
伊藤信夫がスタートで決着をつけた!
0ハン両者が激しい競り合いを演じていたが、20線からトップスタートを切った伊藤信が攻略にかかっていた。まずは2番手を走っていた赤堀を交わしたが、この時、接触がありレース後に審議となる。その後は先頭を走っていた村瀬を交わし1着でゴールを迎えた。伊藤信の動きに続いていた荒尾が準優勝。金子大は試走タイムが劣勢で、レースも序盤から精彩を欠いていた。
長い審議の結果、伊藤信は失格には至らず、入線どおりに優勝が確定した。今回の優勝戦は20線に5車並び、豪華な顔ぶれだったが、好スタートを決めたことが優勝できた大きな要因。レース道中で抜くとなるとかなりの労力を要する。伊藤信は見事に勝ちパターンに持ち込んでみせた。この後は4節連続で地元での競走となるが、セッティングに関する良いデータが取れたと思うので、このまま突き進めそうだ。
まず赤堀翼と田中進は今節に計時した本走タイム比較が他者よりも劣るうえ、決勝戦のおこなわれる12Rと同じ時間、もしくは近い時間帯の実戦を走っていない点も不安なため評価は上がらない。
今節ずっと遅い時間に出走して勝ち続けている金子大輔が無敗の完全Vをめざす。伊藤信夫は木村武之の外枠であっても先制するケースが考えられるので、優勝した先月中旬の浜松デイレースのようなスタート速攻を再現したいところ。木村武之は今節は未勝利ながらレース後半の追いアシはしっかりしている。
荒尾聡は雨の初日に1勝しているものの、準決勝戦を走ったあとは「パッとしないエンジン状態」とコメント。実際、小林頼介が今節エンジン絶好調だとはいえ、準決勝戦の4~5周目あたりは明らかに伸び負けていた。ハンデが30メートル前のランキングB級選手に手こずったのは、現状の仕上がり不足を示すものとみなせる。
同じレースで荒尾を引き離して勝利した吉林直都は、並み居る強豪を抑えて4日目の一番時計をマーク。まだ最重ハンになってから日が浅いのにこの活躍ぶりは立派であり、成長を示すもの。決勝戦は20線の最内枠なら単独10線の内をスタートで狙いやすい角度であり、出足の早い方ではない田中進を叩いて出るシーンも想定できる。
◎ 8 金子大輔
○ 6 伊藤信夫
△ 5 木村武之
▲ 2 村瀬月乃丞
穴 4 吉林直都
おすすめの買い目
8=6-524
穴なら
4=8-652
文/鈴木
平田雅崇がチャンスをものにし、今年初優勝を決めた!
自身初優出となった上原は、そのまま初優勝を決めたかったが試走タイムから物足りず、ペースを上げることはできなかった。50線からトップスタートを切った平田は、まず本田をパス。その勢いで上原の逃げを捕えた。その後は後続を引き離す一方の力強いレースを披露した。山田達がジワリと浮上し、加賀谷の追撃を振り切って準優勝だった。
平田は今年初優勝で、自身通算19度目の優勝となった。2節前はG2で優出し3着。前節は一般開催で優出し4着。3節連続優出となった今回は先頭でゴール線を駆け抜けてみせた。エンジンは高い位置で安定している。次の出場は伊勢崎のG2稲妻賞。良い流れのまま乗り込めるので、自身初のG2タイトルへ向け初日から快走を見せてくれそうだ。
平田雅崇が自在性を示すか
今節ナイトレース3日制の最終日は良走路となる見込みで、雨で勝ち上がってきた軽ハン若手2車のペースが展開のポイントのひとつ。
今回が初めての優出となった上原大輝は38期の中でも素質の高い方だが、春の気候になって以降の本走ベストタイムは4月デイレースの3.468秒であり、ここではさすがに残り目は厳しそう。それでも本田仁恵や影山伸を抑えながら粘れれば後続は50線勢もまじえて隊列が混み合い、平田雅崇や若井友和が展開への柔軟な対応力を発揮しそう。
本田仁恵が先に上原を捕えて逃げる展開になると話は変わってくる。本田は4月下旬の山陽ミッドナイトで初優勝した際に本走3.416秒を出しており、今回もすんなり逃げられれば速いタイムを出す可能性がある。そうなると後続は縦長の隊列になりそうで、加賀谷建明がスピードに乗った捲りで番手を上げる。
◎ 5 平田雅崇
○ 7 若井友和
△ 4 加賀谷建明
▲ 6 山田達也
穴 2 本田仁恵
おすすめの買い目
5-7=462
穴なら
2=4-576
文/鈴木
黒川京介が連覇 村田光希が大健闘
完全に濡れた走路でおこなわれた決勝戦。7番の黒川京介と6番の篠原睦の組み合わせが2連単・2連複とも1倍台というオッズ。しかし伏兵が前方に潜んでいた。
20線にグレードレース常連の強豪が6名並ぶ、その20メートル前に置かれた単独0ハンの村田光希が大きなコース取りで逃げペースを掴んだ。20線から先行した佐々木啓は前半の周回で横へ並ぶまでに接近したが、村田は隙をみせず抜かせない。3周で佐々木啓を捌いた黒川もまた村田になかなか仕掛けられず、中盤の周回では逆に車間を拡げられたほどであった。
デビュー2年目37期の新鋭がグレード初優出で初制覇の快挙なるかと、周回ごとに現実味を増すムードとなったが、8周戦の残り1周を迎えた7周回4コーナーから8周回1コーナーにかけて、ついに黒川が村田を差して先頭に立った。今年3月の前回大会に続く2連覇。先月の『川口記念』からのG2連続優勝、通算では10度目のタイトル獲得となった。
だが村田の健闘ぶりは、今後の成長と活躍に大きな可能性を感じさせた。
文/鈴木