鈴木圭一郎に対し地元飯塚勢が包囲網を形成!
今回出場する選手の中で最も注目なのは鈴木圭一郎。前回もここ飯塚でGIを走り、初日からオール1着の完全優勝を決めた。それから約一週間での一般開催だが、鈴木圭が連勝街道を驀進しそうだ。ただし、地元飯塚勢もそう簡単にはいかせない。総大将・浦田信輔を中心に鈴木圭に対抗心を燃やしそう。
先述の鈴木圭は、もはや近況の説明が不要なほど充実している。前走の飯塚GIは完全優勝。その前の地元SGでもシリーズ中、オール連対で日本選手権連覇を達成した。現在、8連勝中で試走も上がりタイムも驚異的な数値をマークし続けている。よほどの事がない限り優勝戦までは進出してくるハズ。そして、3節連続V達成に気合を入れ直してきそうだ。
対抗する地元勢は浦田信輔がランクトップだが、前走の地元GIではパッとしなかった。優勝戦まで進めなかったばかりか、5日間のシリーズで勝ち星が一つもなかった。ここ数節は優出を逃し続けているので、この辺でエンジンをしっかりと立て直し、巻き返しのシリーズにしたい。
近況の成績で言えば荒尾聡の方が上か。前走の地元GIではしっかり優出していた。ただし、優勝戦の動きを見る限りエンジンはあまり良くなさそうだった。武器となるスタート力を発揮して、どこまで鈴木圭に抵抗できるかどうか。荒尾が乗った優勝戦に他で乗っていたのは有吉辰也、越智尚寿の25期。有吉はシリーズ中に2勝を含む準優勝で幕を閉じた。スタートの切れは良いし、道中の動きも絶頂期のモノに近づきつつある。越智はハンデが厳しくなった準決でも、果敢な走りを見せていた。エンジン状態が良いのだろう。
篠原睦と岩見貴史は前走のGIでは、共に初日と2日目に白星を挙げている。後半は失速してしまったが、シリーズ前半に活躍する傾向があるので初日から狙ってみたい。田中茂や鐘ヶ江将平は、速攻タイプではないが、レース後半の追い込みが決まり出している。
鈴木圭の他に外来S級で好調なのは岡部聡。前走の川口では初日から連勝で優出した。優勝戦は得意の重走路だったが、力を出し切れず6着。ただし、予選中の良走路はいい動きを見せていた。人見剛志と丹村飛竜は前走の飯塚GIではイマイチだったが、エンジンさえ並になれば好走を披露できる選手。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
浦田 信輔〔飯塚 S-4(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-15(26期)〕
田中 茂〔飯塚 S-20(26期)〕
鈴木 圭一郎〔浜松 S-1(32期)〕
遠藤 誠〔浜松 S-36(25期)〕
人見 剛志〔山陽 S-7(28期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-18(29期)〕
そろそろ今年の初優勝が欲しい中村雅人だが...
年末の大一番、スーパースター王座決定戦までに残されている川口開催はあと3つ。今回出場する中でスーパースタートライアルに出場するのは中村雅人と松尾啓史。松尾は今年2回の優勝経験があるが、中村は未だ優勝はゼロ。今回はメンバー的にやや手薄なので、ここら辺で上昇気流に乗りたいところ。
その中村の前走は地元3日間開催。ここでは準優勝を含むオール連対の内容だった。優勝戦は重走路になり、必死の追い込みも虚しく2着止まりだった。ただし、準決の良走路では試走3・28をマークするなど、エンジンは徐々に上向き加減にある。最近では浜松のSG日本選手権で優出するなど、動きは活発になりつつある。年末の一大イベントへ向け、今節も含めギアを上げていきそう。
その中村を抑えて前回の川口で優勝したのが若井友和。優勝戦は得意の重走路で制し、今年3度目のV。その前の節は良走路の優勝戦で準優勝だった。試走タイムも3・27を出すなど、近況は天候に左右されない強さを発揮している。調子のいい今のうちの白星を固め取りし、連続優勝を狙ってくるに違いない。
この優勝戦には池田政和、増田伸一、森且行も乗っていた。池田は苦手の重走路の優勝戦で8着になってしまったが、準決では試走タイム3・27と申し分ない数字をマークしている。森もここ数節は気温の下降と共に、成績が上向いている。優出率が大幅にUPしている。増田も元々定評がある雨巧者に加えて、良走路でも結果を出してきている。この3者は今回も期待できる。
優勝戦までは進んでいないが、斎藤撤二や加賀谷建明らもエンジン状態は中の上にはあり、S級らしい追い込みを見せてくれそう。地元A級では高橋義弘や中山光あたりがスピード出てきているし、鈴木清が復調気配にある。また、五十嵐一夫が堅実な走りで結果を残している。
外来は先述の松尾啓史に注目。スーパースターへ向け、セッティングを掴んでおきたいのはもちろん、今回あたりで状態も上向かせたいところ。前走の浜松SGでは不本意な結果に終わったので、更に気持ちを高めるべく今回に臨んでくるハズだ。外来S級のもう一人は渡辺篤。今年は8月から9月にかけて好調が続いていたが、このところはやや失速。エンジンさえ出てくれば、結果を出せる選手なので試走タイムは注意して見ておきたい。
外来A級では山陽勢が元気。地元山陽で優出してきたのは松井大和。成績は安定しない傾向あるが、時折り見せる気合の入った差しには警戒。前走の飯塚ミッドナイトを連勝で終えている西村龍太郎は、この勢いをどこまで続けられるか。SGで通用する手応えを掴んだ緒方浩一も、これからの成長を見守りたい一人。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
中村 雅人〔川口 S-6(28期)〕
若井 友和〔川口 S-13(25期)〕
池田 政和〔川口 S-16(23期)〕
斎藤 撤二〔川口 S-31(25期)〕
森 且行〔川口 S-43(25期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-44(27期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-8(26期)〕
渡辺 篤〔浜松 S-30(31期)〕
高橋貢が存在感を示しそうなシリーズ!
今節はS級が8名のみと、やや寂しい布陣。その中でも好調な選手は少なく、高橋貢がシリーズリーダーになりそう。外来S級は3名だが金子大輔、中村友和の浜松勢が注目となるか。
高橋貢の前走は地元の3日間開催。しっかりと優勝戦まで進んだが結果は3着で、優勝は浜松の木村武之に持っていかれた。ただし、優勝戦の試走は木村と同じ3・27。展開的に厳しくなっただけで、エンジン面は全く心配なさそうだ。前回とそこまで気温の変化はなく、今回も安定感ある走りに期待できる。
外来で最も強力なのは金子大輔。前走は川口3日間開催で、こちらも優勝戦まで進み4着だった。この優勝戦は重走路で行われ、地元の若井が今年3度目の優勝を決めた。金子も健闘していたが、高橋貢同様に展開に苦しんだ形。予選中は試走3・29が出ていたので、エンジン面は悪くなさそう。落ち着いたレース運びで、今回も優勝戦まで進んできそうだ。
先述の中村友和も近況はメキメキと力を付けている。前走の川口では準決2着だったが、この節は1着のみが優出なので、優勝戦までは進めなかった。しかし、準決以外の2走は共に1着。初日の試走は脅威の3.25。今の気候やタイヤ、エンジンの条件でこの数字をマークできる選手はそういない。同期で全国一位の鈴木圭一郎でもそこまでの数字を出せるかどうか。アウトコース一本で豪快な捲り攻めが見られそう。
地元のS級は高橋貢以外に田村治郎、西原智昭、三浦康平、田中賢が参戦。西原は前走が飯塚ミッドナイト。準決4着で優出できなかったが、初日は白星を飾っておりエンジンはマズマズ。田村、三浦、田中賢の3者は前走が地元3日間開催。3者とも優出はしてないが、エンジン面は不安を感じさせるものではなかった。
その開催で優出してた地元A級は栗原俊介。成績はムラな傾向あるが、時折り見せる軽快な走りには注意が必要。ここ一番での勝負強さがあり、重走路もこなせる選手。渋いところでは別府末彦が地元で優出しての参戦。年齢的には大ベテランの域に入っているが、スタートの切れ味は全く衰えてない。更に先頭に立ってからの封じ込みは定評があり、技量のない選手は抜くのに苦労する。浜松の藤波直也も乗りっぷりが良くなっており注目の1車。タイムが出やすいこの時期の活躍が見込まれる。
B級では前走の地元で優出した西村健が上り調子。前走は最重ハンの30M前からの競争だったが、今回ハンデ変動には気を払いたい。最重ハンの20M前となると展開的には厳しくなろう。新人では田崎萌が試走3・40を出すなど一定の成長が見られる。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
高橋 貢〔伊勢崎 S-3(22期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-19(30期)〕
西原 智昭〔伊勢崎 S-24(28期)〕
三浦 康平〔伊勢崎 S-29(28期)〕
田中 賢〔伊勢崎 S-35(29期)〕
角南 一如〔山陽 S-32(27期)〕
中村 友和〔浜松 S-42(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-48(29期)〕
鈴木圭一郎が圧勝で完全Vを達成!
優勝戦の日の第1レースは、走路の一部がほんの少し濡れている状態だったが、徐々に乾き出し、優勝戦までには良走路になった。
試走タイム一番は1号車の浅香潤で3・28。次いで、鈴木圭一郎が30。越智尚寿、岩田裕臣、藤岡一樹、大木光、荒尾聡が31。有吉辰也が32でワーストだった。
10Mオープン戦のスタートは、3枠から岩田が飛び出した。これに有吉が乗って出るが、鈴木圭がすんなりパス。その後は鈴木圭が岩田を外から捲って行くと、後続を引き離す一方の独壇場。有吉は岩田を差し2番手奪取。荒尾や藤岡は序盤で好位を取れず後方のまま。試走タイム出た浅香は、スタート行けず見せ場を作れなかった。
それにしても鈴木圭は強かった。試走タイムは30で、正直物足りない感はあったが、結果的にはスタート一撃から速攻。持ち味のスピードをこれでもかと見せつけ、上がりタイムは脅威の3・336。更に今回の勝利でGI全場制覇も達成。記録を塗り替え続ける若手スターは、もうひとつ勲章を手にした。意外にもGIIでの優勝はまだないが、この強さならこれからいくらでも付いてくるだろう。レースを、オート界を盛り上げ続ける鈴木圭に、これからも目が離せない。
鈴木圭一郎が完全優勝に王手!
飯塚で行われている第61回GI開設記念レースも優勝戦の日を迎えた。予選3日間は好天の下、競争が行われたが、4日目は朝から降雨。準決も重走路でのレースとなった。その影響もあってか永井大介、浦田信輔、木村武之、青山周平らの実力者は準決で敗退。優勝戦には進めなかった。優勝戦の日は雨の予報はなく、レースは良走路で行われそう。
4日間の成績が最も良いのは鈴木圭一郎。ここまで負けなしの4連勝できている。良走路3走の試走タイムは全て3・26。上がりタイムも初日から強烈な数字をマークしており、エンジンも乗り手も絶好調と言える。準決の重走路も爆裂スタートからあっさりと抜け出しており、気力の面でも最高潮だ。
次に成績が良いのは岩田裕臣で、藤岡一樹と越智尚寿、有吉辰也がそれに続く。岩田はここまで3勝を挙げている。スタートの切れも良く、同ハンからトップスタートを切るケースが目立つ。藤岡と越智、有吉も2勝を挙げており、状態の良さが伝わってくる。ただし、越智の場合は準決前まではハンデが軽かった影響もあるので、その分は割り引きたい。
優勝戦のメンバーは、やや異色と言える。これなら鈴木圭の優勝確率は高そうだ。大外からでもカマシ気味に出て、1周バックストレッチでは好位に潜り込んできそう。今節の攻めの早さからみても、レース前半で先頭に立てる。仮に、序盤の仕掛けが決まらなくても、2周回延びるGI優勝戦なら落ち着いて番手を上げて行ける。つまり、展開を問わず鈴木圭のレースになりそう。
それを阻止する可能性がある一番手は荒尾聡。予選3日間は白星がなかったが、準決で持ち前の勝負強さを遺憾なく発揮した。良走路も2日目に試走3・28をたたき出しており、エンジン面はある程度の位置にある。スタートでどこまで行けるかが大きな焦点で、鈴木圭を張って出たいところ。できればトップスタートを切って、逃げ展開に持ち込みたい。
次に怖いのは藤岡と岩田。どちらもスタート巧者で、独走力もそれなりにある。藤岡は前走のSGでも優出しており、このところ動きが急上昇。良い時の走りが戻ってきており、先頭を走る展開になれば他の選手にとって脅威の存在になり得るだろう。岩田も今節は気合が違う。先日亡くなった元オートレーサー釜本憲司さんに成長した姿を見せる絶好の機会。
もちろん最内に入った浅香潤も先行できれば面白い存在になる。有吉もスタートさえ行ければ、抜かれづらい走りで見せ場を作れる。展開的にゴチャ付くようなら大木光の出番も出てくる。
◎鈴木圭一郎
○荒尾聡
△藤岡一樹
△岩田裕臣
▲有吉辰也