充実地元勢に外来勢が襲いかかる!
今回の山陽オートは3日間の短期決戦。地元S級陣が充実しており、その牙城を守るか。それとも、浦田信輔率いる強力飯塚勢が優勝を持っていくか。注目選手を挙げていく。
まずは地元勢から。ランク筆頭は前田淳。前走は伊勢崎の一般開催で優出し4着の内容だった。長期欠場から明けて数節走っているが、以前と変わらぬ活躍を見せている。素早いスタートからの一気攻めを見せてくれそうだ。同じ開催で同じく優出していたのは角南一如。こちらもエンジン状態はマズマズと言える。またその伊勢崎開催で、29期期別戦に出ていた藤岡一樹は連日スタートが切れていた。軽く入り込んでいたスランプも脱出傾向が見られる。本来のスピードに乗った走りが戻ってきている。松尾啓史は飯塚開催で走っていた。車は完全には仕上っていないものの、しっかり優出するあたりは流石だ。同じ開催で優出した人見剛志も、試走タイムが出ていたのでエンジンは良い。佐々木啓は良い状態とは言えないが、大崩れしているわけではなく整備によっては立て直せる状態。
外来勢で最も注目なのは浦田信輔。直前の地元開催でも準優勝している。晴れに関してのレースは全幅の信頼を置いてよいだろう。同門の田中茂もここ何節かはエンジン安定している。直前の浜松開催では、準決こそ3着で優出を逃したがそれ以外の日は全て1着。力強い走りが戻ってきている。竹谷隆はもう一息だが、戦える動きがないわけではない。阿部仁志は課題だったスタートが良くなったり悪くなったりとムラ傾向。かつて飯塚に所属し、今は川口所属の平田雅崇は前走が伊勢崎の29期期別戦。予選を戦って、しっかりファイナルの8人に入っていたので車の仕上がりはマズマズだ。
S級以外で気になるのは川口の加賀谷建明。このところエンジンの折り合いが良く、走路温度が下がりだすこの時期は特に大活躍が見込まれる。乗り手の方の感覚もだいぶ戻ってきており、スピード戦で見せ場を作るだろう。浜松の桜井厚志はここ何節もエンジンが好調。ハンデ位置も魅力で、攻めがもう少し積極的になれば、もっと結果を残せるだろう。伊勢崎の中村浩章も近況はマズマズの推移を見せている。インコースを外さずしっかり走れる点が魅力だ。飯塚の松尾学は地元で優勝とエンジンは良いが、その後の開催でハンデが重くなっている点は気がかり。
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主な出場予定選手
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前田 淳〔山陽 S-11(27期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-16(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-19(26期)〕
角南 一如〔山陽 S-23(27期)〕
藤岡 一樹〔山陽 S-32(29期)〕
浦田 信輔〔飯塚 S-5(23期)〕
田中 茂〔飯塚 S-8(26期)〕
平田 雅崇〔川口 S-36(29期)〕
青山周平が地元のGIオート祭を制す!
台風の接近により天候が心配されていた船橋最終日。前半戦は不安定な天候だったが、途中からは完全に雨が降り出し、レースも重走路での戦いになった。
優勝戦の試走タイム一番は青山周平の60。次いで、永井大介の63。他はそれほど差のないタイムだった。0ハンから飛び出したのは最内の武藤博臣。しかし、1周2コーナーでは鈴木一馬が武藤を捲って逃げ態勢を作った。ここから鈴木が大きなコース取りで軽快な逃げを見せ始めた。
10線は、好スタート切った青山が1周バックストレッチで武藤を差すと、鈴木を追う一番手になった。対照的な二人のコース取りだった。大きなコースを走って逃げる鈴木に、インコースをきっちり回る青山。中盤はなかなか差が詰まらなかった。しかし、終盤になると青山が少しずつ鈴木のインに顔を覗かせ始める。そうこうしているうちに、鈴木のコース取りがだんだん小さくなってきた。そして、7周3コーナーで青山が鈴木の外に付け、イン切り返す態勢を作る。4コーナーでは綺麗に鈴木のフトコロを取って捌いて行った。永井大介は木村武之を交わし追撃して行ったが、青山に追走するのが一杯の状態。追い及ばず3着止まりだった。
近況、大きな大会の優勝戦でミスが多かった青山だが、この優勝戦に関しては落ち着いて走れていた。道中、鈴木との差が詰まらず、焦り出してもおかしくない場面でも、自分のコースを我慢して乗って鈴木の隙を作り出すあたり、レーサーとしての成長が窺えた。この走りがSGでの大舞台でもできれば、SG初制覇も遠くはないだろう。
地元記念7連覇へ!永井大介が挑む!!
船橋のGⅠオート祭もついに優勝戦を迎えた。最重ハンの有力選手が何人か苦しみ、優勝戦は0ハンに3人、10線に5人のハンデ構成。どのような戦いが展開されるのか。
0ハン3車のスタート争いはほぼ互角の評価。枠の利で武藤博臣が先行するとみた。それに谷川一貴、鈴木一馬が続く形。本来、独走力ある武藤だが、エンジン的に大きなコースを走れずペースは上がらなそう。むしろ、準決で青山周平の追いを振り切った鈴木の方が、逃げたときはペース上がりそうだ。序盤の焦点は、鈴木が簡単に武藤を抜けるかどうか。武藤はおそらくインコースを抑え、簡単には抜かせないだろう。腕的には谷川の方が上なので、武藤を交わせるかもしれない。しかし、谷川では逃げペースにやや不安が残る。ということで、0ハンの誰かが逃げ切るケースは考えにくい。
10線は強豪揃い。スタート争いは最内の池田政和が飛び出すとみた。それに木村武之が続きそう。枠的には金子大輔が池田の一つ外だが、スタートの切れでは木村の方が上。池田、木村に永井も乗って行きそうだ。3日目、準決と良いアシを見せた池田なら、0ハンを交わして行けそう。それを、木村が先に交わすか、それとも永井が先に交わすか。地元開催なのと、今年に入ってからの勢いから言えば、永井を重視したい。0ハン交わす池田を、永井がマークから交わしてゴール。当ブログの本命には永井を推す。永井はここまで地元の記念は6連覇中。圧倒的な強さを見せている。今回は全国ランクナンバー1に返り咲いての大会なので、8号車でのレースになる点だけがやや気がかりだが、今の永井には多少の困難なら克服できるだけの自信がある。
永井を脅かす存在は先述の木村、それに若手成長株の青山。予選を全て1着、準決は2着で突破の青山だが、エンジンの仕上がりにはそれほどの手応えを感じていない様子。しかし、スタートは巧者なので、先行してしまえば何とかできるだけの実力はある。青山が永井に勝つには、スタート先行から常に先手の攻めができなくてはならない。道中でミスは許されず、次々と前団を交わさなければならない。それができた時は、永井の地元記念連覇を止められる。
今回の大会で久々に輝きを放っているのは池田。かつては永井がなかなか勝てなかった池田だが、近況の力関係は完全に逆転している。しかし、今回の動きに限って言えば、互角に戦えるだけの仕上がりにある。実際、3日目は池田が永井に先着している。池田が速攻で0ハンを交わし、大きなリードを作れればまさかの展開もありそう。金子は準決でしっかりエンジンを上向かせて優出したが、優勝戦で戦うにはやや不足。優勝戦までに整備で上積みできなければ厳しいレースになるだろう。
◎永井大介
○青山周平
△木村武之
△池田政和
▲鈴木一馬
船橋伝統のGI・オート祭が開幕!
毎年この時期に船橋で開催されるオート祭。以前はGI初優勝者が出ることが多かった。果たして今回その栄冠は誰の手に。地区別に有力選手を挙げていく。
所属選手が全国ランクのトップ3を占め、名実共に最強地区となった船橋。強力なリーダー永井大介が、今期からナンバー1レーサーに返り咲き、地元トップレーサー陣で強固な牙城を築いている。その永井の前走は地元開催だった。優勝戦では猛烈に追い込んでいたが、初優勝がかかっていた押田和也を僅かに捕らえることができなかった。それでも、その前の伊勢崎SGを制しているようにエンジン自体は好調。今回も中心選手になるだろう。
ナンバー2は中村雅人。ここ数節は腰痛のためレースの出場を控えていた。久しぶりのレースになる不安はあるが、地元開催なのでいろいろとやりやすさはある。ナンバー3になった青山周平は伊勢崎のSG以来。優勝戦では攻め誤って後退してしまったが、エンジン自体は高い位置でキープしている。片平巧は前走が地元開催。変則的な勝ち上がりで優勝戦までは行けなかったが、車の仕上がりは悪くなさそうだった。A級では、前回に初優勝を決めた押田和也や、その優勝戦で3着に食い込んだ鈴木一馬が、勢いそのままに参戦。
伊勢崎からの参戦でS級は高橋貢のみ。直前の地元開催ではしっかり優出していたので、いい形で今回に望めるハズ。船橋走路との相性も良いので、エンジン状態によっては優勝争いにまで加わってくる。A級では湯浅浩や鈴木清市が、このところエンジン好調。他ではスタートに不安ある田中哲だが、エンジンは上々で序盤の展開をうまくこなせば上位争いに参加できる。
川口はランクトップが若井友和。直前の地元開催では優勝戦まで進んだものの、優勝戦の日は台風の影響で中止になってしまった。エンジン自体は悪くないので、船橋走路にどこまで合わせられるかがカギ。その開催で落車してしまった佐藤裕二だが、その後の動きはマズマズ。山田達也もエンジン良化の兆しが出ていた。A級では斎藤撤二が元気。前々節の地元で準優勝すると、前節もソコソコの動きを示していた。また、展開次第にはなるが君和田裕二も調子を上げてきている。
飯塚からは荒尾聡、重富大輔、久門徹がS級として参戦。ランクトップは荒尾だが、前期の3位から大幅ダウンして21位になってしまった。今年の成績を見れば仕方のないことかもしれないが、元々は実力のある選手なので巻き返しに期待したい。近況で最も良いのは久門。前走の伊勢崎SGでは優出し4着。その前の地元の記念でも良い走りをしていた。爆発的スタートからの速攻に期待したい。
山陽で調子が良いのは岡部聡。前走の川口ではシッカリと優出し、3着に食い込んだ。調子の波が穏やかな方なので、今は狙える時期となる。混戦になりそうなレースなら、より積極的に狙いたい。浜野淳の動きも悪くない。前走のSGでは準決こそ7着になってしまったが、それ以外はマズマズ。近況は試走タイムが出なくてもレースで大駆けすることが多いので、試走タイムが悪くても気にしない方がいいか。岩崎亮一はSGで準決モレとなったが、残りの2日間は悪くなかった。
最後に浜松からは木村武之らが参戦。木村の前走は地元開催。しっかり優出したが、肝心の優勝戦は試走の後に雨が降ってしまい、重走路でのレースになった。それでも3着に入っていたので状況対応力の高さが窺えた。エンジンも良い状態なので、今回も活躍できそう。同じ優勝戦に乗っていた伊藤信夫は雨になってしまい苦しんでいた。しかし、予選、準決の良走路では良い走りをしていたので、良走路に関しては心配ないか。金子大輔は前走が伊勢崎で、29期期別戦で走っていた。同期の中でも一番の実績があるように、力強い走りを見せ、29期の代表になっていた。
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主な出場予定選手
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永井 大介〔船橋 S-1(25期)〕
中村 雅人〔船橋 S-2(28期)〕
青山 周平〔船橋 S-3(31期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-4(22期)〕
木村 武之〔浜松 S-6(26期)〕
浜野 淳〔山陽 S-13(24期)〕
若井 友和〔川口 S-18(25期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-21(27期)〕