1月12日 第9回トウケイニセイ記念(オープン 水沢1600m)
トウケイニセイ記念ゴール 1着・アンダーボナンザ 写真・佐藤到)
1着 アンダーボナンザ
メタモルキングが逃げ、2番手外にオウシュウクラウン、3番手にグッドストーン。ペースはさほど速くなく、むしろスローに近い印象。アンダーボナンザは7番手の中につけ、2コーナーを回って外に出してスパートをかけると3番手までに進出。向正面で先頭に立ったオウシュウクラウン、2番手グッドストーンを早くも射程圏に入れ、4コーナーでオウシュウクラウンに馬体を併せる。
オウシュウクラウンは内で必死に粘ったものの、ラスト100mでアンダーボナンザが交わし、あとは突き放すだけ。一瞬のうちに5馬身をつけて待望の重賞初タイトルを手に入れた。
「テン乗りだったが、前回騎乗の(村上)忍騎手に聞いたらクセのない馬だと話していたので不安はなかった。レースでもいい位置が取れたし、向正面ではこの馬の力を信じて早めに仕掛けたが、自分が思っていた以上に強かった。今日はトウケイニセイが水沢に来ていたので是非、勝ちたかった。ずっと重賞を勝っていなかった(今回で3勝目)が、いい馬に出会えてうれしい」と菅原勲騎手。
アンダーボナンザは岩手デビューで2勝マーク。重賞・南部駒賞2着、金杯3着の実績を残して冬期間は南関東へ一旦移籍。4戦3着2回後、再び岩手へ戻り3戦2着1回。その後、南関東で2戦を消化したが、成績が振るわず6ヵ月半の休養をはさんで8年6月に再転入。
当初はなかなか本調子を取り戻せず凡走を繰り返していたが、一戦ごとに復調ムード。特に寒い時期を迎えて以降、自慢の末脚が冴え渡り、A級戦、トライアル・白嶺賞と連勝。適性を考えて桐花賞(2000m)には見向きもせず、このトウケイニセイ記念1本の照準を合わせて臨んできた。
今季のオープン戦線はずっと主役不在のままだったが、桐花賞でカネショウエリート、そして今回のアンダーボナンザが台頭。来期に期待をつなぐ形でひとまず今シーズンを終えた。
2着 オウシュウクラウン
メタモルキングの直後、2番手を追走。前に行きたがる仕草を出し、鞍上・関本浩司騎手が必死になだめる。しかし向正面ではもはや抑えることが難しいと判断して早々と先頭。外からアンダーボナンザが接近し、交わされないようにセーフティリードを取ろうとしたが、手応えの違いがありあり。直線を向いても最内で粘っていたが、ラスト100mで一杯となった。
オウシュウクラウンは1年1ヶ月の長期休養を経て今年度6月に戦列へ復帰したが、一昨年の桐花賞を制した頃の迫力には程遠く着を拾うので精一杯に終始。球節にも爆弾を抱えていたが、白嶺賞2着でようやく復調のメド。桐花賞を直前に再び球節に腫れが出て出走見送ったのは痛かったが、逆にそれが功を奏し、白嶺賞は今季一番の仕上がりで臨むことができた。
今回の5馬身差は明らかに完敗だったが、復活の手応えは十分に掴んだ感じだ。
3着 リュウノツバサ
4戦ぶりにコンビを組んだ沢田騎手は前を走る3頭の中に入れ、砂を被らせて折り合いをつけることに専念させる。
ペースが上がったラスト800mでやや置かれ気味となったが、直線で外に持ち出して盛り返す。桐花賞は泥んこ馬場に泣いて8着に凡走したが、今回が前日に砂を補充して時計が非常にかかる馬場を味方に上々の伸びを披露。こちらも来期につながるレース内容となった。
4着 トーホウライデン
道中はずっと中団インの経済コースを進み、直線でもいい脚を使って4着。3着との差は開いたが、ひと頃のスランプからようやく立ち直った。
5着 ヤマニンエグザルト
前半はアンダーボナンザをマークする形で進めたが、各馬が仕掛けても反応がひと息。桐花賞では中を割って豪快に抜け出し2着を確保したが、今回は伸び切れず電光掲示板に載るまでにとどまった。