S級は地元VS山陽勢、それに斎藤撤二が参戦!
前回は雨中決戦を谷津圭治が制して幕を閉じた伊勢崎オート。今節も天候はあまり良くなさそうだが、どのようなシリーズになるのか。今回も王者・高橋貢は不在で、早川清太郎と青山周平が留守を任された形。
その早川も青山も前走では、雨の準決で力を出し切れず優勝戦まで進めなかった。今回の天候的に不安はあるが、同じような結果を何度も続けるほど底力は低くない。整備と練習を繰り返し、レースまでには万全の状態で臨んでくるだろう。もちろん晴れなら、エンジン自体は悪くなく本来の力が存分に発揮される。
地元のS級は他に田村治郎、田中賢、岩田行雄、吉原恭佑の4者。いずれも完調とは言えない状態だが、エンジンが大崩れしている訳ではない。予選道中は順当に突破し、優勝戦まで駒を進めてくる可能性は高い。
外来S級は5人の予定。川口から1車は斎藤撤二。前走の地元では初日から3連勝で優勝戦まで進んでいる。予選準決は全て重走路でシッカリ結果を残した。優勝戦は半乾きのブチ走路だったが、ここでは展開を作る事ができなかった。それでも永井大介や中村雅人らに先着しており、地力を付けてきている印象がある。25期と中堅の域に入りつつあるが、まだまだ成長が楽しみな選手。
他の4人は山陽から来場。ランクトップの佐々木啓は、前走の地元GIでは優勝戦まで進めなかったが、試走タイムが出ているようにエンジン自体はそう悪くない。そのGIで準優勝だった岩崎亮一は、その後の川口遠征では今イチだったが、やはりエンジン的にはマズマズの位置にあるとみていい。岩崎と同じく川口遠征だった角南一如は、2日目の不成立以外の3走で全て3着。車は戦える状態にはある。浜野淳は、やや不安残り。本来の走りができているとは言い難い。
A級では緒方浩一と矢野正剛が、前走の地元GIで優出と昇り調子。どちらもスピードが武器で、早めに抜け出せる展開になれば力を出せよう。若手では高宗良次が走力の上昇と共に成績も上向いている。ベテランでは梅内幹雄がレース道中の動きが良くなっている。前回の伊勢崎で優出した栗原勝測が、今回の天候的にも再び活躍が期待される。
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主な出場予定選手
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早川 清太郎〔伊勢崎 S-5(29期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-11(31期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-19(30期)〕
田中 賢〔伊勢崎 S-35(29期)〕
斎藤 撤二〔川口 S-31(25期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-21(23期)〕
岩崎 亮一〔山陽 S-25(25期)〕
角南 一如〔山陽 S-32(27期)〕
動き一変してる荒尾聡がシリーズの核!
前回は青山周平がスピードを見せつけて終えたミッドナイトレース。元々、遅い時間帯のレースに加え、気候的にも走路温度が急激に下がり、スピードが重要度を増す開催になる。今回はS級が6人参戦予定。その中でも荒尾聡の存在が突き抜けている。
その荒尾は前走の地元でエンジンを乗り換えた。これがまさに功を奏し、それまでのイマイチ感を払拭させる快走を見せた。準決では試走30を切るタイムをマークし、スピード面での大幅な良化が見られた。そして、結果的には準優勝で終えた。今回は更にタイムが出そうな時間帯でのレース。新エンジンを駆って、荒尾が躍動しそうだ。
地元S級は他に2車。田中茂と岩見貴史だ。田中の前走は荒尾と同じ地元開催。ここでは優勝戦まで進み6着の結果。優勝戦は重走路だったが、準決の良走路では最後方から追い込む田中らしい走りが見られた。今回もメンバー的に優出はノルマと言える状況。鋭い突っ込みを炸裂させ、中団の混戦を捌き上げて行きそうだ。岩見貴史もエンジンはマズマズ。前走の地元では優勝戦まで進めなかったが、エンジン的には悪くなかった。更にその前のミッドナイトレースではシッカリと優出しており、今回はミッドナイト連続優出を狙ってくる。
外来S級は佐藤裕二、加賀谷建明、岡松忠の3者。佐藤の前走は地元4日間開催だったが、連日の重走路で苦しんでいた。それでも最終日のブチ走路は、よい試走タイムを出し快勝。今回につながる白星となった。加賀谷の直近は、地元で補充参戦し2走した。どちらも得意の雨走路で圧勝。今回も重走路になれば、大きなコースを走って抜け出しそうだし、晴れでの動きも現況は悪くない。岡松も前走は川口だった。初日1着、2日目2着とマズマズの滑り出しだったが3日目からは失速。ただ、総体的には悪いとは言えないだろう。
A級では谷津圭治が地元の一般開催で優勝。谷津はこれで、今年2V。2回とも地元の重走路だ。このところ重走路での走りが冴えており、天候に左右されない強さがプラスされてきた。もちろん良走路でも正確な捌きで混戦を突破できる状態。その同期の東小野正道も同じ優勝戦に乗っていた。一時期は軽いスランプに入っていたが、8月に地元で優勝したあたりから明らかに良くなっている。
他では川口勢に注目。スピードある広瀬勝光、君和田裕二らが調子上がっている。B級では川原剛、相馬康夫、松永幸二の3者が独走力あるので、早めに先頭に立てるハンデ構成なら活躍できる。また、浜松の石田智之は以前の粘り強さが戻ってきた。インを抑えての残り目に警戒したい。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
田中 茂〔飯塚 S-20(26期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-45(29期)〕
佐藤 裕二〔川口 S-17(24期)〕
加賀谷 建明〔川口 S-44(27期)〕
岡松 忠〔山陽 S-41(17期)〕
中尾 貴志〔飯塚 A-12(31期)〕
田中 輝義〔飯塚 A-13(29期)〕
浅田真吾が嬉しい記念初優勝!
浜松のGIIウィナーズカップは、0ハンの浅田真吾がブッチ切りで快勝した。これまで5度優勝の経験がある浅田だが、記念タイトルとは無縁で、これが初めての記念制覇となった。
前日の天気予報通り、優勝戦の日は雨となった。走路もきれいに濡れており、完全な重走路だった。
好スタートを決めた浅田は、1周3コーナーから2周1コーナーにかけて、青木治親にインを狙われたが、更にそのインに入ろうとした西村龍太郎の攻めに青木がブレて失速。浅田が外から伸び返し、再び先頭を奪取した。その後はインコースをなぞるように丁寧に走り、青木を徐々に引き離していく。ゴールを迎えた時には大きなリードができていた。ずっと3番手で粘っていた五所淳だが、7周2コーナーの立ち上がりでややコースを外し、すぐ後ろにいた若井友和にインをすくわれてしまう。
浅田は選手生活17年目にしてタイトルホルダーになった。デビューしたての2級車の頃は、スタートが早くスピードもそれなりにあり将来を渇望された。1級車に乗ってからも着実に力を付けていたが、大舞台では結果を出せずにいた。ハンデ的にも最重ハンと、その10前を行ったり来たりの状態だった。しかし、その状態が今回は有利な方向に働いた。今の浜松で重走路の有利なコースはイン。そこを先取りできるハンデ構成は大きな味方になった。もちろん、それを生かした走りをシッカリこなした浅田は見事の一言。これを期に更なるレベルUPにつながる事を願う。