丹村飛竜が5連勝で完全V
日程の大半が雨に見舞われ、今期の地元ランキングトップであり前回覇者の松尾啓史や多くの遠征車が本来の実力を発揮できなかった今シリーズ。走路リニューアル後の3開催で抜群の安定感を示して今回に臨んだ丹村飛竜が4戦無敗で決勝戦に進み、完全Vへ王手をかけた。去年には自身初、史上12人目の10連勝を達成したように、勢いが付くと滅法強く、4名が勝ち上がった地元勢の代表として遠征勢を下す。
SG優勝からは少し遠ざかっているが2021年にはグレードレースを3度優勝、今年すでに昨年以上の優勝回数を挙げている高橋貢が、前節の地元G2も今節も熟達のレース運びを見せていて、大外枠からスタート先行は難しくともレース道中で内枠勢へ攻撃して、8周回のうちに番手を上げていこう。
33期の黒川京介や中村杏亮、34期の長田稚也や上和田拓海が躍進している昨今、35期のホープ佐藤励の存在にも注目したい。今年すでに7度の優出を果たし、優勝4回に準優勝3回。なんとオール2連対の安定度を誇る。この秋以降は1節ごとに捌く技術と展開を見極める目を磨けており、もし内枠勢に先行されたとしても攻め込んでいける。特に竹谷には、対戦して敗れた3日目12レースのリベンジもかかってくる。決勝8名で今節中に本走タイム3.34秒台をマークしたのは佐藤と丹村だけである。
昨年5月に走路改修から再開した飯塚ですぐに優勝した竹谷隆は、飯塚での優出が2021年は1度、2022年は6度(すべて改修後)と大幅に回数を増やしており、新たな走路の感触をいち早く掴むセンスがある。今節は3日目に本走タイム3.35秒をマークし、先述したように佐藤励を破った。雨巧者のイメージが強いが、良走路でもスピードを上げて逃げる展開が得意であり、10メートル線7車の最内枠から主導権を掴めば活躍する可能性は十分ある。
◎丹村飛竜
○高橋貢
△佐藤励
△竹谷隆
▲岡部聡
7=8-5、7=8-2、7=5-8
最重ハン勢以外の選手はハンデが重くなり、10Mオープンが3つある準決。レース展開に影響を与えるのは間違いない。
9R...大外の荒尾は枠ナリ発進は考えづらく、内枠勢を何車か置いて出るスタートを決めそう。そこからは一気の仕掛けで先頭に立つ。ハンデ重化した緒方だが、先行できればペースは上がる。自在性ある高橋貢が後半浮上。平田と浜野も積極的な走りを見せる。
◎荒尾聡
○緒方浩一
△高橋貢
△平田雅崇
▲浜野淳
8=3-467
10R...佐藤励が内枠勢を押さえつけて出そうだ。エンジンは仕上がっており、序盤からぐんぐんとペース上げる。金子と松尾啓の捌き巧者が中団を捌く。好調の竹谷はスタート踏ん張れれば力走も。後半猛追するのは滝下だ。
◎佐藤励
○金子大輔
△松尾啓史
△竹谷隆
▲滝下隼平
4-78-2578
11R...山陽の新走路を何度も走っており、エンジンのセッティングは掴めている丹村飛。今節も3連勝中で、勢いは止まらない。実績では永井が上位。篠原はスタート勝負。阿部仁と西村龍はハンデ位置を生かせれば。
◎丹村飛竜
○永井大介
△篠原睦
△阿部仁志
▲西村龍太郎
6-78-1278
12R...3日目は3着に敗れた鈴木圭だが、エンジン面は問題なく準決も順当にクリアする。君和田はハンデが重くなっているが、0ハン単騎は魅力で3日目はタイムも出ていた。残り目十分だ。安定感ある若井が混戦を突破。位置いい山本将や、今大会との相性いい岡部が奮起か。
◎鈴木圭一郎
○君和田裕二
△若井友和
△山本将之
▲岡部聡
8-137-1347
年末スーパースターへ勢い付ける優勝遂げた有吉
小雨が降り続け乾かぬ走路での優勝戦は有吉、辻から井上智、吉松優へ人気が集まった。
序盤からいいペースで逃げる井上智を吉松優は追って行けず、30m4車を縫うように有吉が攻めて早めに好位奪う。吉松優をさばいた有吉は難なく井上智も捕えSGホルダーの貫禄をいかんなく発揮。
今年6個の優勝のうち濡れ走路でのVは4度と現状の有吉には走路状態も関係ない。
年末のスーパースタートライアルへ約2週間を経て川口オートへ出陣だ!
有吉辰也がオール1着で優勝を決めそう!
予選、準決が重走路で勝ち上がったため、正味のエンジン状態は掴みにくい状況となった優勝戦。どのような展開になるのはか読みづらいところだが、ここは実力断然の有吉が中心になるのは間違いない。
単独最重ハンからの競争で楽ではないが、冷静な捌きで前の6車を交わしていく。展開的に絶好なのは吉松優。逃げる井上との差を詰めて先頭に立てば、ハイペースの逃げに持ち込める。30線勢が激しく競り合うような流れになれば、より大きなリードを作れる。有吉を負かす可能性があればこの吉松優だ。
30線は辻がスタート巧者だが、スタート位置の角度を考えると田中進の先行も十分考えられる。田中進もスピードある選手なので、枠ナリ発進が叶えば優勝争いに参加できる。大外を回って車を押し上げていきそうなのは山際。ツボにはまった時は爆発的なスピードを発揮できる。井上智も序盤のリード次第で車券に絡める。
◎有吉辰也
○吉松優輝
△田中進
△山際真介
▲井上智詞
7-236-1236
早川清太郎が激戦を制した!
川口オート一般開催5日間のロングシリーズは伊勢崎の早川清太郎が優勝した。早川は昨年7月に川口のGIで優勝して以来の栄冠。久しぶりの優勝となった。
0ハンから先行の広瀬勝が逃げて青木がマークする展開だったが、道中で鈴木宏との激しい競り合いに勝った早川が5周3コーナーで捕えてゴール。
今年はこれまで14回の優出はあったものの、優勝には手が届いていなかった早川。しかし、今回でようやく長いトンネルから脱出してみせた。6枠からの競争だった優勝戦。全国ランクを考えれば8枠に置かれてもおかしくないメンバー構成だったが、それが逆に早川の闘志に火をつけたか。自分よりもランクが下の選手が外枠にいては負けられない。負けたくない。その気持ちが走りに表れたような優勝戦だった。