8月31日 第34回ビューチフル・ドリーマーカップ(3歳以上オープン 地方競馬全国交流 水沢1900m)
(ビューチフル・ドリーマーカップ 1着 ジュリア 写真・佐藤到)
1着 ジュリア
連日の雨で極端な不良馬場。ひとまず前日より幾分タイムがかかっており、いくぶん回復傾向にあったが、それでもレースが終わるたびに水が浮いていた。
絶好の1枠に入ったこともあり、ジュリアが予想どおりの逃げ。しかしカネショウプルートが楽に逃げさせないぞとばかり、大外から果敢に攻める。それによってペースは1900m戦にしては若干ペースが速くなったが、1周目4コーナーで流れが落ち着く。参考までにスタートからのラップは推定で6・8―11・2―12・4―12・2―12・9。
逃げジュリア、2番手カネショウプルート、3番手外にサイレントエクセルの隊列は3コーナーまで変わらず、ジュリアは終始1馬身半のリードを取り、徐々に突き放しにかかる。それがジュリアの勝利パターンと各陣営も十二分に承知。後続各馬の手が激しく動いたが、ジュリアとの差は詰まらない。直線に入ってもジュリアは後続が一杯一杯になったのを尻目に、2着に6馬身差をつける圧勝で初の重賞タイトルを手に入れた。
走破タイム2分00秒4は今年、ヤマニンエグザルトが更新したレコードにコンマ5秒でハイタイム決着となった。
「ペースが少し速いのは分かっていましたが、この馬の持ち味を出し切ることに心がけました。残り800mまで来ても手応えが良くて“これなら行けるかも”と。4コーナーでは脚音が聞こえませんでしたが、勝ったなと確信したのは残り1ハロンくらい。この馬に距離は少し長いし、こういう馬場もあまり合わないんですが、よく走ってくれました。チャンスをくださった皆さんにはお礼の気持ちで一杯です」と斉藤雄一騎手。
斉藤騎手は今年デビュー7年目を迎えたが、ジュリアと同様、待望の重賞タイトルを手に入れた。
ジュリアはメイセイオペラ産駒の二世代目。いわゆる典型的な逃げ馬ゆえ勝つか、もしくは大敗かの連続。しかし今年は心身ともに充実し、今季7戦4勝。このレースには2連勝で臨んできたが、前回レース後に飛節軟腫が発生。それでヒザの水を抜いて1ヵ月半ほど間隔が開いてしまったが、逆にこれも好結果につながった。
今後の予定だが、レース後の反動がなければ青藍賞だが、先の症状に加え、球節に若干張りもあり、ジュリアの体調次第ということになる。
2着 サクラアリエル
今回が盛岡から水沢へ転入2戦目。おそらく環境の変化に戸惑ったものと思うが、前走比マイナス18キロと大幅減。実際、体も寂しく映ったしB1からの格下挑戦で10頭中9番人気の支持にとどまった。
道中はずっと6、7番手インの経済コースを進み、有力馬がスパートをかけた3コーナー過ぎでも同ポジション。4コーナーで5番手まで進出し、人気どころがすべて失速したことにも恵まれて2着を確保した。「着狙いに徹したら2着に入着できた」(村松学騎手)
4着 マツリダワルツ
昨年3歳牝馬のトップに君臨したが、4月末のレースで脚部不安が再発して4ヵ月半の休養。ぶっつけでB・ドリーマーCに臨み、馬体重もプラス10キロと重め残りだったが、元々が気のいいタイプでもあり、底力で4着を確保した。
5着 クルセイズ
先陣4頭の直後5番手を追走。ほぼフェアリーCに近い位置取りだったが、前回のような伸びが見られずサイレントエクセルよりひとつ上の着順に止まった。
6着 サイレントエクセル
返し馬で板垣騎手は気合いをつける意味で強いキャンターを消化。これはフェアリーCで「気が走るほうに全然向いていない」からで、鞍上は必死に気合い回復に務めていた。
レースは不利をまったく受けない3番手外を追走。向正面まで手応えも悪くなかったが、3コーナーから満を持してスパートをかけても反応がなし。むしろ前からどんどん離される一方で着外6着に沈む。
一昨年、そして昨年と同レースを圧勝。牝馬?1の座に君臨し、牡馬とも互角以上の勝負を演じていたが、今年はフェアリーCの2着が最高で他は“らしさ”の片りんすら窺えない。当面は本調子を取り戻すことが先決だろう。
7着 カネショウプルート
スタート直後はジュリアに馬体を併せる形で追走。ペース落ち着いてからも終始2番手につけていたが、勝負どころから手応えが怪しくなる。前回・フェアリーCでは3着に善戦したが、その時は古馬とのハンデ差が4キロに対し、今回は2キロ差。現時点で3歳馬にはこのハンデは酷な条件かもしれない。