5月3日付けのスポーツ紙をみて驚いた。“ユートピア ドバイ移籍”
今年3月、国際G?・ドバイ・ゴドルフィン・マイル(ナドアルシバ競馬場)に挑戦したユートピア(牡6歳)が、見事に逃げ切って圧勝。そのレースを見たシェイク・モハメド殿下が金子真人氏に譲渡を打診。400万ドルでトレードが成立したというのだ。
新聞にも書かれていたが、日本馬が現役のまま海外のオーナーに譲渡されるのは非常に稀なケース。チーム・ゴドルフィンがいかにユートピアを評価したか、が窺い知れる。
オーロパークとユートピアは浅からぬ縁がある。3歳時にG?・ダービーグランプリを圧勝し、一昨年はG?・南部杯で当時、ダートで圧倒的な強さを誇っていたアドマイヤドン相手に逃げ切り勝ち。そして昨年も南部杯を制してオーロパークでは3戦3勝、パーフェクト。
それでもあまり評価が上がらなかったのは、他のダートグレードレースで目立った成績を残せなかったからだろう。
昨年の南部杯でコンビを組んだ安藤勝己騎手がレース後、こんなコメントを語っていた。
「盛岡とよっぽど相性がいいのか、別馬のようにすばらしい反応を見せる。右回りだと3、4コーナーでモタモタするのに、ここに来るとスタートから最後まで真面目に走ってくれる」と。
岩手のファンはユートピアの強さを目の当りにしていただけに、凡走を繰り返すたびに歯がゆい思いをしていた。それゆえ、ドバイの快走には溜飲が下がる気持ちで一杯だった。
今後、ユートピアはイギリス・ニューマーケットで調教を積み、米ブリーダーズカップ・マイル(チャーチルダウンズ競馬場)を目指すという。健闘を祈りたい。
本題に入る。メインはB2級馬による1800m戦「第8回大屋梅特別」、11頭立て。スターティングゲートはゴールから200m手前(盛岡は1周1600m)。1コーナーに入るまで400mもなく、比較的ペースは落ち着く。
主軸にマルカンジョオーを指名。3月末のレースは7ヵ月半ぶりの影響が大きく8着に沈んだが、ひと叩きされた前走を快勝。そして今回は<3、1、1、0>と相性抜群の盛岡戦を迎え、連勝のお膳立ては整った。
相手はパープルモンクが演じる。通算30勝をマークする歴戦の古豪で、岩手転入時の格付けがB3。笠松A1級で走っていたことを考えれば恵まれたのは明らか。案の定、移籍初戦で鮮やかな2番手抜け出しを決めた。さらに特筆すべきは左回り実績で、これまで<22、2、0、3>という驚異的な勝率を誇っている。
3番手には4歳馬ヘライカントリー。3月から2、1、1着と奥手が本格化を見せ、上昇一途。ここを軽く突破ならA級まで上り詰める可能性も高い。
以下、ゲンパチコジーン、ナルコリョジョウにも注目してみた。
3連単は3、1、5のボックスに、3を固定で3、5を2着折り返しで2、6に流したい
馬複は3−8、3−5、5−8、2−3、2−6
<お奨めの1頭>
11レース ユウワンテイオー
昨シーズンはA1級へ在籍し、今季はB級スタート。ここなら2勝目のシーン濃厚
(文・松尾康司)