新年明けましておめでとうございます。昨年の岩手競馬は、過去最大級の危機に陥った1年となりましたが、12月20日、競馬議会で岩手県競馬管理者・達増知事が来期継続を正式に表明。いまだ先行き不透明の中にありますが、存続、そして再生に全力を注いでいく所存ですのでよろしくお願い致します。
1月2日(水)メインは明け3歳馬による重賞「第34回金杯」(水沢1600m)、12頭立て。この金杯には社台スタリオンステーションが協賛し、優勝馬主にはダンスインザダークの配合権利が与えられる。
昨年の2歳戦線をリードしてきたジェベルロバーツが11月の重賞・南部駒賞で11着に大敗したため、一転して混戦模様に激変。今回、当のジェベルロバーツが戦線に復帰し、主役が戻ってきたかの印象を与えるが、南部駒賞があまりにも負けすぎ。ひとまず調教はずっと出ているという話だが、大幅評価ダウンはやむなし。よって金杯は主役交代劇があるか否かがテーマとなる。
(シェロ 写真・佐藤到)
小生の見解はあると見て主軸にシュロを指名する。若駒賞、南部駒賞で見せ場を作ったものの4着止まり。トップグループから水を開けられた感じもあったが、前回・寒菊賞では4番手好位追走から鮮やかに直線抜け出して快勝。待望の特別タイトルを手に入れた。元々、デビュー時から注目の1頭だったが、レースに集中できずなかなか頭角を現すことができなかった。しかし一戦ごとに心身ともに成長を遂げ、寒菊賞で3戦ぶりに騎乗した小林騎手は比べものにならないぐらい大人になったとコメントした。仮にこの金杯を制すれば来期の飛躍も間違いなく、シェロは正念場を迎えた。
逆転筆頭はモエレハナオー。ハイレベル北海道で5戦2勝の成績を残して12月に岩手トレード。初戦は終始、外から被せられる苦しい競馬だったが、それをはねのけて1着。そして前走は早めスパートをかけ、直線で一瞬、脚が止まる場面もあったが、ゴール前で再び闘志に火がついて2連勝。どうやら単騎先頭に立つとソラを使うようで、馬体を併せるとどこまでも伸びていくタイプ。その意味でゴール前、混沌となりそうな今回、一気に主役の座へ躍り出る可能性も十分にある。
テンショウベストはデビュー戦・芝1000mを快勝して以降、表舞台を走り続けビギナーズカップから4戦連続で2着。毎回好勝負を演じながらあと一押しが足りなかった。南部駒賞でも2番手追走から3コーナー先頭。前が総崩れの展開になりながらも、果敢に攻めてトーホウノゾミの0・1秒差3着に粘った。前回、久々の平場戦に戻って当然のように1番人気に支持されたが、4番手をキープしながら伸びを欠いて5着。案外の結果に終わってしまったが、気配落ちはなく巻き返しに転じてもまったく不思議はない。
モエレハナオーと同じく北海道から転入リュウノラムタラも岩手2連勝中。前回は直線鋭く伸びてきたピンクゴールドと1着同着。前記テンショウベストに先着したことでも能力地の高さはうかがい知れる。
またエイプリルボーイは寒菊賞で暴走気味で逃げながら2着に粘り、前回余裕の逃げ切りを決めてスピードに磨きがかかり、全日本2歳優駿は9着に敗れたが、地元に戻って南部駒賞優勝の意地を見せるトーホウノゾミも侮れず、まさに混戦必至の一戦となった。
◎ ?シュロ
○ ?モエレハナオー
▲ ?テンショウベスト
△ ?リュウノラムタラ
△ ?エイプリルボーイ
△ ?トーホウノゾミ
3連単は3、7の1、2着折り返しから5、2本線。あとは8、9も押さえたい
馬複は3−7、3−5、2−3、5−7、3−8
<お奨めの1頭>
7レース サクラアリエル
今季未勝利と最後の詰めに課題を残すが、前回はタイム差なし2着。ここは勝機ガッチリつかむ
<次走へのメモ>
12月31日 ハーツクライ賞「第33回桐花賞」(3歳以上オープン 水沢2000m)
(桐花賞ゴール 1着テンショウボス 写真・佐藤到)
1着 テンショウボス
ジュリア、セイントセーリングが前半3ハロン36秒3の超ハイペースを形成する中、テンショウボスは馬なりで絶好の6番手外を追走。先行有利の馬場を意識して向正面からロングスパートをかけ、4コーナーでは先頭セイントセーリングに早くも並びかける。そして今の充実度を示すように直線を向いてさらに加速。2着に4馬身差をつける圧勝劇で王者の貫禄を見せつけた。
「タフなレースになったのも味方した。こういう馬場なので早めに仕掛けたが、行き脚がすばらしかったので4コーナーで勝てると思った。古馬三冠がかかっていたのでちょっとプレッシャーがかかったが、本当に強くなった」と小林騎手。
チャンスに恵まれればフェブラリーステークスに挑戦もしてみたいと佐々木修一調教師。川崎記念の選択肢もあったが、大型馬なのでできれば広いコースで走らせたいとの意向のようだ。
2着 サンシャインヘイロ
テンショウボスをマークする形でレースを進め、ワンテンポ遅らせてスパート。直線でも自身の能力は出し切ったが、如何せん相手が強すぎた。今回は2着を確保したことで十分収穫があった。「自分の馬の能力を信じてテンショウボスを負かしに行ったが、やはり強かった」と関本敦騎手。
3着 エアウィード
後方2番手の競馬から経済コースを走って直線勝負に賭ける。昨シーズンほどの勢いはなくなったが、毎回入着を果たしており今回は3着。改めて底力を確認した。「レース運びのうまい馬。もう少し前で競馬ができれば2着はあったかも」と阿部騎手。