中村雅人があっさりと逃げ切った!
0Mオープンの最内から中村雅人が先行した。結果的には中村雅がそのまま先頭を譲らず優勝。準優勝は掛川和人。1周バックストレッチで篠原睦を捲ると、そこからは後続が競りかけてきたが、最後までブロックできていた。人気に推された永井大介は、スタート直後に篠原と接触しかけて後退。早々に上位争いからは離脱となった。若井友和も1周バックストレッチでインに潜り込もうとしたが、篠原のインに入り切れず後退した。加賀谷建明は平田雅崇を差したものの、掛川を攻略できず3着までが一杯だった。
中村雅は文句のないレース運びだった。スタートも切れたし、上がりタイムも申し分なかった。次の出走は浜松一般開催。そして、その後は川口でSG全日本選抜オートレースが控えている。今回の優勝は、そこへ向け良い弾みがついたのではないか。
新星は現れるか?
29期以前の選手が斡旋されなくなり、大会史上初めて30期以降の選手のみによっておこなわれる『G2若獅子杯争奪戦』。
5回前(2018年)は中村杏亮、3回前(2020年)は丸山智史、前回(2022年)は佐藤励が、それぞれ初めて獲得したタイトルとなった(3名とも今回も出場)。
今回はそのジンクスの順番からは外れているが、いまだにタイトル未獲得であるのが不思議と感じられるほど実力をつけている上和田拓海・鈴木宏和・松本康・伊藤正真や、改修後の山陽新走路で年明けに8連勝した泉田修佑などは、グレード初制覇を狙える好機といえる。スタートに難点を抱えているが中村友和や森本優佑も決勝戦に乗れれば、8周回に距離が延びることも加味して追い込みの効くだけのスピード能力を備えている。
2級車としては破格の本走タイムを常時マークしている栗原佳祐も優勝候補の一角と評価したい。上述の中村杏と佐藤励は若獅子杯を2級車で制したからだ(ちなみにこの両名は自身初の優勝がグレードレースという快挙でもあった)。最近は厳しいハンデ位置のため成績が上がっていないが、同期の村瀬月乃丞も栗原佳にヒケをとらない高素質の持ち主。
今季S1の鈴木圭一郎は前々回に1度、青山周平はまだ獲っていない若獅子杯。鈴木圭は地元浜松のG1『スピード王決定戦』優勝戦を本走タイム316秒で圧勝して勢いは最高潮。青山周は2節前の地元準決勝戦で40メートル前の0ハン選手にハイペースで逃げられて優出を逸したが、3節前には地元G1『シルクカップ』優勝戦をスーパーハンデで快勝している。
黒川京介も同様に前節の地元ナイトレース準決勝戦3着に敗れたが、敗因はスタートが決まらなかったためでエンジンは快調。2日目「選抜予選」は本走タイム324秒で圧勝している。
長田稚也は地元飯塚のミッドナイト準優勝後。SGホルダーの同ハン荒尾聡に速攻を決められ、本走タイム338秒で追い上げての2着だから、こちらも機力は高いレベルといえる。
3年以内にデビューしたばかりである最若手にも高いポテンシャルを示しているレーサーが栗原佳祐の他にもいる。
35期の永島潤太郎は近況は山陽ミッドナイトで本走タイム36秒~37秒が常速化している。36期の石田啓貴と浜野翼は2級車ゆえ速い時計は出せていないものの、背後に迫られてもコースを乱さない走りをできていてレースセンスが高い。同期の祐定響は先月中旬あたりから急速に成長中であり、帆景岬は前節の山陽ナイターで準決勝戦へ進出し3日間3走で2勝を挙げるなど成長を示した。
デビュー5年目の松尾彩は前節地元ナイターの準決勝戦には進めなかったが、最終日は自己最高タイムを更新する3.360秒をマーク。昨年暮れのSSフェスタでは強豪を相手に3着へ2度入っており、こちらも成長は明らかだ。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
佐藤 摩弥〔川口 S-6(31期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-15(32期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-17(34期)〕
黒川 京介〔川口 S-20(33期)〕
栗原 佳祐〔浜松 A-4(36期)〕
丸山 智史〔山陽 A-23(31期)〕
佐藤 励〔川口 A-100(35期)〕
村瀬 月乃丞〔飯塚 A-206(36期)〕
永島 潤太郎〔山陽 B-17(35期)〕
文/鈴木
※追記:車立て拡充のため29期の藤岡一樹選手が追加斡旋されました。