満月過ぎの月に照らされて浮かび上がる岩手山です。
手前の田んぼにある雪は先週降った雪のなごりで、このまま根雪になるかもしれません。このところ12月にしては暖かい日が続いているような気がするのですが、日なたに積雪が残っているくらいであればそれほど暖かくもないのでしょうかね。どうも「今年もまた暖冬なんじゃないだろうか?」と心配が先に立ってしまいます。いや、もちろん寒さが厳しくないのはとっても楽なんですが……特に私のような安アパートに住む人間には……ホントに断熱が悪くてトイレに行くのも辛いんですよ。今シーズンはファンヒーターの灯油代も気になります……でもやっぱり冬は冬らしくびしっと寒くなってもらわないと、どこか気持ちが悪いんですよね。岩手らしくないですし。温暖化の問題も頭から離れませんし。
と、まぁそんな感じで年越しに向かう盛岡です。思えば記録的暖冬に始まった今年は、馬インフルエンザ、石油製品の高騰など、競馬内外で喜べないニュースが重くのしかかったまま過ぎた一年だったような気がします。もちろん最大は、後に覆ったとはいえ岩手競馬廃止がいったんは可決されたこと。これがその後、全ての関係者に非常に暗い影を落とし続け、本当につらい年となってしまいました。
先日、来年度の競馬存続決定の報が伝えられました。これにはほっと胸を撫で下ろす反面、頭の中の半分では素直に喜ぶことができませんでした。来年も黒字で運営する見通しが出来たとするその文面からは、万一売り上げが厳しくなったら今年と同じようにコスト調整すればなんとかなる、という意味に思えてしまいます。もう現場では悲鳴が上がっているのに…
ダービーグランプリもグレード返上が決定してしまいました。これもいま現在の状況や全国のレース体系を考えると十分納得のものなのですが、やはりこれまでの歴史を考えると、とても寂しいです。時代に合っていないからといって伝統を途切れさせても良いのなら、いまの岩手競馬そのものだって同じ立場ではないのか?そんな思いを拭い去ることができません。
しかし…です。
何事も岩手競馬本体の存続あってのことなのだ、と思います。存続しなければ、その時点でゼロなのですから。
いまはどんなにか細い未来でも、とにかく繋げていくことを第一に、その先で状況が良くなるように努力と祈りを続けるしかありません。
そんなわけでみなさま、来年も、よろしくお願いします。
(文/写真・佐藤 到)