準決は8個で、1着のみが優勝戦へ!
今回は直後にSGが控えている関係でS級選手は不在の3日間開催。2日目の準決は8個レースが組まれている。優勝戦へ進めるのは8人なので、各準決のレースで1着選手のみが優勝戦へ駒を進める。更に、今回の優勝戦は7周戦。いろいろ趣向を凝らしてのシリーズとなる。
気になる選手を地区ごとに挙げていく。まずは地元船橋から。
ランク筆頭は岩田行雄。今までの実績を考えれば、この直後のSGオートレースグランプリに出場していないのが不思議なくらいだ。近況はと言うと、前走が山陽のGIIだった。準決で5着になり優勝戦には進めなかったし機力的にももう一息だが、今回の大会ならソコソコ戦えそうだ。他に船橋には特徴ある選手が豊富。スピード面では鈴木慶太、佐久間健光、平塚雅樹、平川博康あたり。腕があるのは岩佐常義、牧野貴博。速攻が武器なのは深沢隆、佐々木敏夫、西村健。雨走路が巧いのは福田裕二、落合淳となる。
川口地区は秋田貴弘がランク筆頭。持ち味は大きめのコースを使っての捲り攻め。近況はエンジン状態も良いので、食い付く船橋走路で豪快な走りを見せてくれそう。同じタイプに石井大志がいる。こちらもスタートを含め序盤さえこなせれば、爆発的なスピードで捲り上げて行ける。
伊勢崎地区のランク筆頭は森村亮。近況のエンジン状態はソコソコ。課題だった捌きも少しずつ良くなっている。もちろんスピード面ではかなりのモノある。伊勢崎から来る選手で最も勢いがあるのは近藤裕保。前走の地元開催で優出している。追って行くレースより逃げる展開が得意なので、ハンデ位置が前の時は特に狙いだ。
浜松地区のランク筆頭は浅田真吾。しかし、近況はエンジンがイマイチ。本来の走りができていない。むしろ同期の岩科州の方が車自体は安定してるか。また、松山茂靖は前走で優出しているので流れは良い。試走タイムが出なくても結果を出せる貴重な選手。
飯塚地区からのA級選手は2人だけの予定。小里健太と高倉健吾だが、共にエンジン状態は良いとは言えない。特に、小里は今年8月に優勝してからはハンデが厳しくなり苦戦している。単独で逃げるような展開ならいいが、前に何人かいる展開では持ち味を出せにくい。
山陽地区からはA級選手が大挙参戦。ランク筆頭は穴見和正。近況の成績は平凡だが、船橋との相性は悪くないので初日から結果を出してくるか。山陽で最も勢いがあるのは小林啓二。前走の地元GIIで優出している。優勝戦は8着になってしまったが、記念で優出するだけでも好調な証拠。同じグループの池浦一博は、このところずっとハンデ的に恵まれている。本来の走りができれば、いつでも勝てるような位置からのスタートとなっている。他では、試走タイムが出なくても狙える森園数敏や安東久隆に注意を。
今回も新人2級車が何人か参戦するが、特に女子レーサーの近況を追う。片野利沙は今回地元なので走りやすいだろう。伊勢崎の藤本梨恵は雨走路では高い連対率を誇る。近況は良走路でも結果を出してきてる。浜松の岡谷美由紀も緩やかだが、しかし着実に成長中。コース取りがだいぶ安定してきている。川口の益春菜は、前々節で優出したように2級の女子レーサーの中で、最も初優勝に近い存在だ。
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主な出場予定選手
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岩田 行雄〔船橋 A-11(15期)〕
鈴木 慶太〔船橋 A-39(20期)〕
仲口 武志〔船橋 A-51(24期)〕
穴見 和正〔山陽 A-18(12期)〕
秋田 貴弘〔川口 A-37(23期)〕
浅田 真吾〔浜松 A-41(27期)〕
森村 亮〔伊勢崎 A-86(29期)〕
小里 健太〔飯塚 A-243(26期)〕
金子大輔が久々に栄冠掴む!
飯塚伝統のGIダイヤモンドレースは金子大輔が制した。
そのレースは波乱含みだった。まずは0ハン単騎の森本優佑が逃げ展開を作るかに見えたが、早い段階で地元の久門徹が交わしていった。そこへ、人気だった青山周平が仕掛けて行く形。これがややスムーズに行かず、展開が乱れてしまう。その隙を突いたのが金子大輔だった。レース展開を冷静に判断し、車を自由自在に操ってのゴール。
金子の強みは無駄に無理な攻めをせず、落ち着いたレース運びができるところ。普通の若手ならばチャンスがあれば、無理してでも攻めて行ってしまう傾向がある。しかし、そこは金子の違う所。確実にモノにできるところで、シッカリと判断力が働く。道中の走りで、常に心に余裕を持っているからこそできる技。スピード自体もかなりのモノがある金子なので、再びナンバー1に返り咲く可能性も十分ある。
活躍が目立ったのは久門。近況はエンジンが安定せず、成績もムラだったが、大事な戦いでしっかり仕上げてきた。不利がなかったら、展開もまたどうなっていたか分からない。本当に怖いレーサーとは、大舞台でしっかり実力を出せる選手だと再認識させられた。
今回の優勝戦でハンデが重くなってレースにも響いてしまった若手勢も、これからの成長の仕方によってはオートレース界の代表選手となれるべくポテンシャルを秘めているので、日々精進していってもらいたい。
8周戦なら青山周平の追い込み届く!
準決では軽ハンの頑張りが目立ち、GIの優勝戦にしてはやや異色のメンバーとなった。0ハンにスピードある選手がいるので、追い込み勢も楽なレースにはならない。優勝戦を占うべく準決の様子を簡単に振り返る。
9R...栗原勝測が抑え役になり0ハンの中原誠が大逃げを打ったが、好スタートを決めた篠原睦が捕え、8枠の金子大輔も意地を見せて2着に食い込んだ。
10R...逃げる井上智詞を山田真弘が捕えるも、30線からダッシュを決めた久門徹が差し込む。8枠の荒尾聡は道中の伸びを欠き凡走。早川清太郎も猛追を見せたが3着止まりだった。
11R...今シリーズ好調をキープしていた森本優佑が逃げ切る。石井大輔が離れて追走し粘っていたが、青山周平が気合一本で追い込み2着に入った。
12R...0ハン先行の中尾貴志が逃げ切る。桝崎陽介が渡辺篤を交わして中尾を追いかけるが、滝下隼平が逆転して優出を決めた。浦田信輔は追い込み見せたが届かず4着だった。
優勝戦のカギはズバリ若手勢。森本や中尾など独走でスピードある選手がどこまでペースを上げられるか。10線外枠勢が道中で激しく競り合う展開になると、そのまま逃げ切りもありそう。特に森本は今シリーズ絶好調。課題に挙げられていたスタートも、問題なくこなしている。中尾もエンジンの仕上がりは良い。この両者でハイペースになりそう。
それでも当ブログの本命には青山を挙げる。準決も厳しい展開ながら2着に食い込んだ。それもゴール前では1着だった森本との差がほとんどない状態だった。エンジンの仕上がりは悪くないし、優勝戦は8周戦になることを考えれば十分首位まで浮上できる算段だ。準決とは違って、同ハンに強力な選手が並んでいるが全国ランクナンバー1の実力を見せて攻略してきそう。
相手候補には篠原と金子を挙げる。篠原は今シリーズ気合が入りまくっている。エンジンが良いのはもちろんだが、それ以上の気迫を感じる。どんな位置でもスタートを決める可能性があるし、そうでなくても前団が態勢を作る前に抜け出すケースもある。金子は追い込み型なので、周回が2つ延びるのは好材料。本来の捌きも決まってきている。
他では青山と同期の森本と中尾が怖い。理由は今節の勢いの良さ。まだまだ若手の31期生は、成長の加速度が凄まじい。内容のあるレースをすると一戦毎に急激に成長する。今シリーズの走りは、本人の自信に相当に繋がったことだろう。後続の競り合い次第では、突然の金星もありそうだ。ただし、ハンデが重くなったのは不安材料。スタートを相当頑張らないといけない。
◎青山周平
○金子大輔
△篠原睦
△森本優佑
▲中尾貴志