荒尾聡が気合の走りでダイヤモンド2V達成!
不安定な天候で行われていたGIダイヤモンドレースは、優勝戦も重走路での競争となった。
試走タイムは田中茂が一番時計で83、次いで荒尾聡が84、岩見貴史と有吉辰也が85、佐々木啓が86、中尾貴志と久門徹が87、浜野淳が88で一番悪かった。
10Mオープンで大事となるスタート争いだが、まずは最内の中尾が先行。他の各車もほぼ枠ナリ発進となったが、有吉だけはダッシュがつかず、1人最後方からのレースを強いられた。荒尾は早い段階で2番手につけた。
トップスタートの中尾はいいペースで逃げに入った。それを捕えようとする一番手は荒尾。徐々に車間を詰めていくと、すぐ後ろにジカ付けした。ここでタイミングを計っていた荒尾は、中尾に隙が生まれないとみるや、狭いインに強引に突っ込む。これが綺麗な軌道を描き、巧旋回となった。抜かれた中尾は反撃の態勢を作ろうとしたが、仕掛けるまではいかず2番手追走が一杯。3番手には岩見が粘っており、その後ろは変動のない展開。荒尾がそのままゴールした。
荒尾はこれでダイヤモンドレース2度目の優勝。GIは通算10度目の制覇。デビュー時から高い戦力で数々のタイトルを奪取している。一時期はやや勢いを欠いていた時もあったが、ここ数年はSGでも存在感を示している。近年は鈴木圭一郎か青山周平か、といったオートレース界だが、そんなことはない。全国屈指のスタート力で、他の全選手を震え上がらせる能力がある荒尾が、レース展開を難解にさせる。オートレースの魅力を広げさせてくれる。車券を買う楽しみを増やしてくれる。これだからオートレースから目が離せない。
鈴木圭一郎の一人舞台か!
前回の浜松オートは鈴木圭一郎の完全優勝で幕を閉じた。最近はスーパーハンデでのレースが多かった鈴木圭だが、前回は通常の最重ハンでの競争。その位置なら地力を遺憾なく発揮できる。今回のハンデ位置はどうなるか。
鈴木圭に関してはもはや説明不要。7月19日の優勝戦を制しており、エンジンも乗り手もなんら心配ない。当面の敵はハンデだけ。通常のままなのか、再びスーパーハンデでのレースを強いられるのか。どちらにしても予選準決は順当に勝ち上がってくるだろう。当然の優勝候補筆頭だ。
佐藤貴也、金子大輔の浜松29期コンビはエンジン上々。前走の地元でも両者は優勝戦まで進んでいた。佐藤貴は試走タイムが出ていなかったが、元々数字は出るタイプではないので、そこまで神経質にならなくてもよい。金子は試走タイムも上がり時計も悪くない。優勝戦では大外の鈴木圭にスタートで行かれてしまったが、同じようなハンデ構成になったら今回こそ突っ張って出たい。
木村武之は前走の準決5着で優出を逃したが、その前後のレースは2着に入っている。その前の伊勢崎では今年の初優勝を決めていた。ここから上昇していきたい。伊藤信夫は前走の準決5着で優勝戦には乗れなかった。しかし、その前後のレースはともに1着。スピード的には問題ない。青島正樹は前回優出。内寄りに置かれた優勝戦だったが、スタートの切れはイマイチだった。元来はスタート巧者なので、その感覚が戻ってくればいい。渡辺篤は、やや低調。全く戦えない事はないが、優勝争いに加わるならもう少し上積みは必要。
外来S級は中村雅人と五十嵐一夫。中村は今年8回の優出があるものの優勝はまだゼロ。大敗はしないタイプだけに着はまとめているが、そろそろ今年の初優勝が欲しい状態。浜松は相性のいい走路なので、今回で決めるか。エンジン的には中堅上位は十分にある。五十嵐は堅調そのもの。イン一本の走りは健在で、混戦になる方が底力を出しやすい。
地元浜松の若手で注目は落合巧。前走の地元では準優勝だった。走力は着実に増しており、今は最重ハンの10M前に置かれているが、いずれは最重ハンまで行くだろう。ハンデが軽い今は絶好の狙い目。まだまだ若手の部類の藤波直也も状態は良い。前走の伊勢崎ではオール連対での準優勝を決めている。走りにムラな面はあるが、つぼにはまった時の破壊力は絶大。
川口A級では岩田裕臣と高塚義明が地元で優出しての参戦。リズムは良いので今回も楽しみな存在になる。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-2(32期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-11(29期)〕
金子 大輔〔浜松 S-15(29期)〕
木村 武之〔浜松 S-17(26期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-25(24期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-27(31期)〕
青島 正樹〔浜松 S-38(22期)〕
中村 雅人〔川口 S-7(28期)〕