今週の盛岡競馬は逃げ・先行馬天国の様相を呈しています。
土・日の22レース中、ハナを奪った馬が勝ったのが11レース、先行2番手から進んだ馬が勝ったのが4レース。その他のレースでもせいぜい道中4,5番手までにいた馬しか優勝圏に絡めない状況です。
直線に向いて差し馬がうっかり外に持ち出そうものなら、その外を回った分のロスを最後まで取り戻せずに終わる例が多数。
まあ、水沢とは違ってどんな馬でも行ってしまえば・・・という事ではなく、ある程度地力がある馬でないとただペースを乱して終わるのですが、逆に言うと普段差しっぽい戦いをする馬でも地力さえあれば、強引に前に行ってそれでなんとかなってしまうわけで、詰まるところスピードのある馬・地力のある馬が好成績を挙げている、という結果に思えます。
しかし、土・日とも逃げ馬が潰れて差し馬が突っ込んで、荒れたレースがあります。両日の最終レースです。
28日土曜の11Rは馬単1万4520円、3連単8万4240円。29日日曜の11Rは3着ヒモ荒れで3連単1万1710円。どちらも逃げた馬が絡まれ通しでペースが上がり、差し馬の餌食になったもの。
共通点は、ダートマイル。月曜日の最終も同じくマイル戦、そして先行馬が豊富です。自分は(10)キタサンアイドルを本命視しているのですが、他にも行きたい馬が何頭かいて、そして差しに回れる馬もちらほらいます。さて、3日連続で最終レースが荒れるのかどうか・・・?
悩んだ末の本命は(4)アンダースポット。昨年岩手でデビューして認定戦優勝。逆に言うとめぼしい結果はその程度なのですが、金沢に行ってから、同じく移籍した金杯2着・ゴールデンタイガーに先着されていない点からすると、牝馬としてはまずまずの水準にあると見ていいでしょう。
かつては気の悪さが出世を妨げている感がありましたが、移籍後、各地で揉まれてきた経験に期待します。
対抗は(7)リュウノキャンドル。前走はさすがに厳しかったとして、それ以前の成績には安定感がありました。速い時計勝負になった時にどうなのか?一抹の不安は残りますが、先行安定の取り口は武器になるはず。
単穴は思い切って逃げた時の(1)クイーンオブシーか。福山・佐賀・園田と遠征した事は結果はともかくこの時期の3歳牝馬としてはなかなか得難い経験。マイルの持ち時計がもう1秒速ければもっと強気になれるのですが、それは仕方ないところ。
岩手勢では(10)ガッテンモントレー・(11)セリトスガッテンの"ガッテン勢"2頭かなと思います。ただ、どちらも展開に注文つきがちなうえにあまり早く動くのも合わないタイプ。鞍上の手腕を頼む部分も大きくなりそうで、あまり強気には狙いづらいですね。
●10Rの買い目
馬単 (4)=(7)、(1)=(4)、(1)=(7)、(4)→(10)、(4)→(11)
5月24、25日の両日にわたってJRA札幌競馬場で「トレーニングセール2011」が行われ、岩手県馬主会は計8頭の2歳馬を購入した。
昨年、同セールの購入馬からベストマイヒーロー、シーグランディなどが活躍。ベストマイヒーローは2歳三冠を達成し、2歳最優秀馬に選出。またシーグランディは芝路線を歩み、JRA・福島2歳ステークスで2着に健闘。最優秀ターフホースに選ばれ、まさにトレーニングセール出身馬の当たり年となった。
今年もなかなかの粒ぞろい。特に注目してほしいのは上場番号111「ジャミーラ09」。父がフォーティナイナーズサン、母はブライアンズタイム産駒のジャミーラ。
馬が入場し、お台の声が上がった途端、何名ものバイヤーが競り合い、どんどん値段が上がる一方。ついには1000万円の大台に乗って、ようやく岩手県馬主会が落札した。以上の経緯はベストマイヒーロー、シーグランディのときとまったく同じパターン。
周囲にいた我が知り合いたちも"岩手県は今年も元気ですね"と称賛し、驚きを隠せなかった。早ければ6月にはデビューにこぎつける。テシオでは今回の8頭を熱い気持ちを持って追いかけたいと思っている。
29日メイン10レースはB1級一組「秋田駒ケ岳レース」(盛岡ダート1800m)。北海道遠征帰りでもモエレハナオーが主軸を演じる。
モエレハナオーは昨年、大井から再転入。当初はレース勘がなかなか戻らず凡走を繰り返していたが、徐々に走る気が出てきて2勝2着3回。A級でも十分戦力になることを証明した。
コスモバルク記念は相手も強すぎて、しんがり14着に終わったが、もう一つ敗因があった。青森から函館へフェリーで渡り、そこから陸路で門別に向かったが、途中に事故に遭うアクシデントが発生。これが尾を引いたことも大敗を喫した理由だった。
しかし帰郷後は順調そのもので、一度叩かれた変わり身も確か。なおかつラッキーなことにB1へ降格。距離1800mは気持ち長いが、そこはA級で勝ち負けの実力で難なく克服してくれるだろう。
ヒカルメイオーは今季初戦・岩手日報杯でスタート直後に落馬。よもやのアクシデントが発生したが、幸い人馬ともに無事。今回が仕切り直しの一戦となった。
昨シーズンは未勝利。夏場に3ヵ月半の休養を余儀なくされ、決して順調ではなかったが、それでも2着3回3着3回。モエレハナオーには見劣ったが、堅実な差し脚を披露した。
今年はB1へ降級。モエレハナオーと同様、メンバー有利は明白だが、堅実な半面、詰めの甘さがつきまとうのも事実。それで対抗評価に落ち着いた。
オンワードアコールは昨年、中央未勝利から転入し、いきなり5連勝をマーク。芝で一度8着に沈んだが、ダートに戻って9戦連続で馬券対象。不良馬場と出遅れに泣いた銀嶺賞で7着に沈んだが、最終戦を2着にまとめてシーズンを終了。依然、底を見せていない。
今季初戦・岩手日報杯6着に若干不満が残ったが、距離2000mと上がりの競馬になったのが敗因か。今回、1ハロン短縮は好材料だろうし、しぼんでいた馬体も徐々に回復した模様。反撃に転じて何ら不思議はない。
コアレスランナーは岩手日報杯で1番人気。道中も絶好の4番手をキープしたが、直線の伸びひと息で4着。戦前から盛岡コースは合わないと言われていたが、そのとおりの結果となった。引き続き好調をキープしたが、やはり割り引きが必要だろう。
逆に株を上げたのがヨイチクローン。1着・クリスティラビットには離されたが、インの経済コースを進んで3着入線。これでB1でも通用のメドが立った。軽視すると痛い目に遭いそうだ。
◎(7)モエレハナオー
○(8)ヒカルメイオー
▲(4)オンワードアコール
△(2)コアレスランナー
△(1)ヨイチクローン
3連単は7、8、4のボックスが本線。あとは2、1を3着押さえ
馬複は 7-8、4-7、2-7、1-7
<お奨めの1頭>
4レース ブローザウインド
A級から最下級C2へ一気に降級。しかも得意の短距離戦で水を得た魚のように初戦を完勝。ここでは実力の違いが明白だ
東日本大震災で岩手競馬も各施設は甚大な被害を受けたが、それだけではなかった。再開のメドが立たないため、当然のことだが所属馬が数多く流出。一時は400頭台まで減っていた。
第1回盛岡後半が少頭数レースが多かったのは、その影響だった。正直、今後のことを心配でならなかったが、杞憂に終わった。再開後、一気に約70頭が転入。先日のトレーニングセールでも岩手県馬主会が計8頭を購入。徐々に本来の岩手競馬を取り戻しつつある。あとは宮古、三本木の場外が一日も早く復旧することを祈るばかりだ。
在厩頭数が増えた効果てき面。前開催が全10レース編成だったのに対し、今開催は基本11レースで実施予定。これも本来の岩手競馬の姿に戻った。なお、発走時刻は第1レースが12時ジャストから11時30分に早まっただけ。他のレースは前開催と同じですので、レース番号だけ間違わないようお願いします。
28日メイン10レースはB1三組&B2一組の混合戦「栗駒山レース」(盛岡ダート1600m)。オウシュウサンクスが前走、ハナ差2着の雪辱に燃えている。
まずはそのレースを振り返ってみたい。オウシュウサンクスが圧倒的な1番人気に支持され、逃げたジョイチャイルドを徹底マーク。4角で早くも競り落とし、そのまま押し切るかと思ったが、最内を突いてバラディーが強襲。2頭のマッチレースに持ち込まれたが、激しい叩き合いの末にバラディーが1着。
オウシュウサンクスはバラディー騎乗の菅原勲騎手の執念に根負けした印象だったが、敗れて強しをアピール。当日の馬場で盛岡ダ1600m1分40秒7も破格のタイムだった。ここは是が非でも負けられない。
ドリームスナイパーも元気一杯だ。昨年、芝に活路を見出したところ大躍進。B1条件から重賞・せきれい賞(盛岡芝2400m)へ挑戦し、コスモヴァシュランの2着を確保した。
この内容からJRAへ戻り、芝の長距離を3度、あとはダート戦を一度使ったが、8着が最高で名古屋2戦2着1回を経て再び岩手へやってきた。
この再転入は芝路線を意識してだが、ダートでもコースが広い盛岡なら問題なし。実際、盛岡ダ1600m戦では2戦1勝3着1回とマズマズの成績を収めている。オウシュウサンクスがもたつけば首位の可能性まである。
エスユーシルバーの変わり身が怖い。4ヵ月半ぶりの前走はプラス15キロで出走。540キロ台の大型馬が、さらに増えて555キロは明らかに太め。案の定、中団から退いて9着。オウシュウサンクスから3・4秒も離されては狙いづらいが、このタイプはひと叩きされると一変のケースも多々。
B1では歯が立たないのか、それとも叩き上昇で勝ち負けに参加できるか、今後の意味も含めて動向に注意を払いたい。
マイネルサウダージは初戦が騎手ハンデ戦。1800mの距離が嫌われて7番人気の低評価だったが、マイペースの逃げに持ち込んで2着。盛岡巧者ぶりを発揮した。しかも今回は1ハロン短縮されてマイルが舞台。同型の出方が若干気になるが、再現も十分考えられる。
あとは、こちらも再転入組ゲンパチオブラヴ、移籍初戦で目の覚めるような直線一気を決めたサッカーエンジェルなども侮れないかもしれないが、あくまでも3着までの評価。上位2頭は順調度、実力的にも抜けている。
◎(5)オウシュウサンクス
○(6)ドリームスナイパー
▲(10)エスユーシルバー
△(4)マイネルサウダージ
△(7)ゲンパチオブラヴ
3連単は5、6の1、2着折り返しから10、4、7へ3着流し
馬複は 5-6、5-10、4-5
<お奨めの1頭>
5レース ディテール
昨年7月以来の実戦もアッサリ克服。スタートでもたつきながら、エンジンがかかってからの切れがけた違い。連勝もらった。相手は格上シゲルスペランツァだ
開幕早々、岩手競馬は記録ラッシュとなっています。
まず先週の16日、2Rで小林俊彦騎手が地方通算3500勝を達成。岩手では2人目、地方競馬では歴代10人目(現役では7人目)の大記録を成し遂げました。
昨年4000勝を達成した菅原勲騎手がいるためか、小林騎手の記録はちょっと目立たない感じがあるのですが、3500勝はもちろん偉大な偉大な記録ですし、ひとつの地区にこんな大記録を持つ騎手が二人もいる、それも生え抜きでというのもまた凄い事(兵庫には有馬・川原という二名の大騎手がいますが、どちらも他地区からの移籍)。
体力にはまだまだ自信があるという小林騎手、4000、4500と勝ち星を積み重ねてほしいですよね。
また、22日日曜日は3Rで城地俊光調教師が通算100勝を、4Rでは関本浩司調教師が初勝利を挙げました。関本調教師は開業後2戦目での初勝利と順調なスタートで、「騎手の時とは違う緊張をするけれど、ひとまず勝ってホッとしました。この勢いでどんどん勝ち星を増やしたい」と笑顔を見せていました。
他にも、阿部騎手が地方通算1200勝に、沢田盛夫利騎手は同1300勝に間近となっています。もしかしたら、皆さんがこの稿を読んでいる頃には達成されているかもしれません。
岩手競馬を、東北を取り巻く状況は依然厳しいですが、こういう記録の積み重ねが元気に繋がっていけばいいなと、単純ですが思ったりします。
さて、月曜日のメインレースはA級一組の「ヒメコザクラレース」。レースの名前は非常に可憐な高山植物にちなんだものなのですが、レースの方はとても可憐なんて言ってられない、実に難解なメンバーとなりました。
その理由は10頭中4頭もいる転入馬。南関東C級くらいなら普通なら軽視、もしくは様子見してしまうのですが、日曜のあすなろ賞が転入馬のワン・ツーになってしまったのを見せられると、ここも転入馬が猛威を振るいそうな気がしてきて・・・。うーん。
あまり悩んでもいられない。という事で予想に行きましょう。本命は思い切って(6)ダークライを狙います。
3歳時にはロックハンドスターのNO.2的存在。その後古馬A級に入って苦戦が続きましたが徐々に良化、シーズン終盤は一線級とも互角の戦いができるようになっていました。
持ち時計的に1800mは少し長め。ですが今の先行有利のコース状態なら、先行しぶといこの馬の脚質が最大限に活きると見ました。
本命を捻ったから対抗以下は順当に(2)ダンストンリアル、(1)マルブツワイルドを押さえて。ダンストンリアルは昨年のあすなろ賞勝馬で実力は既にオープン級。マルブツワイルドも重賞入着があってA級上位で足りないとは思えません。どちらも昨季ラストを勝って締めくくっている点も魅力です。
(4)ジョウテンロマンは詰めの甘さはともかくとして、もととも一息後の成績が微妙な馬。8歳の大型馬、中間順調とはいえ押さえまでに留めておきたい。
転入馬で狙うなら(8)ホクセツロマンか。本来は中距離の先行馬、南関での左回り実績がちょっと微妙ですが、3歳重賞で好走した経験が武器になる可能性は決して小さくないでしょう。
●9Rの買い目
馬単 (2)=(6)、(1)=(6)、(1)=(2)、(6)→(4)、(6)→(8)
開幕延期により、今シーズンのオープン戦線はこの「あすなろ賞」スタートする。舞台は盛岡ダート1800m。6月19日、みちのく大賞典トライアルで1、2着馬には優先出走権が与えられる。
当初、ロックハンドスター、ゴールドマイン、マヨノエンゼル、マイネベリンダなどの登録があったが、ロックハンドスター、ゴールドマインは北海道・コスモバルク記念直後のために回避。またマヨノエンゼルはここにきて腰に疲れが出たため自重。またB・ドリーマーカップ、青藍賞の重賞2勝マークしたマイネベリンダも仕上がり途上のため出走を見送った。
しかしサクラマジェスティ、コアレスレーサーの対決は以上4頭は補えないにしても見応え十分。ロックハンドスターは別格に、他の3頭とは互角以上に戦える能力を持っている。
主軸はサクラマジェスティ。昨年6月、中央3勝1000万下から転入。初戦、2戦目は休み明けと小回りに手こずって3、2着に終わったが、盛岡へ替わって動きが一変。広いコースで秘めた能力が如何なく発揮された。
中でも見事だったのは9月、ロックハンドスターを退けた一戦。今回と同じ盛岡ダ1800mを舞台に、2番手を追走したロックハンドスターを徹底マーク。4コーナーでアッサリ交わし、内からロックが差し返すと再び鋭く伸びて1馬身半差。
いかに大井遠征2戦後で疲れがあったにせよ、後の三冠馬ロックハンドスターを子供扱いにした強さに舌を巻いた。大晦日のファン投票・桐花賞では完敗を喫したが、小回りを意識して早めに動いて末をなくしただけ。個人的な意見だが、盛岡コースに限ればサクラマジェスティとロックハンドスターの差は1馬身もないだろうと思っている。
コアレスレーサーはそのとき、2着ロックハンドスターから離されること9馬身差3着。サクラマジェスティとの差は決定的かと思ったが、続くA級(盛ダ1800m)で鮮やかな逃げ切りを決めて雪辱。前走大敗のお返しをキッチリした。
桐花賞でコアレスレーサーは7着に沈んでしまったが、これは馬場と流れが合わなかったから。まだ勝負付けは済んでいないが、今回の印は仕上がり比較を考えてのこと。
大型馬ゆえ叩き良化型と踏んで間違いないし、若干太めの印象。もちろん、ここでぎっちり仕上げてしまえば今後におつりがなくなるのは当然。今回の状態で他陣営とどのようなレースをするかを測る意味もあり、このレースのみで結論を下すのは早計。ただ、アッサリ勝つようなら打倒ロックハンドスターの最有力候補に浮上する。
盛岡ダート1800m地点はゴール板から200m手前。1コーナーに入るまでおよそ2ハロン。ほとんどの1800m戦はペースが落ち着き、坦々とした流れとなるが、先に行きたいのは新参サンキンスピーチ、ワイルドキャット。
サンキンスピーチは通算28勝。重賞は1つのみだが、一貫して東海でオープンを張り続けてきた古豪。転入直前の梅見月杯では東海№1・ヒシウォーシイ相手に、逃げ粘って3着。これだけ走れば当然勝ち負けに持ち込める。
ワイルドキャットは板垣調教師が逃げに定評がある斎藤騎手を指名した。南関東A2下でも3着に入った実績があれば、レベル比較からも岩手オープンで勝って不思議なし。斎藤騎手が持ち味を存分に引き出すか注目してみたい。
あとは北上川大賞典を優勝メイホウホップ、菅原勲騎手が鞍上マイネルプロートスも怖い存在だ。
◎(4)サクラマジェスティ
○(5)コアレスレーサー
▲(2)サンキンスピーチ
△(6)ワイルドキャット
△(7)メイホウホップ
3連単は4、5の1、2着折り返しから2、6、7、8へ
馬複は 4-5、2-4、4-6、6-7
<お奨めの1頭>
7レース シルクアヴァロン中央3勝→笠松→高知→船橋→佐賀と渡り歩き、昨年暮に岩手B2で2戦を消化。その後、佐賀に移動して再び岩手へ。初戦はC2へ降格し、相手も楽だったが、それにしても強かった。1400mも問題にしない