鈴木圭一郎が選手権連覇へ万全の仕上がり!
第49回SG日本選手権も優勝戦の日を迎えた。ここまで4日間、好天の下レースが行われ、準決でも激しいバトルが繰り広げられた。そんな厳しい勝ち上がりを抜けていった8人はそうそうたるメンバー。走りに特徴のある選手も優出しており、優勝戦は一筋縄ではいかないか。
準決で最も動きが目立ったのは鈴木圭一郎。7枠と不利な位置からのレースながら、好スタートを決めてしまった。その後もバイクの影を踏ませることなく独走で逃げ切った。最終レースでタイムが出やすい条件とは言え、上がり3.339は驚異的数字。3日目も同じ上がりタイムをマークしており、エンジンは完調の仕上がり。
次に、準決の動きが気になったのは木村武之。こちらも鈴木と同じ7枠からの発進だったが、スタートは5~6番手といった所。しかし、そこから怒涛の攻めを見せる。わずか1周で中団に割り込み2番手を奪取。そこからは、独走態勢を築いていた有吉辰也のインに軽々と入ってしまう。そのまま逃げ切りゴール。上がりタイム3.373は鈴木圭に遠く及ばないが、第9レースでの結果なので、それを考慮すれば立派な数字。最終の12レースだったらもっとタイムが出ていただろう。そして、タイム以上に走りに気迫を感じさせた。
そして、藤岡一樹。ここ数節、というより近年は以前のようなスピードで走れていなかった藤岡だが、この準決では完全復活。爆発的スタートからの圧倒的激走。これが今回の準決で戻ってきた。同期の金子大輔が2番手でピタリとマークしていたが、付け入る隙を与えなかった。通常の金子なら冷静に状況判断をして、捌くタイミングを逃さないものだが、そのタイミングが全くなかった。それだけ藤岡の走りがキレていた証拠。優勝戦でも同じスタート、そしてスピードで走れれば...。
最後に佐藤貴也。準決は5枠からトップスタートを決めた佐藤。よくあるSGの準決なら、先行した選手は大きなコースを走り、ペースを上げて後続を引き離しにかかるもの。しかし、今回の佐藤は1周目から小さいコースを通り、インを締め上げる走法を選んだ。もちろんペースは上がらなかったが、直後に付けていた山田達也は仕掛け所がなく追走一杯。その後ろにいた選手達も行き場を失い、番手を上げることはできなかった。結果的に佐藤はそのまま押し切りゴール。準決を1着で通過してみせた。上がり3.393は、他の準決の1着タイムから大きく数字を落としているが、レース内容は優勝戦を想定するときに簡単にはいかせない走りだった。
当ブログでの本命には鈴木圭を推す。準決では7枠からスタートを決めたように、今の鈴木は枠不問で猛ダッシュを炸裂させることができる。トップスタートを決めれば、日本一のスピードでそのまま逃げ切り。仮に2~4番手のスタートになっても10周戦を落ち着いて乗り切り、首位に浮上してきそうだ。スタート、スピード、捌き、乗り手のリズム、全てを取っても鈴木圭がナンバー1だ。
相手には木村を挙げる。木村はこれまで3回制したSGの中で、選手権は実に2回。他のSGよりも相性のいい大会と言える。更に今回は地元で気合の方もパンパンに高まっている。レース序盤で鈴木圭を抑え込める展開を作れれば、同大会3度目の制覇も見えてくる。それだけエンジン状態は良い。3番手は金子大輔。準決では藤岡に仕掛ける態勢を作れなかったが、こういう時の金子は必ずエンジンに上積みを図ってくる。整備巧者の金子は準決よりも良いエンジンを作ってくるだろう。次に中村雅人。準決は鈴木圭を追い詰めることができなかったが、その内訳には伊藤信夫の抵抗にあっていた点も上げられる。仮に、誰にも抵抗されず鈴木圭を追えていたら、ここまで差は広がらなかっただろう。舞台が大きくなるほど、力を出せるのが中村だ。最後に藤岡一樹。準決同様、一気のスタートを決めるようならSG初Vのチャンスはグッと近づく。
印は回らなかったが、佐藤貴の動きにも注意を払いたい。スタートの切れはよく、先頭に立ってしまうようだとレース展開が大きく変わってくる。準決のようにインをビッシリ抑えそうなので、後続は大渋滞ムード。悪い意味でツボにハマらず、冷静に対処できる選手に栄冠が待っている。逆に、誰も冷静に走れなくなってしまうと佐藤貴が、あれよあれよと、逃げ切ってしまうかもしれない。
◎鈴木圭一郎
○木村武之
△金子大輔
△中村雅人
▲藤岡一樹