前節に連勝の新記録を樹立した鈴木圭一郎
昨年の前回『ゴールデンレース』決勝戦は、雨走路で大逃げ打った浅野浩幸をレース最終盤に捕えた鈴木圭一郎。前節SGオールスター(飯塚ナイター)は決勝戦の発走で前輪を浮かせて敗戦したが、準決勝戦まで通算18連勝しておりエンジンまさに充実。今節は大会2連覇および4度目の戴冠をめざす。
鈴木圭と同期の鈴木宏和は、いまだタイトル未保持ではあるが今期のランキングを全国4位まで押し上げたように地力アップは明らか。最も成長した点は、捌く腕を上げたこと。スタートの鋭さはキャリアの浅い時期から全国トップクラスであり、あとは雨走路の走りを身に付けられればスーパーグレード獲得も夢ではない。ゴールデンレースは2021年に優出しているが、雨走路で8着に終わった。
その2021年、第65回大会を制したのは佐藤貴也。レース中盤から鈴木圭との一騎打ちになるも1車身振り切った。先月SGオールスターでは初日から5日目まですべて3着以内にまとめて優出6着。スタートの切れ味が上向いた準決勝戦を走り終えて、直線が弱いけど手前の伸びは良いと語っていた。
金子大輔、伊藤信夫もオールスターの動きはマズマズ良かったが、木村武之は速い本走タイムが出ていなかったのが気がかりな点。あとは、6日間の着順は3着が最高ながら、栗原佳祐が非凡なスピードを示した。
2000年代にゴールデン4連覇を果たした浦田信輔は参加しないが、2010年代に4連覇している中村雅人が今回参戦。オールスターは準決勝戦で2着の中村杏亮に僅差届かず優出はならなかったが、6日間に3勝して2着・3着・4着が各1回と良い仕上がりで今回に参戦できる。
佐藤励はオールスター初日・2日目に快勝して臨んだ3日目、フライングを喫して勝ち上がり権利を喪失。しかしそのレースを2着に大差を付けて圧勝すると、残り3日間もオール3着以内に好走。浜松走路では2級車時代から大敗が少なく、1級車に乗り換わって以降では今年2月に優出している。
掛川和人がオールスター初日から3走連続で3着。4日目に勝利して準決勝戦まで進んだ。浜松走路は長年相性が良く、久しぶりに浜松へ出走した昨秋の『SG日本選手権』も初日いきなり勝利している。
消音マフラーでの開催になるが昨年の浜松アーリーレースで梅内幹雄が優勝。同時期にアーリーレースに優出した篠崎実は、さきのオールスター最終日に『SG最年長勝利』の新記録を打ち立てた。柴山信行は今年4月に浜松デイレースで優出したばかり。経験とテクニックと整備力に長けた彼らベテラン勢にも注目したい。
G1戦を28度も優勝している高橋貢が意外にも獲得していないタイトルがこのゴールデンレース。昨年の日本選手権に優出するなど走路との相性は決して悪くなく、今回が新たな勲章を加える機会になるかも。
鈴木宏と同期32期の松本康もまたグレード優勝の経験がないが、昨年の日本選手権では6走4勝・3着2回と好成績を挙げていて、今回活躍する可能性が十分ある。
伊勢崎A級レーサーでは、押田和也が昨年7月の消音アーリーレースを4日間全勝の完全V。岩田行雄は先月中旬にデイレース優出。野本佳章は昨年の春にデイレース準優勝。
有吉辰也は過去1年間の浜松に、日本選手権をはじめとするグレードレース4節を含む6節に出場して、すべて優出するという素晴らしい安定感。先述した昨年のゴールデンレース重走路3着もそのうちの1節。振り返れば若手の頃に『G2ヤングダービー』、今から5年前には『G2ウィナーズカップ』を制したし、SGレースV3のうち2回はここ浜松でのものだった。
中村杏亮は先月オールスターで自身2度目のSG優出。昨年のゴールデンレースは大きな着順が多かったが、その後は日本選手権の予選4日間に3勝するなど浜松で活躍するケースが増えてきている。
山陽勢は参加人数が少ないうえ、近1年の浜松に優出歴を持つのは丹村飛竜と人見剛志のみだが、佐々木啓はデビュー3年でG1を制覇してからも長年、浜松走路で高い実績を挙げ続けてきた。さらに、今年3月ごろから目に見えて攻撃力がアップしており、2021年『SG全日本選抜』以来となる浜松でのグレースレース優出を狙えそうな雰囲気がある。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-4(32期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-5(22期)〕
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-7(29期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-8(25期)〕
佐藤 励〔川口 S-15(35期)〕
中村 杏亮〔飯塚 S-19(33期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-44(23期)〕
岩田 行雄〔伊勢崎 A-7(15期)〕
篠崎 実〔川口 A-111(9期)〕
文/鈴木