29日(日)メインは3才牝馬による重賞「第7回留守杯日高賞」(水沢1600m)。毎年、岩手競馬は留守杯日高賞から重賞路線がスタートし、これを皮切りに岩手も本格的な競馬シーズンへと突入する。
昨年はサイレントエクセルがシーズン初戦のハンデをはねのけ、貫禄の優勝。その後、牝馬重賞を総なめにし、G?・ダービーグランプリでも地方最先着の3着と気を吐いた。冬期は川崎に移動してグレードを目標に調整を進めていたが、順調さも欠いてG?・マリーンカップ一戦のみに止まり、残念ながら成果を出せなかった。しかし体調さえ戻ればG?3着の実績からも再度、活躍してくれると確信している。
(菜の花賞ゴール 写真・佐藤到)
さて今年。不動の本命馬パラダイスフラワーが出走する。冬期は自厩舎で完全静養させ、一連の遠征疲れを取ることに専念。始動は3月26日、特別開催の3歳A1級戦だったが、よもやの2着。自らハイペースを形成し、いつものパラダイスフラワーならそのまま押し切るケースだったが、直線で一杯となって伸びを欠いた。
しかし、陣営はこの敗戦にあまりショックを受けていなかった。と言うのは馬体重498キロ(前走・金杯比プラス8キロ)でも明らかなように太め残り。中間の乗り込みもセーブ気味で、あくまでも試走の印象が強かった。
その一戦を叩かれて4月14日、菜の花賞に臨み、絶好の1枠からマイペースの逃げに持ち込んで快勝。「直線で遊び遊び走ってフワフワしていた」と小林騎手が語ったとおり、反応に若干不満が残ったが、逆の見方をすれば余裕タップリだったことを意味し、今後の上積みを十分に想定できる内容だった。
今回、川崎からシーベルリーフが参戦。南関東クラシック・浦和桜花賞にも駒を進めていたが、そこで3・5秒差9着。パラダイスフラワー自身がまだ完調とは言い難いが、それでもG?を制しているように実績面でも抜けた存在。また他のメンバーもほとんど勝負付けが済んでおり、ここで負けることはまず考えられない。この日高賞を順当に勝って再度、全国に殴り込みをかけたいところだ。
単不動、ヒモ捜しの一戦となるが、それも迷わずトライアル・菜の花賞上位組をピックアップしたい。
まず相手筆頭にはシュクジャンヌを指名する。デビューから堅実に入着を果たし、着外に沈んだのはわずか1回のみ。抜群の安定感を誇っていたが、その半面、最後の詰めが甘く今年1月まで12戦未勝利。しかし冬期休養明けの3歳A2戦を強いレースで勝ち、それまでのうっ憤を一気に晴らした。その時、シュクジャンヌがマークしたタイムは前日・3歳A1戦(1着マツリダワルツ)の1分47秒0を0・7秒も上回り、いかに馬場差があったにせよ、非常に優秀なタイムを叩き出していた。
それを裏付けるかのように菜の花賞では終始中団インをキープし、直線満を持してスパートをかけるや鋭く反応。パラダイスフラワーに1馬身差2着まで肉薄した。これが自身の成長を如実に示すもので、バランスの取れた馬体からも今年の飛躍をうかがわせるに十分だった。
3番手評価はマツリダワルツだろう。前々走、パラダイスフラワーを相手に直線一気を決めて大金星をあげた。
前走・菜の花賞では早めにマクリをかけ、4コーナーで一旦パラダイスフラワーに並びかけたが、最後で伸びを欠いて3着に敗れた。しかしこれは正攻法でパラダイスフラワーを負かしに行ったもので、仕方なしの結果。仮に今回、前半がハイペース模様になればまとめてバッサリのシーンまであり得る。
川崎から参戦するシーベルリーフは昨年8月川崎でデビューし、5戦目の2歳戦(大井)を見事に逃げ切って初白星。その後は牝馬路線を歩んできた。理想とするのは逃げだが、我慢する競馬もこなせる。今回はパラダイスフラワーが1枠、こちらは外枠9番からの発走なら2、3番手の競馬になりそう。とすれば折り合いが好走のカギだろう。
以下、菜の花賞4着サクラアリエル、再転入後も精彩を欠いているが、2歳牝馬重賞・白菊賞の優勝馬オーナーズスキャンの巻き返しを押さえとする。
◎ ?パラダイスフラワー
○ ?シュクジャンヌ
▲ ?マツリダワルツ
△ ?シーベルリーフ
△ ?サクラアリエル
△ ?オーナーズスキャン
3連単は1を1着固定に4、2の折り返しを厚め。あとは9、3、7を押さえ
馬複は1−4、1−2、1−9、1−3
<お奨めの1頭>
8レース デュアルライフ
C1級特別・五葉山賞では元A1級の実力をマザマザと発揮。今回はB2級へジャンプアップだが、底力の違いでアッサリ突破する