30日(日)、芝1700mを舞台に重賞「第9回OROカップ」が行われるが、ついに“地方競馬の星”コスモバルクがオーロパークで走る。今年、馬インフルエンザが全国へ蔓延し、その影響でコスモバルク陣営はローテーション組み直しを余儀なくされ、瑞穂賞(3着)からこのOROカップをステップに、天皇賞・秋へ臨む。
岩手競馬も馬インフルエンザ渦に巻き込まれ、ダービーグランプリはJpn I を返上。地元重賞で実施せざるを得なかったが、コスモバルク参戦は岩手競馬へ最高のプレゼントとなった。
さっそくテシオ編集部ではビッグレッドファーム真歌へ連絡し、26日(水)最終おい切りを終えたコスモバルクの調教厩務員・成田幸一さんへ話を聞いてみた。なお、タイムは坂路で62秒1―49秒3―37秒1―25秒2―13秒6 一杯だった。
「坂路の砂を補充したためタイムは若干かかりましたが、動きも手応えも上々。瑞穂賞を叩かれた変わり身を十分うかがえました。その追い切りを終えた体重が517キロでしたから、輸送分を考えれば510キロ前半でレースに臨めるのではないかと思います。移動はこちら(静内真歌)を朝5時半に出発、盛岡競馬場到着は午後5時半ぐらいになるでしょう。そのあと天皇賞へ直行しますから、いいレースを期待しています」
岩手のファンもコスモバルクの勇姿、そして好レースを心待ちにしている。
29日(土)メインは「盛岡愛馬の会会長杯 第33回姫神賞」、10頭立て。昨年まで姫神賞はオープン馬による短距離特別で行われていたが、今年はC1級ダート1600m戦へと様変わりした。
本命はユーセイキャロル。シーズン当初はなかなか軌道に乗れなかったが、ここ2戦連勝で完全復活。前回も同条件・盛岡ダート1600m戦で1分40秒3の好タイムをマークし、同距離は7戦4勝2着1回と最も得意としている。
相手筆頭はエムアイナオキヒメ。今年7月、園田3勝C4から転入し、岩手C3最下級からスタート。クラスにも恵まれていきなり4連勝を飾った。続く一戦はC1へ昇格したため6着に敗れたが、以降は巻き返して2、1着。C1のペースにも慣れてきたのが心強い。しかも盛岡戦は3戦3勝とパーフェクト成績を誇り、前記ユーセイキャロルに逆転のシーンまで考えたい。
ハートウォーマーもC1級の安定株として定評がある。今季着外はC1から挑戦した緑風賞(B2)11着、ジュライカップ(B1下)8着の2回のみ。自己の条件C1級では着外一度もなしと常に勝ち負けに参加している。カギは1600mへ距離延長だが、このメンバーなら克服できると見ていいだろう。
他では前回(盛岡ダート1200m)5着ながら、タイムが出色ぺルターブレス、詰め甘いが当条件が合うレイメイロバリー、アイシーテーストにも注意が必要。
◎ ?ユーセイキャロル
○ ?エムアイナオキヒメ
▲ ?ハートウォーマー
△ ?ぺルターブレス
△ ?レイメイロバリー
△ ?アイシーテースト
3連単は5、6の1、2着折り返しから7、9を厚めに。あとは3、1押さえ少々
馬複は5−6、5−7、5−9、3−5
<お奨めの1頭>
11レース ニシネダイヤ
前回・猿ヶ石特別は4着に沈んだが、敗因は距離2000mがすべて。守備範囲の1400m戦なら巻き返しに転じて当然
今週は9月も最終週ということで平成19年度も上半期が終了ですね。1月までで冬休みに入る岩手競馬にとっては、既にシーズン後半の山場に差し掛かったといったところでしょうか?
4月から盛岡を舞台に放送されてきましたNHK朝の連続テレビ小説『どんど晴れ』も今週で最終回を迎えます。盛岡が舞台と言っても、4月のスタート時にここで予想したとおりそのほとんどがスタジオセットでの撮影。肝心の旅館外観も東京にある某歴史保存建築物を使用ということで、岩手でのロケはごく限られたシーンに終わりましたが、それでも市内の有名どころと遠野市などが何度か画面に登場し、岩手山や小岩井の一本桜は物語の中で登場人物たちの心のバックボーンとなる重要な存在となっていました。
話の方は、いつも明るく前向きな主人公が挫折し、そして立ち直り、また敵対する意地悪な登場人物たちの心を解かして信頼の絆を結び力を合わせてゆくという、ベタな……といったら悪いですが、“王道的”ストーリーとして良く出来ていたのではないでしょうか。スタート時に朝ドラ史上最低と言われた視聴率も回が進むにつれ徐々に上昇し、最近はTV雑誌のランキングを見ても常に上位にランクされるようになっています。
さてこの放送が岩手にとってどんな効果をもたらしたでしょうか?月〜土の朝という放送時間のせいもあってか私のまわりでは意外と見ているという人は少ないのですが、逆に県外で「盛岡といえば今ドラマやってますよね?」と言われることが何度かありました。あとは、小岩井の一本桜のとこに観光客増を見込んで駐車帯を設けたけど今年は桜の花芽が鳥に食べられてダメだったとか、主人公がイジメられていた期間には「盛岡の人は意地悪だ」と思われるのでは?と心配する市民の声が上がったりとか、「おもてなしのこころ」という言葉が静かなブームになっていることとか、、、、あれ?これは『効果』じゃないですね。でも経済効果がいくらだとか、観光客が何%増えたとかは商工会さんにおまかせして、私にとってはこんなふうに朝ドラ関連の話題が出てくるのが楽しかったです。
そうそう、最終話のあたりには再び盛岡ロケで撮影されたさんさ踊りのシーンがあるようですよ。前回さんさが登場したシーンは、県公会堂前の駐車場を使って盛岡さんさ踊りパレードを“再現”したものでしたが(撮影は晩秋に行われたそうで、浴衣を着て踊った出演者やエキストラさんたちは寒くて大変だったでしょうね)、今度のは8月の本番の中でロケを敢行したホンモノ。あの祭りがどんなふうに画面に映っているのか、皆様お見逃しなく。
(写真はJR東日本の「どんど晴れ」ラッピング車両。快速はまゆり号として、盛岡から遠野経由で釜石・宮古へと一日3往復走っています)
先の日曜日、23日には2歳ダートふたつめの特別戦、「りんどう賞」が行われ、我らがテシオPOG馬からピンクゴールド、バトルアイ、フジプライドの3頭が出走しました。人気はデビュー戦を好タイムで勝ったエイプリルボーイに集まっていましたが、ゴール前、大外を飛ぶように駆け上がってきたのは、前半最後方に控えていたフジプライド!ほとんどの馬を直線の残り半分で交わし、まさに一刀両断の切れ味で最後は2馬身半の差を築いて優勝しました。人気馬が形成したハイペースのおかげとはいえ、本当に見事な末脚。大胆な騎乗で定評のある鞍上・草地保隆騎手も驚くほどでした。ペーパーオーナーの皆さんは現地でご覧になったでしょうか?私は残念ながら、後からオッズパークで見て興奮していました。生で見たかったなぁ〜。
そのほかの出走馬は、ピンクゴールド3着、バトルアイ5着と全馬、掲示板に載りました。そしてこのレースの優勝馬は、11月の重賞・南部駒賞にノミネート。水沢1600mでもあの末脚が生きるのか、とても楽しみになってきましたね。
(文/写真・佐藤 到)