
牝馬限定の重賞として新設された徽軫(ことじ)賞。2004年までアラブの重賞として平仮名の『ことじ賞』が行われていたが、知らなければほとんど読めないであろう漢字を使ったのは、そのアラブの重賞と区別するためだろうか。徽軫灯籠(ことじとうろう)は、兼六園のシンボル的な存在。実際に写真などを見れば、ああ、あれか、と思う人も多いはず。2カ月後に同じ距離の読売レディス杯が行われるので、その前哨戦的な位置づけといえそうだ。
ミスアンナは船橋から移籍して4戦目の前走で金沢初勝利。とはいえそれまでの3戦も好走していて、先着されたのはすべて重賞クラスの牡馬。金沢では牝馬にはまだ先着されていない。新天地での活躍が期待できそうだ。
エグジビッツは昨年のホッカイドウ競馬のシーズン終了後に転入。4戦目の前走、グルームアイランドの2着で、あらためて能力を示した。6日笠松の飛山濃水杯に遠征というプランもあったようだが、地元のここを狙ってきた。
2、3歳時に世代トップクラスの強さを見せていたヤマミダンスだが、今回、はじめて吉原寛人騎手に鞍上が巡ってきた。2走前の金沢スプリングカップではナガラオリオンの3着に好走。それを挟んで、3走前と前走ではエグジビッツとの対戦で1勝1敗。
本命にしたミスアンナは、エグジビッツ、ヤマミダンスとは金沢では初対戦で、この3頭の勝負はどうころんでもおかしくない。ミスアンナが2頭より1キロ重い56キロというのがどうだろう。
フジノナデシコはB級の準重賞を勝っての格上挑戦。フェイマスラブは3走前にA1特別を勝ったが、ここ2戦がいまひとつ。巻き返しなるかどうか。5連勝のあと騎手交流戦で3着に負けたエイシンリンリンも再度の期待。
◎7ミスアンナ
○6エグジビッツ
▲3ヤマミダンス
△9フジノナデシコ
△8フェイマスラブ
△5エイシンリンリン
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スプリングカップでアンタエウスの2着に敗れたゴールドリングだが、その後の2戦、若草賞、東海クイーンカップが、牝馬同士の対戦とはいえ、それぞれ7馬身差、6馬身差と圧巻のレースぶり。ここにきての急成長がうかがえる。その後はのじぎく賞(5月16日・園田)というプランもあったが出走せず、ここに狙いを絞ってきたようだ。目下、グランダム・ジャパン3歳シーズンでトップに立っていて、翌日の関東オークスJpnIIに出走すれば優勝できる可能性もあるが、3ポイント差で2位のトーセンガーネットが相手では分が悪いと見たかどうか。とにかくここに出走してきたからにはエムエスクイーン相手にも勝算があるのだろう。
エムエスクイーンは、1月の梅桜賞以来の出走となった駿蹄賞を快勝してデビューから無傷の10連勝。その駿蹄賞で2馬身差2着に食い下がったサウスグラストップが戦線離脱したためライバルが1頭減った。この馬の潜在能力か、それともゴールドリングの成長度か。いずれにしても牝馬同士の争いとなりそう。
駿蹄賞でエムエスクイーンに5馬身差をつけれられて3着だったのがアンタエウス。駿蹄賞では大差で5着だったフォアフロントは、ぎふ清流カップでアンタエウス相手に快勝した。この2頭が連下を争うことになりそう。
中央未勝利から転入して4連勝中のマコトネネキリマル、前走3歳特別戦を圧勝したアビゲイルらは馬券圏内まであるかどうか。
◎3ゴールドリング
○1エムエスクイーン
▲8フォアフロント
△10アンタエウス
△7マコトネネキリマル
△5アビゲイル
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中央未勝利から転入して目下10連勝中という地元佐賀のハッピーハッピーが注目となりそうだ。1400でも1800メートルでもここまで楽勝続き。ただB級特別までという経験で、他地区から遠征のオープンクラスの牝馬と対戦してどうだろう。
中心は兵庫のエイシンミノアカとした。中央在籍時は最後に盛岡の条件交流戦を勝利し、格付的には準オープンに昇級しての兵庫移籍。園田では3戦して勝ち星がないとはいえ、2走前の六甲盃では牡馬でも兵庫でトップクラスのタガノゴールドにコンマ4秒差で3着。かつて芝では短距離も使われていたことから、コーナーを4つ回る1400メートルなら対応できると見る。
大井のステップオブダンスは昨年もグランダム・ジャパン古馬シーズンに参戦し、園田と水沢でともに2着。その後も南関東の重賞では掲示板まで。地の利と、まだ底を見せていないレースぶりから地元のハッピーハッピーを上位にとった。
この3頭の勝負は、やってみないとわからないというのが正直なところ。
以下は、上記3頭のいずれかが崩れたときの連下候補。B級特別で常に上位争いのイケノアサ、マイメン。昨年読売レディス杯勝ちがあり大井から転入初戦のエースウィズ。
◎1エイシンミノアカ
○9ハッピーハッピー
▲11ステップオブダンス
△3イケノアサ
△6マイメン
△8エースウィズ
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ダービーシリーズの前身、ダービーウイークがスタートした2006年からダイヤモンドカップが"岩手ダービー"として行われてきたが、今シーズンからそのダイヤモンドカップは8月に移行し、不来方賞の前哨戦という位置づけとなった。そしてかつては東北3県の交流として行われていた東北優駿が"岩手ダービー"として復活となった。
今季ここまでの3歳戦線を振り返ると、スプリングカップではパンプキンズが逃げ切り、グレートアラカーは3/4馬身まで迫って2着。3着には9馬身差をつけた。続く1900メートルのやまびこ賞は、逃げたパンプキンズをグレートアラカーが3コーナーでとらえると2頭の一騎打ちとなり、直線ではグレートアラカーが突き放し、パンプキンズは7馬身差2着。3着にはさらに7馬身差がついた。牡馬ではこの2頭の実力が抜けている。そして牝馬ではエムワンピーコがデビュー2戦目から6連勝中と底を見せていない。その中には、2歳時とはいえパンプキンズを負かした一戦もある。
この3頭の勝負となりそうだが、距離延長のやまびこ賞で圧倒的なレースを見せたグレートアラカーがここでも最有力と見る。
エムワンピーコも前走初めての1600メートル戦で、直線だけで2着に5馬身差をつける圧勝。ただ今回はそこからさらに400メートルの距離延長ということで、パンプキンズを2番手にとった。
上記3頭には差をつけられて負けているものの、いずれかが崩れたときに馬券圏内の可能性として、サンエイムサシ、リュウノボサノバを挙げておく。
◎8グレートアラカー
○4パンプキンズ
▲10エムワンピーコ
△5サンエイムサシ
△3リュウノボサノバ
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フルゲート16頭が揃ったが地元勢はどうにも厳しそうで、中央4頭と大井のショコラブラン、5頭の争いとなりそう。
なかでも大井から遠征してここを狙ってきたショコラブランに期待する。一昨年のこのレースが、のちにJBCスプリントを制するニシケンモノノフの2着。その時が不良馬場で、今年も前日に雨予報が出ていて渋った馬場はこの馬にはプラスになりそう。やはり水の浮く不良馬場だった前走東京盃でも、着順こそ4着だが、勝ったキタサンミカヅキからコンマ2秒差。大井移籍後初勝利が重賞初制覇となるかどうか。
ヤマニンアンプリメは、黒船賞JpnIII、かきつばた記念JpnIIIともに2着で、重賞タイトルにも手が届きそう。引き続き54キロを生かした競馬ができればチャンスはある。
逆に斤量的に厳しそうなのが58キロを背負うシュウジ。ただダートに転向して2戦のレースぶりは評価できる。
ノボバカラは地元の阿部龍騎手の起用でどんなレースを見せるか。3年前のこのレースでは桑村真明騎手の手綱でダノンレジェンド相手にわずかハナ差及ばず惜しい2着。前走久々に勝利を挙げた勢いもありそう。
タテヤマは2走前の千葉ステークスがシュウジの4着で、前走天王山Sでオープン初勝利。これまでと同じ右回りの1200メートルだけに、地方初参戦でも能力を発揮しそう。
地元勢ではメイショウアイアンが今季2戦目の上積みがあってどこまでやれるか。
◎10ショコラブラン
○12ヤマニンアンプリメ
▲5シュウジ
△3ノボバカラ
△14タテヤマ
△16メイショウアイアン
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