青山周平がプレミアムカップ初戴冠!
3月22日に飯塚オートで行われた特別GIプレミアムカップは、伊勢崎の31期・青山周平が制した。青山はこのシリーズで初めて優勝し、着実に記念タイトルを増やしていっている。
天候に恵まれた今回は、優勝戦も良走路で行われた。試走タイムは高橋貢が一番時計で27、次いで鈴木圭一郎が28、永井大介と青山が29、荒尾聡と中村雅人が30、若井友和と丹村飛竜が31だった。
0Mオープン戦の大事なスタート争いは、3枠の青山が先行。これに6枠から丹村が続いていく。荒尾が3番手の位置に潜り込んでいく。鈴木圭も好ダッシュを見せ、外のコースに付ける。
青山は逃げ態勢。2番手発進の丹村ではあったが、荒尾がインから交わしていく。しかし、その荒尾は2周1コーナーで鈴木圭に捲られてしまう。ここからは逃げる青山と追う鈴木圭で一騎打ち。いや、3番手に付けていた荒尾も隙を窺い、チャンスを待っていたので三つ巴の様相。
コーナーを小さく回りながらも、スピードに乗せて立ち上がっていくいつもの青山の走法。これに対し鈴木圭は捲り一本の仕掛けで時折り、前輪が青山の車の前にも出る事はあった。しかし、青山が終始、巧妙な走りに徹し、最後までスタイルを崩すことはなかった。ゴール前では外から鈴木圭が迫ってみせたが、結果的には青山が僅かに先着。執念の走りが実を結んだ。
この時期の8周戦で最初から逃げて上がり388なので、決して速いタイムではない。しかし、青山には大きな武器がある。独走でのペースアップではなくて、後続に抜かせない走り。スタートからゴールまでこのコースを通り続けるのは、さぞかし疲れる事だろう。それでも勝利を手にするために、強い精神力を維持して走り切る。車の操縦テクニックだけでなく、乗り手の内面にも成長が見られた一戦であった。
鬼の居ぬ間に虎視眈々と!
今開催の直前に飯塚でプレミアムカップが行われている関係で、S級とA級上位の選手は不在。普段はなかなか優勝とまではいきにくい選手にとっては、今回のような開催は絶好のチャンス。注目の選手を、特徴を添えて挙げていきたい。
地元A級でスピードがあるのは和田健吾、鈴木健吾、山浦博幸あたり。和田は前走の地元4日間開催で、準決こそ3着だったが、それ以外の3走は1着2本を含むオール連対。エンジン面は悪くなく、今回のメンバーなら優出も十分ある。鈴木健は前走の伊勢崎で優出し6着。スピードだけでなく、捌きの面も近年は良くなっている。山浦は前走の飯塚4日間開催で3回の連絡み。大きなコースを回って車速を乗せてくるタイプだ。近況成長が著しいのは落合巧。前走の山陽ミッドナイトでも活躍していた。今後はスピードだけではなく、捌きが身に付いてくるとより一層、楽しみな存在。
外来A級でスピード派なのは桜井晴光、大月渉、牧瀬嘉葵、武藤博臣といったあたり。桜井は混戦になると脆い面あるが、車を外のコースに持ち出して自分の展開になると威力が倍増される。大月も同様に、捲りが決まり出すと成績が上向く。牧瀬はスタートに一抹の不安を残しているが、レース序盤をそれなりにこなせば上位に進出してこれる。近況イマイチな印象ある武藤はSGタイトルホルダー。底力はかなり高いレベルにある。
捌きがしっかりしているのは梅内幹雄、吉松憲治、林弘明。梅内は前走の伊勢崎GIIでも随所に見せ場を作っていた。吉松も同様に伊勢崎GIIでは初日から3日目までは連対をキープ。ただし、3者に言える事だが、スタートを含めて序盤の位置取りには難がある。そこを克服できるかどうかが上位着に入るための大きなカギ。
速攻タイプは佐々木敏夫、池田康範。果敢な走りでイン突っ込んでくるのは石橋大。若手で成長株なのは山本将之。今年は自身初優勝を遂げ、飛躍の年になりそう。試走タイムがそれほど出なくても狙えるのは掛川和人。
B級は前走で伊勢崎ABツイントーナメントで優出し、着もワンツースリーとなった3者が出場。見事にB級優勝戦で1着になったのは杉本雅彦。1996年に全国地区対抗戦のC級の部で優勝して以来の自身2度目の優勝。今後の選手生活に弾みが付いたことだろう。準優勝だったのは橋本優一。インを抑えての渋太い走りには定評がある。3着は中村浩章。スピード的にはそこまで望めないが、インからインの攻めで車群を交わしていける。
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主な出場予定選手
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落合 巧〔浜松 A-57(33期)〕
和田 健吾〔浜松 A-61(28期)〕
鈴木 健吾〔浜松 A-89(28期)〕
大月 渉〔伊勢崎 A-81(31期)〕
桜井 晴光〔伊勢崎 A-98(26期)〕
杉本 雅彦〔山陽 B-13(14期)〕
橋本 優一〔浜松 B-28(21期)〕
中村 浩章〔伊勢崎 B-17(22期)〕