完全復調の平田雅崇が3節連続Vを狙う!
この開催の直前にSGが行われている関係で、今回はS級やA級上位の選手は不在。こういった開催では、誰が優勝するか分かりにくいものだが、今回はやや違う。絶好調男が参戦するからだ。その名は平田雅崇。
平田は4月8日の川口優勝戦で久々に優勝すると、その後に参戦した飯塚ミッドナイトでも優勝。この時は3日間全て1着の完全Vだった。これで今のところ2節連続V。エンジンも乗り手も絶好調な上に、今回もメンバー構成的にチャンスが広がるので3連続優勝も夢ではない。
他にも好調な選手は何人かいる。前走の地元浜松で準優勝を決めたのは辰巳裕樹。優勝戦は松山茂靖に勝ち切られてしまったが、乗りっぷりは悪くなかった。辰巳は3月にも地元で優出すると、そこからエンジンをある程度の位置で保てている。まだまだ成長の余地が大いにある若手なので、この後の走りにも期待したい。
辰巳が準優勝だったレースに乗っていたのは牧瀬嘉葵と鈴木啓示。牧瀬は優勝戦で7着だったが、予選と準決は共に1着と、気配は良かった。更にその前の川口でも優出し3着。連続で優勝戦に乗れている。鈴木啓はB級なのでハンデは軽く、0ハン単騎に置かれるようなら再び見せ場を作れる。
平塚雅樹と宍戸幸雄も前走の伊勢崎で優出してきた。平塚は初優勝がかかった大事なレースだったが、序盤から展開を作れず苦戦を強いられた。その時のリベンジとばかりに今回に気合を入れて臨んでくるか。宍戸は、スタートを含めてレース序盤に不安を残しているが、道中回り出すと渋太さを発揮できるタイプ。
平田が優勝した後の川口開催で優出していたのが早船歩と高石光将。早船は絶好の位置からのレースだったが、車の進み方は甘くて前を追い切れなかった。高石は平塚同様に初優勝がかかっていたが、2級車の吉川麻季を追い切れず後退。悔しいレースになってしまった。ただ、優勝戦では足りなかったが、普通の予選などでは十分な機力は出ているので初日から期待できる。
他でエンジンがマズマズなのは古木賢、西川頼臣、西村義正、石井大志など。古木は前走の地元で準決4着だったが、それ以外の3走は全て連対。古木も初優勝を目指して臨んできそうだ。西川と西村は前走が山陽GIだった。西川は1着こそなかったが、5走中4回は車券に絡む活躍を見せた。西村は1着2本を含む4回、車券に貢献していた。
新人は地元の3選手全て参戦予定。黒川京介はハンデを背負ってのレースが多くなり、悪戦苦闘中だが着実に底力を増していっている。飯塚からは稲原瑞穂と堂免沙弥が参加。なかなか初勝利を挙げられないでいた稲原は、前走の伊勢崎で後半2連勝。どちらも重走路でのレースだった。堂免はこれまで1勝。このレースも重走路だったので、そろそろ良走路でも結果を出したいところ。浜松からは金田悠伽が参戦。金田はこれまで10勝。晴れでも雨でも結果を出している。
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主な出場予定選手
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山際 真介〔川口 A-18(26期)〕
早船 歩〔川口 A-23(27期)〕
平田 雅崇〔川口 A-27(29期)〕
落合 淳〔伊勢崎 A-24(29期)〕
浅田 真吾〔浜松 A-29(27期)〕
平塚 雅樹〔浜松 A-35(31期)〕
辰巳 裕樹〔浜松 A-121(31期)〕
西村 義正〔山陽 A-151(17期)〕
佐藤貴也が悲願のSG初戴冠
予選、準決と良走路で行われてきたSGオールスターオートレースは、優勝戦も良走路での競争になった。この優勝戦を勝ち切ったのは浜松の佐藤貴也。トップスタートを決め、最後まで先頭を譲らない完璧な走りだった。
試走は青山周平と佐藤貴也が一番時計で30。次いで、浦田信輔と高橋貢が31、中村雅人と新井恵匠が32。岩崎亮一が33で篠原睦が34だった。
レースは先述のとおり、佐藤が先行。ここに序盤で篠原と高橋が続く形。4番手で青山が隙を窺っていた。中村は最後方からのレース。浦田と新井、岩崎も展開的に苦しくなる。佐藤は自分のコースを自分のペースで走る。篠原と高橋は佐藤に仕掛けるまで行かず、青山も行き場を失っている。最後方から中村が番手を上げていた。レース中盤は佐藤の後ろで激しい競り合いがおきていた。中村が一気に2番手に立とうとしたが、この差しは流れてしまう。新井も競り込んで来てたが、やや被害があり後退。なかなか見ごたえのある競争になったが、最終的には佐藤の押し切り。嬉しいSG初優勝になった。
佐藤はこれまで記念レースを獲ったことはあったが、SGとなると縁が遠かった。思い当たる原因はスピード。近年の佐藤は、大きいコースを走るのではなく、インを小回りする走り方が体に染み付いていた。走るコースが小さいと、自然とスピードは出ないモノ。ただ、そのコース取りでもスピードが出る走り方が徐々に身に付いてきた様子もあった。その結果が今回の栄光を引き寄せた感がある。ある意味、オートレースの常識を覆した走法。いろいろな選手が個性ある走りをするからこそ、オートレースの魅力は倍増する。今後も佐藤の活躍を願って止まない。