真のスピードキングは誰か!
浜松伝統のGI、第59回スピード王決定戦が始まる。今回は近況絶好調の選手が多く参戦し、ハイレベルのバトルが繰り広げられそう。地元は全国ランク1位の鈴木圭一郎が鎮座し、木村武之や金子大輔、佐藤貴也などの主力が脇を固める層の厚い布陣。対する外来勢は永井大介、浦田信輔、青山周平、荒尾聡などビックネームが名を連ねる。
鈴木圭一郎の近況は、成績こそイマイチだがエンジン面は悪くない状態。前走の山陽GIIでは、ただ一人スーパーハンデからのレースを強いられ、準決3着で優勝戦には進めなかったが、準決では試走27を出すなど車の方は問題なかった。今節は通常のハンデに戻るだろうからレース展開はグッと楽になる。当然、優勝候補の筆頭だ。
前回の浜松一般開催で完全Vを決めたのは木村武之。その前のSGでも優出しており、乗り手もエンジンも好調を維持できている。木村が優勝したレースに乗っていたのは伊藤信夫、青島正樹、松山茂靖、田中進、永井大介。木村を含めたこれら5者は、浜松連続参戦になるので、アドバンテージが大きい。
地元S級若手陣の中で、金子大輔、佐藤貴也、渡辺篤らもエンジン状態が良い。3者とも山陽のGIIで優出しており、金子に関しては優勝している。その後、金子は飯塚一般開催に参戦し、初日から3連勝で優出を決めた。優勝戦は降雪のため中止になったが、リズムは絶好調と言える。渡辺と佐藤もGII優出後なので、気持ち的には良い状態で今回に臨める。
金子と同様に、山陽のGIIで優出し、その後の飯塚でも優出していたのは伊勢崎の青山周平。青山は今年、1着こそ多くはないが、準決などの重要な場面でシッカリと結果を残し優出を重ねている。元々、底力はある選手なので、もうひと仕上がりができたら優勝争いにまで参加できるハズ。伊勢崎からは早川清太郎も参戦。前走の飯塚では初日から連勝を決めたが、準決では5着になり優出はならなかった。ただし、エンジン面はマズマズの状態にあると言えるだろう。
飯塚の荒尾聡が過去最高の仕上がりを見せている。昨年末のSGスーパースター王座決定戦を制すると、今年に入り最初のSG全日本選抜では準優勝。その後、地元開催で優勝し、更に前走に当たる地元4日間開催では3連勝で優出。優勝戦は降雪のためレースはなかったが、ここ一連の流れは最高だ。浜松だけはまだGIの優勝がないので、本人のリズムが良い今回は絶好の狙い時。飯塚と言えば長らくトップに君臨している浦田信輔。近況はやや迫力を欠いている。前走の地元でも2日目に反則失格をしてしまい失権。エンジン的に行ってないのか、無理な仕掛けが目立ってしまった。しかし、整備の鬼で有名な浦田なので、そこまで長くぐずつかせず、立て直してくるに違いない。飯塚は他に田中茂も戦える状態にある。
山陽勢は全体的に少しずつ調子を上げてきた印象。ランクトップの松尾啓史は、前走の飯塚一般開催で優出し3着。4日目シリーズで全て車券に絡む活躍を見せていた。丹村飛竜は、松尾とは違う飯塚一般開催に出場していた。2、3、1着で優出し、優勝戦は降雪で中止。徐々に調子が良くなっている。佐々木啓、岡部聡は浜松連続参戦。2人とも前走は優出していないが、3日間のシリーズで大きな着を取るレースはなく安定した動きを見せていた。角南一如も上々。飯塚で優出した後は、地元のGIIに補充参戦で3走した。3、1、1の競争成績で、スピードに乗った追い込みを見せていた。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
木村 武之〔浜松 S-10(26期)〕
金子 大輔〔浜松 S-48(29期)〕
永井 大介〔川口 S-2(25期)〕
早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-11(31期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-4(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-8(26期)〕
S級が少数でA級、B級にもチャンス十分!
今回の川口3日間開催は、S級が5選手だけで、参加するほとんどはA級とB級選手になる。普段はS級選手に優勝を持って行かれがちなA級以下の選手にとっては、ここぞとばかりに躍起になってくるか。
地元川口のS級は斎藤撤二、大木光、加賀谷建明の3者。いずれも今年は飯塚のSGと、前走の伊勢崎一般開催の2節を走っている。SGでは結果を出せなかった3人だが、その後の伊勢崎では初日、2日目で3者とも連対を果たしていた。3日目と最終日は降雪のため、競走はできなかったが、2日間の走りを見る限りは特に問題なさそうだった。斎藤は諦めない走りで後半伸びてくるタイプ、大木は混戦でも狭いインを突いて行けるタイプ、加賀谷は鋭いスタートから豪快な攻めを決めることができるタイプだ。
対する外来のS級は山陽から人見剛志と岡松忠。人見は前走の地元GII若獅子杯争奪戦で優出した。優勝戦は重走路で7着になってしまったが、予選準決の3走は全て1着。良走路では動きが良かった。昨年もこの時期は好結果を残しており、今年も活躍が期待できそう。岡松は前走が飯塚4日間開催だった。1着1本あるが、動き的には普通といったところ。ただし、今回のメンバーなら十分優出まで望めそうだ。
地元のA級上位は、元々S級だった選手も数多くいて選手層は厚い。後半追い込み型の中野憲人は、エンジンが安定している。前回川口開催で、弟子の黒川京介が同期一番乗りで初優勝を決めた。弟子の活躍に触発されて、師匠が好結果を残すこともよくあるオートレース界なので、今節は大活躍が予想される。黒岩明、早船歩、平田雅崇といったS級常連組も、今はA級にランクされているが、底力はS級に匹敵するモノを持っている。好調度で言えば山際真介や岩田裕臣が上か。前回の川口で優出している。山際は現在、連続優出中。スピードある走りができている。岩田もスタートは切れており、速攻気味に仕掛けて行きそう。
外来A級では山脇孝志に注目。前走の地元で準優勝だった。レースではもう少しで優勝できそうだったが、木村武之の猛追の前に惜しくも敗れてしまった。しかし、車の伸びは良く、特に独走に入れる展開なら要注意と言える。他では伊勢崎の鈴木聡太がエンジン堅調。最近は記念レースで走る事も多いが、シリーズ中に1本決めることができているし、シリーズを通して成績をまとめられている。
B級では、川原剛がエンジン好調維持。相馬康夫もツボに入ると大駆けを見せている。33期新人では伊勢崎の伊藤正真が好調。前走の地元4日間開催は、後半2日間は降雪で走れなかったが、初日と2日目は共に1着。地元川口の新人は、前節で優勝した黒川は今回練習参加。このところ泉田修佑が力を付けてきており、2度目の優出を目指している。
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主な出場予定選手
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斎藤 撤二〔川口 S-31(25期)〕
大木 光〔川口 S-38(28期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-44(27期)〕
人見 剛志〔山陽 S-7(28期)〕
岡松 忠〔山陽 S-41(17期)〕
中野 憲人〔川口 A-2(24期)〕
黒岩 明〔川口 A-7(26期)〕
鈴木 聡太〔伊勢崎 A-27(29期)〕