第51回SG日本選手権オートレース開幕!
節目となる第50回目の日本選手権は伊勢崎の青山周平が制して幕を閉じたが、今回は令和となって初の選手権であり、これもまた意味のあるシリーズになる。近況のSG戦線と言えば、鈴木圭一郎と青山周平の活躍が目立っているが、そこに割って入る選手はいるのか。地区別に有力選手を挙げて行く。
まずは開催地区である飯塚から。飯塚のランクトップは荒尾聡。今年はSGオールスターを制し、自身3度目のSG優勝となった。前走は川口のSGで、この時は準決3着で優出できなかったが、シリーズを通して見れば悪くない動きを見せていた。今年2度目、そして自身4度目の栄冠へ向け、初日から猛ダッシュを仕掛けてくるハズ。2番手は篠原睦で、前走の地元もマズマズだったが優勝戦では6着まで。その優勝戦を制したのは浦田信輔。浦田は一時期ほどエンジンを安定させられていないが、この優勝は今回に向けて弾みになった。川口のSGでは有吉辰也と鐘ヶ江将平が優出。有吉はスタート直後に落車し、早々と戦線離脱。その悪影響がなければいい。鐘ヶ江はこのところ調子が上がっている。まだまだ伸び代のある31期なので、今後の成長が楽しみ。
前回覇者・青山を擁する伊勢崎地区。その青山は、川口のSGではシリーズ途中に家事都合で早退。しかし、その後の地元5日間開催ではしっかりと優勝を決めていた。日本選手権連覇へ向け、態勢は整っている。その優勝戦に乗っていたのが早川清太郎と新井恵匠。早川は初日から4連勝で優出となったが、その優勝戦では序盤で展開を作れなかった。ただし、エンジン面は問題ない。むしろ心配なのは飯塚走路。というより遠征先での成績。地元以外の走路では近況、力を出し切れていないレースが目立つ。新井恵は上昇ムードで今回に臨める。絶対王者・高橋貢は準決4着だったが、それ以外の4走は全て1着。乗り換わってから悪くない動きをしている。鈴木将光は前走の飯塚ミッドナイトで優勝。0Mオープン戦になると不安はあるが、エンジンやリズムは最高潮だ。
次に不動の全国ランクトップ・鈴木圭一郎がいる浜松地区。その鈴木圭の前走は川口5日間一般開催だった。ここでは初日からスーパーハンデでの競争で、連日苦しんでいるシーンが多かった。ただ、初日や準決などは試走28秒をマークしていたのでエンジン自体は良さそう。今回はオール0Mオープンでの戦い。前走の分まで闘志を出してくるだろう。調子が上がっているのは佐藤貴也と金子大輔の29期コンビ。佐藤貴は川口のSGで優出し3着に食い込んだ。その後の飯塚でも優勝戦まで進み、エンジンは高いレベルにある。金子は前走の川口5日間一般開催で優勝。優勝戦は重走路だったが、予選準決をオール連対で突破するなど、良走路での走りも上向いている。
近況はやや勢いに欠ける川口地区。ランクトップは中村雅人。前走は初日から3連勝を決めると準決も2着で優出。優勝戦は4着止まりだったが、エンジンは中堅上位を保てている。SGで15度の優勝を誇る永井大介は乱調気味。前走では準決7着だったばかりではなく、最終日はまさかの8着。気持ちを切り替えて今回に臨みたい。むしろ兄貴分である池田政和の方がエンジンは良好。前走は重走路の優勝戦で8着だったが、そこまでの4走は全て1着。冬場に向けてリズムが良くなっている。他では前走の地元で優出した山田達也、黒川京介などが好調。また、乗り換わってから成績が良くなった平田雅崇や、大舞台でも結果を残している佐藤摩弥などにも注目したい。
最後に山陽地区。ランクトップは松尾啓史で、前走となる飯塚ではしっかりと優出していた。エンジン仕上がると、ビックネーム相手でも怯まず仕掛けていく方で、試走タイムには注意を払いたい。ここ数節、素晴らしい走りを見せているのは佐々木啓。減量をしてから好調が続いているようだが、前走の飯塚でも優出するなど近況は優出ラッシュ。期待されていた川口SGでは初日に被害があり、悔しい結果に終わったので、今回のSGこそ思うような走りを決めたい。他では岡部聡が、今回と同じ飯塚走路のミッドナイトで優出。岩崎亮一は飯塚のナイター開催優出後で上り調子。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-6(27期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-16(23期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-5(29期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
中村 雅人〔川口 S-3(28期)〕
永井 大介〔川口 S-9(25期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-4(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-26(23期)〕
SG裏開催の3日間短期決戦!
今回は直後にSG日本選手権が控えている関係で、S級やA級上位の選手は不在。それ以外での戦いになるが、調子が上がっている選手や個性的な選手が多数参戦し、シリーズとしては盛り上がりそう。
まず、今回出場する中でSGタイトルホルダーは4人。山田真弘、武藤博臣、鈴木辰己、浜野淳だ。山田真は前走の地元5日間開催では準決に乗れなかったが、3日目からの3走は全て2着。今回に向けてエンジンは上向いている。武藤は山田真と同じ開催で走り、準決3着で惜しくも優勝戦に乗れなかった。ただ、シリーズを通してエンジンは悪くなかったし、今回のメンバー的にスピードは上位なので期待できる。鈴木辰は前走こそイマイチだったが、その前までは優出があるなど存在感を示している。そして、浜野。確かに近況の成績はパッとしないが、元々持っている底力はかなり高い。今回のメンバーならエンジンが並になれば、十分通用するだけの技量を持ち合わせている。
A級で前走優出して参戦なのは間中大輔、佐々木敏夫、山崎進、重富英雄といったあたり。間中は地元開催で準優勝。予選道中から良さそうな気配が伝わってきた。佐々木敏、山崎進、重富は山陽のA級トーナメントで優出。この中では山崎が準優勝で最も成績が良かった。3日間の開催でオール連対。このまま波に乗りたい。スピード出てきた重富や、速攻力がある佐々木敏にも注目したい。
今年は新村嘉之が大舞台で好成績を収めている。前々走となるSGでは優勝戦まで進み6着。むしろ一般開催で力を出し切れてない点は気になるが、記念レースでの経験が本人を成長させる糧になるのは間違いない。他では浜松の遠藤誠も、近況は優勝があるなど好気配。実力的にもS級に近いモノを持っている。同期の福村唯倫も近況は地元川口走路で上位着にまとめている。吉田祐也は今回のメンバーの中で車速がある方。
B級は鈴木啓示が前々走の山陽B級トーナメントで優勝している。重走路でのレースではあったが、自身2度目の優勝はリズム上昇に十分すぎる要因。そのレースで準優勝だったのが森園数敏。数節前から調子が上がり、試走タイムに関係なく激走するシーンが多く見られている。同レースで3着だったのは井上秀則。ここへ来て調子が上がっており、一気のスタートで好位を奪うスタイルは健在。同7着は清水雄平。一人で走る展開になれば見せ場を作れる。また、デビューが遅れていた34期新人・信沢綾乃が待望の初出走。こちらにも注目したい。
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主な出場予定選手
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山田 真弘〔川口 A-43(24期)〕
吉田 祐也〔川口 A-46(29期)〕
間中 大輔〔川口 A-100(28期)〕
福村 唯倫〔川口 A-131(25期)〕
遠藤 誠〔浜松 A-30(25期)〕
浜野 淳〔山陽 A-60(24期)〕
山崎 進〔山陽 A-97(26期)〕
新村 嘉之〔飯塚 A-88(27期)〕
いつもよりS級が多く参戦し、盛り上がるミッドナイトレース!
今回のミッドナイトはS級選手が7名参戦予定。SGタイトルホルダーも4名参加しているし、その他の選手もいつものミッドナイトより濃いメンバー構成となっている。この熱いシリーズを制するのは誰か。
地元S級は田中茂と桝崎陽介。田中茂は前走の地元4日間開催では、初日と2日目こそ好走を見せたが、準決は6着で更に最終日は被害があり落車。その影響が心配で、今節は初日の試走がカギになる。桝崎陽介も前走は地元4日間。2日目までに結果が出ず準決には進めなかった。しかし、残りの2日間は共に連対。エンジン的にはマズマズと言えそうだ。
外来S級は平田雅崇が好調。数節前にこのエンジンに乗り替わってからすぐに折り合いが付き、前走の地元5日間開催でも初日から3連勝。準決は4着で優出ならなかったが、最終日も3着と上位着でまとめている。それに伴いスタートも良くなっており、序盤で好展開を作れるようになってきた。今回は優勝戦まで進みそうだ。鈴木宏和もソコソコ良い。前走は今回と同じ飯塚で、ナイター開催だったが、準決8着以外の3走は1着を2本含む全て車券に絡む結果。エンジン状態としては中堅上位にある。
他に外来S級は伊藤信夫、岡部聡、田中賢。3者とも前走は川口のSGだった。この中では岡部が唯一、4日目に白星があるものの、3者とも納得いく結果は残せなかった。ただ、田中賢は随所にハイレベルのスピードを見せていた。伊藤信も、その前までのエンジン状態がいい時は、試走タイムから他を圧倒するモノがあった。
A級では白次義孝に注目。前走も飯塚だったが、ここでは初日から3連勝を決め優出。優勝戦では力及ばず8着になったが、最近は1着率が高まっている。元々、スピードには定評があり、レース序盤の展開作りさえうまく行けば、強豪相手でも振り切る走りができる選手ではある。鈴木将光も調子を上げている。前走の川口4日間開催では優出し7着。予選道中ではスピードある走りを披露していた。松生信二も前走は地元3日間開催で優出と流れは良い。また、角南一如、久門徹らは今期こそA級に位置しているが、実力はS級に匹敵するモノを持っている。
B級では試走タイムが出なくても狙える川端孝、長期欠場明けから徐々にレース感覚を取り戻しつつある谷川一貴、独走力が身についてきた佐伯拓実などに注目したい。
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主な出場予定選手
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田中 茂〔飯塚 S-25(26期)〕
桝崎 陽介〔飯塚 S-45(28期)〕
伊藤 信夫〔浜松 S-22(24期)〕
鈴木 宏和〔浜松 S-30(32期)〕
岡部 聡〔山陽 S-32(19期)〕
平田 雅崇〔川口 S-36(29期)〕
田中 賢〔伊勢崎 S-37(29期)〕
久門 徹〔飯塚 A-9(26期)〕
SG全日本選抜準優勝の高橋貢が勢いに乗るか!
今回の伊勢崎5日間一般開催は、初日と2日目に同じメンバーで競争をするリベンジマッチが組まれている。この2走の得点上位64名が3日目の準々決勝へ進むシステムだ。
今回は伊勢崎3強が全て参戦。その中でランクトップは青山周平。前走は川口SGだったが、3日目に家事都合で欠車。そのまま参加解除になった。2走してマズマズの動きをしていたし、その前の地元では3日間開催で完全優勝をしていたので、エンジン面は心配ない。地元連続優勝へ向け視界は良好。
高橋貢は前走のSGでしっかりと優出。その優勝戦はレース序盤で2番手に立つと、そのままゴールし準優勝だった。準決までの動きも安定しており、いつもの絶対王者が戻ってきた感じ。3強最後の一人は早川清太郎。前走のSGでは成績が振るわず、準決にも進めなかった。遠征先での走りに課題を残している早川だが、地元に帰れば状態一変。いつも以上の走りが戻ってくるハズ。
川口SGでは田村治郎が頑張っていた。予選をそつなくこなすと、重走路の準決を1着で通過。優勝戦に進み4着の結果だった。今年は長らく苦しんでいた田村は、2節前にエンジンを乗り換えてから成績が上向いてきた。ここから今年前半の分まで活躍を見せたいところ。内山高秀や西原智昭らもSGではソコソコ動いていた。逆に、新井恵匠、三浦康平といったあたりはエンジンの底上げが必要。
外来S級は6名の予定。その中でランクトップは木村武之。SGではエンジンが日替わりながら1着2本を含む3回の連対があった。最終日もキッチリ白星で締めており、今回につながるレースにはなっている。森且行、青島正樹、人見剛志らはエンジン状態が並。それでも、今回のような一般開催なら腕である程度カバーできるか。前田淳や藤岡一樹はSGでも随所に存在感を示していた。
S級以外では、青木治親が前走の地元4日間開催で優出し3着。それ以外の3走も全て車券に絡む安定感。ハンデ位置が最重ハンの10M前のうちは十分車券の対象になる。今期からA級の町田龍駿は近況、スピードが出ている。早めに独走に入れる展開なら注意が必要。B級は笠原三義が好調。現在は連続優出中。ハンデ位置的に魅力なので、積極的に狙ってみたい。
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主な出場予定選手
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青山 周平〔伊勢崎 S-2(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-7(22期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-8(29期)〕
内山 高秀〔伊勢崎 S-31(26期)〕
木村 武之〔浜松 S-13(26期)〕
森 且行〔川口 S-29(25期)〕
前田 淳〔山陽 S-42(27期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-46(29期)〕
佐藤貴也が飯塚勢の分厚い壁を粉砕するか!
開催によってその都度、レースの時間帯が変わる飯塚オート。今回はナイターでの競争となる。近況は気温が下がり、それに伴い走路温度も下がっている。それに加えて夜の時間帯で、高速バトルが展開されそう。S級などの主力は前走がSG全日本選抜。その時の動きを参考に今シリーズを展望していく。
SG全日本選抜で優出した選手は2名。最も成績が良かったのは佐藤貴也の3着。佐藤貴はSGでは初日から好走を連発させていた。シリーズを通して全て車券に絡む活躍で、佐藤貴らしいスタートやイン激走が決まっていた。そのままの流れで今回も乗り込めれば、優勝戦までは進出できるだろう。強力な飯塚勢にとっては脅威の存在になる。
もう一人は新村嘉之。新村は今年、記念レースで大活躍。GI競争で準優勝が2回。そして、SG全日本選抜でも優出。走路状況に関係なく力走を見せている。
篠原睦はSGでは珍しくエンジンが安定しなかった。5走して白星がないだけでなく、2着にも入れるレースがなかった。今回は地元なので立て直したいところ。浦田信輔は初日こそ1着だったが、肝心の準決は重走路になり、良い走りができなかった。他にS級で田中茂と桝崎陽介はマアマア通用していたが、滝下隼平はオープン戦に苦しんでいた様子。
外来S級は佐藤貴の他にも多く参戦。川口からは佐藤摩弥がS級として単独参戦。SGでは準決だけ8着になったが、それ以外の4走は全て車券に絡めていたように、エンジン自体は良さそうだった。中村友和はホロ苦いシリーズになってしまった。予選は順調にこなし、準決まで進出。しかし、ここでまさかのフライング。レース結果が2着だっただけに、悔いの残るSGになったのではないだろうか。悔しい思いをしたのは佐々木啓も一緒。絶好調で臨んだシリーズだったが、初日に被害があり落車。その影響があったのか2日目は6着で、早々と一般戦回りとなってしまった。それでもその後は3走して1着が2回あったので、エンジンの立て直しには成功している。
松尾啓史と岩崎亮一、鈴木宏和、笠木美孝はエンジン状態が優れない。今回は整備で上昇を図りたい。
直前に山陽で行われていたA級B級ツイントーナメントでは、各クラスで優勝した選手が来場。A級戦で優勝したのは田方秀和で、3日間をオール1着の完全優勝を果たしていた。B級では鈴木啓示がオール連対で優勝。この両者がS級陣に割って入るか。
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主な出場予定選手
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篠原 睦〔飯塚 S-10(26期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-16(23期)〕
田中 茂〔飯塚 S-25(26期)〕
佐藤 貴也〔浜松 S-5(29期)〕
中村 友和〔浜松 S-27(32期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-4(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-26(23期)〕