東海地区の3歳戦線前半は例年牝馬の活躍が目立つことが多く、このレースも過去5年で牝馬が3勝を挙げている。今年も出走頭数からして牝馬のほうが多く、10頭立ての6頭が牝馬となっている。
なかでも近走の充実ぶりが際立っているのが笠松のニュータウンガール。11月のラブミーチャン記念では2着に敗れたものの、その後は4連勝。前走スプリングカップでは控えて馬群の中に入れ、4コーナー手前で外に持ち出すと抜け出すのはあっという間。2着のジェネラルエリアには1馬身半差だが、着差以上の完勝で、3着馬はさらに5馬身離れた。その後は東海ダービーを目標に、間隔をあけて臨む前哨戦。もし勝てば、このレースで笠松所属馬の勝利は2013年のゴールドブラザー以来7年ぶり。そのときの鞍上も佐藤友則騎手だった。
あらためての挑戦はエムエスオープン。梅桜賞、スプリングカップはニュータウンガールの3着だったが、ニュータウンガール不在となった中京ペガスターカップは、好位から4コーナーで前をとらえると、あっという間に突き放しての圧勝。あらためて能力の高さを見せた。ところが4月10日に出走したレースが、スタートを切ったあとに不成立。その反動がないかどうか。またスプリングカップから手綱をとっている村上弘樹騎手が4月24日に疾病のため乗替りとなって休養中。今回は山田祥雄騎手が初騎乗となってどうか。
新緑賞を逃げ切ったエイシンハルニレは、同じく前走を逃げ切っているマイネルドゥマンとの兼ね合いがどうか。
ファーストカムは重賞初挑戦だった東海クイーンカップは7番人気ながら、勝ったビックバレリーナに唯一食い下がって2着。
マイネルドゥマンは中央未勝利から転入後、ここまで8戦してすべて3着以内。今回が重賞初挑戦で一線級相手にどこまでやれるか。
◎8ニュータウンガール
○6エムエスオープン
▲7エイシンハルニレ
△10ファーストカム
△5マイネルドゥマン
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コロナの影響はあるのだろう、他地区からの遠征が、ともに重賞タイトルがない兵庫のマイフォルテ、船橋のキャッスルクラウンの2頭だけ。昨年は1着1000万円、今年はさらに1200万円に増額されたが、例年に比べるとやや低調なメンバーとなった。
しばらく勝ち星から遠ざかっていたマイフォルテだが、昨年後半を休養したあと、年明け3連勝のパフォーマンスがすばらしい。昨年まで兵庫の古馬重賞では掲示板すらなかったが、ここ2戦では、古馬重賞で上位争いの経験があるマコトタリスマンを差し切っている。しかも他馬が仕掛けてから一呼吸置いての追い出しで差し切るというレースぶりは、いかにも長距離戦に向いている。今回、逃げ馬不在のメンバー構成だが、場合によってはこの馬が逃げて、後続勢が先に仕掛けるのを待ってから勝負に行くという展開もあるのではないか。
相手はまだ底を見せていないマコトネネキリマル。古馬一線級との対戦は名古屋大賞典JpnIII(6着)のみだが、その前のA2特別は楽勝、前走マグノリアオープンでは2着だったが、勝ち馬は典型的な人気薄の逃げ切りだった。能力的には間違いなく重賞級。経験の少ない距離に不安はあるが、父マコトスパルビエロは名古屋グランプリJpnIIを勝っているだけに血統的にはこなしてもおかしくない。
ニューホープは3歳ながら大晦日の東海ゴールドカップを制し、前走マーチカップではゴール前の混戦から抜け出した。ただ、東海ゴールドカップはメンバーに恵まれた感じで、マーチカップは先行勢総崩れの乱ペースという展開に恵まれた。とはいえ1900〜2000mのレースぶりを見ていると、距離延長はプラスになりそう。
船橋のキャッスルクラウンは昨年の東京記念で5着という結果もあるが、それも勝ち馬からは差があり、特にここ3戦は後方まま見せ場なくレースぶりがよくない。
アリオンダンスはニューホープが制したマーチカップで接戦の3着。前述のとおりの乱ペースで評価は難しい。
◎4マイフォルテ
○9マコトネネキリマル
▲10ニューホープ
△11キャッスルクラウン
△6アリオンダンス
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中央1勝クラスを勝ったあと転入したファストフラッシュは、金沢初戦となった休み明けの前走を逃げ切り勝ち。3コーナー手前で後続に迫られたものの、4コーナーから直線で再び差を広げた。タンクティーエー相手に快勝という内容なら、金沢の重賞戦線で中心的な存在になるかもしれない。
中日杯を5馬身差で圧勝したティモシーブルーは、遠征や他地区の有力勢相手となると分が悪いが、地元金沢同士ならまだ底を見せていない。冬休み明け初戦の前走もゴール前接戦でなんとか勝ったが、そこを使われての上積みは期待できそう。
タンクティーエーの前走は、逃げたファストフラッシュをみずからつかまえにいかなければならず、後続にもマークされてという展開的に厳しい競馬だった。金沢では古馬重賞初挑戦で、ここが試金石となりそう。
グルームアイランドの前走は、ゴール前一気に迫ったが、惜しくもティモシーブルーにアタマ差届かず2着。前3頭が競り合うという展開に恵まれた感じがあった。昨年末の中日杯でも2着だったが、勝ったティモシーブルーから5馬身差。ここは連下争いまで。
トライアルを勝ったエムザックヒーロー、中央から転入後のA2特別で善戦のコチョウジュニアらは、上記4頭との比較では一枚落ちる。展開の助けなどで馬券圏内があるかどうか。
◎7ファストフラッシュ
○11ティモシーブルー
▲9タンクティーエー
△3グルームアイランド
△8エムザックヒーロー
△6コチョウジュニア
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夏の時期は毎年休養しているキングプライドだが、春のこの時期は絶好調。このレースで一昨年に勝利し、昨年2着というだけでなく、2015年の3歳時以降、4月5月だけの成績をみると、15戦13勝、2着2回とほぼ完璧な成績。2度の2着は昨年で、そういう意味では年齢的な衰えはあるのかもしれない。ただ今年もはがくれ大賞典では4頭接戦の2着争いに1馬身半差をつけての完勝。2着は3連覇を狙ったエイシンニシパだった。今回も相手は強力だが連軸という意味での本命。
ウノピアットブリオはC級から8連勝で重賞初挑戦となった中島記念を制し、佐賀の頂点に立った。佐賀記念JpnIIIはさすがに相手が強く、前走志布志湾賞は着差はそれほどなかったがまずは完勝。雲仙岳賞でキングプライドを負かしているが、そのときのキングプライドとは違うだけに楽観視はできない。
グレイトパールは佐賀記念JpnIIIこそ地元最先着の6着だったが、昨年末の中島記念が6馬身差をつけられての2着、前走はがくれ大賞典が5着と案外だった。脚元の状態次第ということはあるのだろうが、万全の状態なら圧勝まであっておかしくない。ここまで3頭の勝負と見る。
オヤコダカは、このメンバーに入ると1800メートルは微妙に距離が長いように思う。
はがくれ大賞典で接戦の2着争いに加わって4着だったスウィフトハートは連下争いに加われるかどうか。
◎5キングプライド
○10ウノピアットブリオ
▲7グレイトパール
△9オヤコダカ
△8スウィフトハート
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グランダム・ジャパン3歳シーズンの一戦ということもあり、他地区から4頭の遠征があるが、コロナ感染リスクのためなのだろう、いずれも岩手所属騎手が手綱をとる。
ボンボンショコラは中央2戦1勝という成績で浦和に移籍すると、ユングフラウ賞、桜花賞では、ともにスタートからハナに立って直線を向いても先頭で、それほどバテることなくともに4着。南関東でも十分に勝負になりそうだが、距離適性面を考えてか、それともグランダム・ジャパンを狙うのか、ここに遠征してきた。輸送と初めての右回りがカギとなりそうだが、今回のメンバーに入ればパフォーマンスは抜けている。
レッドカードは門別のブロッサムカップが2着で、北海道在籍のまま川崎の特別戦に遠征し、5着、4着。とはいえそれぞれ勝ち馬は、その後に浦和・ニューイヤーカップで大差圧勝のグリーンロードと、雲取賞を制したゴールドホイヤー。ということを考えると、川崎での2度の敗戦もマイナスにはならない。3カ月半ぶりの実戦だが、成長があれば勝ち負けまで期待できそう。
ボルドーリブロンは北海道デビューで浦和を経由して前走あやめ賞が岩手転入初戦。そのあやめ賞では1番人気に支持されるも、スタートでダッシュがつかず中団からとなってなんとか4着という結果。とはいえ浦和の3歳特別勝ちという実力なら見直す必要はある。
グランダム・ジャパン狙いのミステリーベルンは前走、名古屋の若草賞が2着。勝ったステラモナークは別格として、それ以外の相手との比較で今回はメンバーのレベルがかなり上った。
あやめ賞を勝ったアンズビジンはこのメンバーに入ってどこまでやれるか。
◎10ボンボンショコラ
○6レッドカード
▲9ボルドーリブロン
△8ミステリーベルン
△12アンズビジン
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