにラブミーチャンに直線の盛岡坂は過酷な条件かもしれない。展開も決して楽ではない。JRA勢の包囲網も強烈だ。しかし今の充実度をもってすればすべて克服できると踏んでいる。
逆転筆頭は前記ドスライス。父はゴーンウエスト産駒スペイツタウン。アメリカ生まれでデビュー2戦目、門別競馬場の条件交流で初勝利をマーク。その後は一進一退のレースを繰り返し、なかなかオープンの壁を突破できなかったが、前走・NST賞でついにオープン戦を勝ち上がった。
好位2番手を追走し、直線でちょっとモタつくシーンもあったが、アースサウンドの追撃を封じて快勝した。これで通算6勝目、中央では5勝目を飾り、うち4勝がダート1200m戦(門別も加えれば5勝)。今回の条件は望むところだろう。
トーセンクロスは慢性的な脚部不安がつきまとい、何度かの長期休養があり、7歳にしてわずか17戦のみで出世が遅れたが、前走・安芸ステークス快勝でようやくオープン入りを果たした。
身上とするのは強烈な末脚。ラブミーチャン、ドスライス、そして1枠に入ったサンエムパームが競り合って先行激化する可能性も高く、そうなればトーセンクロスの台頭も十分ある。
あとは実績面で若干見劣るが、スマートブレード、グランドラッチにもチャンスがあるし、名古屋・エイシンタイガーはダート実績は前走の習志野きらっとスプリント4着のみだが、芝で重特を賑わした快速派。JRA勢の牙城を突き崩すかもしれない。
◎(3)ラブミーチャン
○(8)ドスライス
▲(5)トーセンクロス
△(12)スマートブレード
△(11)グランドラッチ
△(14)エイシンタイガー
3連単は3、8、5の3頭軸から12、11、14を3着押さえ。計24点予想
馬複は 3-8、3-5、3-12、3-11、5-8
<お奨めレース>
15日同日、「東日本大震災復興祈念 JRAvs岩手競馬」を実施。JRA7名、岩手7名のチーム対抗戦でチーム優勝、個人優勝を争う。
8R エーシンスローイン
11R スカイリバーに注目。どちらも岩手・山本政聡騎手が引き当て、重要なポイントゲッターとなりそうだ
14日(日)メインは芝交流重賞・OROカップ(9月25日 盛岡芝1700m)トライアル「桂樹杯」。舞台は盛岡芝1600m。
格付け時点ではマイネルアラバンサ、サウンドサンデー、アドマイヤホームの登録もあったが、体調ひと息のため自重。普通ならば物足りない一戦になってしまうが、3歳馬ラブミープラチナが果敢に挑戦し俄然、おもしろくなった。必然的にハンデ差も57キロから52キロまで広がり、これが勝敗に少なからず影響しそうだからだ。
主軸は復活したボスアミーゴ。2歳時から盛岡ターフ王の名をほしいままにし、3年連続で最優秀ターフホースの座を獲得。唯一残された重賞タイトルはOROカップのみ。これを優勝すると2歳、3歳、そして古馬の盛岡芝重賞をすべて制圧する快挙となるが、コスモバルクなど巡り合わせが悪く、いまだグランドスラム達成をできない。
そんなこんなで昨年はスランプ。自己の戦いに終始して未勝利。完全にピーク過ぎた印象を与えたが、前々走・かきつばた賞で自慢の末脚がよみがえって快勝。続く交流重賞・せきれい賞でもマチカネカミカゼには負けたが、半馬身差2着。ついに復活の雄たけびを上げた。
当然だが4、5歳時の迫力は薄れてしまったが、芝の鬼は依然健在。メンバーも手頃となった今回はきっちり白星を飾りたいところだろう。
以上、記したようにボスアミーゴは絶対的存在とはいいがたく、他陣営にもつけ入る余地はある。逆転筆頭はドリームスナイパー。
昨年、B1から重賞・せきれい賞へ強気の挑戦。オープン馬と同じ57キロ同ハンデだったにもかかわらず、直線鋭く追い込んでコスモヴァシュランの2着を確保。それを含めて盛岡芝<2.2.2.2>と連対率5割と抜群の適性を誇っている。
理想は芝の長丁場だが、前走は1700m戦で好位抜け出しを決めて快勝。ダート芝で2連勝を飾り、絶好調。ハンデ差2キロを味方に一気台頭をもくろむ。
ソノマンマは軽快な先行力と粘り強さが身上。芝通算4勝と適性はまったくヒケを採らない。しかも今回は絶好の内枠を引き当て、人気の2頭ボスアミーゴ、ドリームスナイパーは差しタイプ。マイペースの逃げに持ち込めば残り目も十分にある。リュウノヒーローの戦法次第だろう。
そのリュウノヒーローはB2特別「姫神賞」を優勝しての挑戦。芝1000mの忙しい競馬が不安材料だったが、逃げたナイトストーカーズをアッサリ交わして完勝。こちらも芝適性を存分に発揮した。魅力は先、差し自在の脚質。ソノマンマを早めに交わして主導権を握れば格上馬相手にも好勝負に持ち込める。
そしてラブミープラチナ。陣営は芝適性を見抜き、転入2戦目から芝路線を歩んで1、2、4、3着。はまなす賞シーグランディの0秒1差2着、前走はJRA勢を相手に3着健闘した。しかも裸同然の52キロ。現時点での完成度はともかく、軽ハンデに後押しされて先輩たちをひと泡吹かすシーンも考えられる。
◎(1)ボスアミーゴ
○(4)ドリームスナイパー
▲(2)ソノマンマ
△(9)リュウノヒーロー
△(5)ラブミープラチナ
3連単は1、4の1、2着折り返しから2、9、5へ流してみたい
馬複は 1-4、1-2、1-9、1-5
<お奨めの1頭>
3R ヒシカツ
岩手7勝の実績はダテではなく、再転入初戦を完勝。今回も相手強化感なく、連勝疑いなし