NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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8頭立ての少頭数で、地元からはわずか3頭の出走。というのは、やはりイグナイターの存在だろうか。一方で昨年ワンツーだった高知からは3頭が遠征してきた。
昨年NARグランプリ年度代表馬となったイグナイターにとって残された目標はGI/JpnIのタイトル。かしわ記念JpnIは7着だったが、JpnIIのさきたま杯を制し、あらためて能力の高さを見せた。昨年はJpnIIIで2勝、今年はJpnIIへとステップアップした。年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIはおそらくハンデを背負わされることで、地元園田での出走はこれが最後になるかもしれないと言われている。負けられない一戦だ。
高知のアポロティアモは、中央から転入した昨年から今年1月まで重賞では苦戦が続いたが、3月の御厨人窟賞でクビ差2着に入ると、5月以降は重賞3勝を含め、目下5連勝と覚醒した。中央の平地では3勝クラスで頭打ちという成績だったが、ここに来ての好調で中央在籍時以上の能力発揮ということであれば、イグナイターに食い下がる場面もあるかもしれない。
昨年7番人気でこのレースを逃げ切ったのがダノンジャスティス。園田コースではほかにも園田FCスプリントで2着1回、3着2回があるという相性のいいコース。ダノングリスターとの兼ね合いもあるが、マイペースの逃げに持ち込めたときにどこまで粘れるか。
ほかには中央オープンから今年高知に移籍したダノングリスター、地元兵庫のプレイヤーズハイにも馬券圏内に食い込む余地はありそう。
◎6イグナイター
◯2アポロティアモ
▲5ダノンジャスティス
△1ダノングリスター
△8プレイヤーズハイ
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西日本の6競馬場で持ち回りの西日本ダービーは、昨年の園田から2周目に入り、佐賀も6年ぶり2度めの開催。今回、ダービー馬は石川ダービーのショウガタップリだけだが、東海ダービー2着のツミキヒトツ、兵庫ダービー3着のグロリアドーロなど上位馬が遠征。地元ダービー馬テクノゴールドは中央デビューのため出走資格がなく、九州ダービー栄城賞6着のあとロータスクラウン賞2着のミヤノウッドリー、同4着のアストライオスが参戦となった。
交流戦だけに能力比較が難しいが、兵庫のグロリアドーロを中心とした。園田デビューでこれまで馬券圏内を外しのは2回だけ。菊水賞は5着だが、勝ったベラジオソノダラブからコンマ8秒差。3着だった兵庫ダービーは、後方2番手から追走となっての向正面からのロングスパートで、直線は2着ベラジオソノダラブと同じような脚色で伸びていた。7日の園田オータムトロフィーを制したスマイルミーシャ、前述ベラジオソノダラブの兵庫2強に次ぐ実力なら勝負になりそう。
金沢11戦全勝のショウガタップリは、初遠征となった黒潮盃では、1、2着馬とそれほど離れてはいない先団のうしろを追走し、直線でも大きくバテることなく6着。初めての遠征が南関東で一線級相手での結果なら、悲観する内容ではない。今度は佐賀への長距離輸送となるが、ほかにダービー馬がいないというメンバーならあっさりという場面もありそう。
ミヤノウッドリーは佐賀デビュー馬として2歳時から期待されたが、3歳になって重賞は2着2回、3着2回と勝ちきれず。佐賀皐月賞3着、九州ダービー栄城賞6着からのロータスクラウン賞2着は秋になっての上昇がうかがえる。
東海ダービー2着だったツミキヒトツだが、2番手3番手の有力馬がセブンカラーズに勝負にいって失速するなど展開に恵まれた面はあった。ただ前走笠松プリンシパルカップを勝っての参戦だけに、夏を越しての上昇はありそう。
高知のグラティアスグーは、3歳の重賞・準重賞で上位争いの実力。しかしながら1900メートルの高知優駿が10着だっただけに、今回さらに距離延長の2000メートルでどうか。
地元アストライオスは3歳になっての重賞では、前走ロータスクラウン賞の4着が最高の成績で、今回は地の利で馬券圏内まであるかどうか。
◎8グロリアドーロ
○10ショウガタップリ
▲12ミヤノウッドリー
△2ツミキヒトツ
△4グラティアスグー
△5アストライオス
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このレース連覇のかかる牝馬ゴールデンヒーラーに注目の一戦だが、今シーズンはシアンモア記念、一條記念みちのく大賞典ともにまさかの掲示板外と順調さを欠いていただけにどうだろう。ここは休み明けでも転入初戦のミラバーグマンを狙ってみたい。一昨年の年末には東京シンデレラマイル4着好走があり、昨年秋には東京シンデレラマイル・トライアルで2着。年明けに大井で1戦して以来の実戦となるが、大井B1B2で上位争いという実績なら勝負になってもおかしくない。
ゴールデンヒーラーは前述のとおり、デビュー以来初めて地元同士で掲示板内を外すこと2戦。それでもその後、牝馬同士のフェアリーカップを9馬身差で圧勝してみせた。果たしてその状態が気になるところ。
マイネルアンファンもミラバーグマンと同じ大井B1B2特別で掲示板の好走があっての転入。岩手ではB1から順調にクラスを上げ、前走A一組特別でハナ差2着の好走。ゴールデンヒーラーの走り次第では勝ち負けまで期待できる。
高知から転入したリュウノゾロは、前走A三組特別を逃げ切り9馬身差圧勝。相手強化の一戦だが、5頭立てなら上位争いのチャンスはありそう。
◎4ミラバーグマン
○3ゴールデンヒーラー
▲2マイネルアンファン
△1リュウノゾロ
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9頭立ての少頭数ではあるが、二冠を分け合った2頭に加え、別路線組や春以降の上り馬もいたりして、必ずしも2強の一騎打ちではなさそうな感じ。
ただ能力面では春の実績馬を評価しないわけにはいかない。ここまで8戦7勝、2着1回と底を見せていないのがスマイルミーシャ。唯一の敗戦は菊水賞だが、ベラジオソノダラブに主導権を握られ、直線での瞬発力勝負となって差を詰めたものの1馬身半差までと、展開的なところが大きかった。逆にベラジオソノダラブより前の2番手で進めた兵庫ダービーでは、3コーナー手前からの一騎打ちで徐々に差を広げ3馬身という決定的な差をつけて勝った。前走古馬格付けとなって5馬身差の楽勝。3歳のこの時期に古馬B1戦でそのレースぶりはおおいに評価できる。
一方のベラジオソノダラブは、兵庫ダービー以来約2カ月半ぶりの実戦。ここまでスマイルミーシャとの直接対決では1勝2敗。園田ジュニアカップがクビ差2着、菊水賞は前述のとおり1馬身半差で勝って、兵庫ダービーは3馬身差をつけられた。追い切りでは強めに追われてしっかり時計を出しており、お互い秋になっての成長度合いがどうか。
3歳以降、遠征も含めて牝馬路線を歩んだのがマルグリッド。2歳時、門別から転入初戦のアッパートライではベラジオソノダラブを3着にしりぞけて勝った経験があり、中央馬相手の関東オークスJpnIIで勝ち馬から0秒9差の5着は評価できるもの。前走兵庫サマークイーン賞は、牝馬同士とはいえさすがに古馬の壁は厚かった。格上相手の経験で力をつけていれば、2強の間に割って入る可能性も十分。
スネークアイズはここまで重賞は兵庫ユースカップでベラジオソノダラブの7着という経験だけだが、その後は自己条件で3着を外したのは一度だけ。古馬格付けとなってB2特別を6馬身差で圧勝し、前走B1特別でもそれほど差のない3着なら能力的に見劣ることはない。ただ3歳以降は1500メートル以下を使われてきたところでの1700メートルへの距離延長でどうか。
馬券圏内はこの4頭の勝負。
◎7スマイルミーシャ
◯5ベラジオソノダラブ
▲3マルグリッド
△8スネークアイズ
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金沢所属としては初めての他地区遠征となった兵庫サマークイーン賞を制したハクサンアマゾネスだが、地元の読売レディス杯には出走せず。加藤和義調教師によると、そもそもスタートに課題があり、特に金沢の1500メートルでは出遅れるとのこと。距離が長ければある程度リカバリーもきくが、1500メートルではそれも難しい。地元戦は回避して1700メートルのここを狙ってきた。グランダム・ジャパン(GDJ)古馬シーズンは、ここが終われば最終戦のレディスプレリュードJpnIIを残すのみ。優勝を狙うには負けられないところ。
GDJ古馬シーズンで、目下ポイントトップが大井のジュランビル。初戦の佐賀ヴィーナスカップを制したほか、遠征を重ねてここがシリーズ4戦目。距離は1400メートルから2000メートルまでオールマイティにこなすだけに、ここを勝って15ポイントを加算すれば優勝にかなり近づく。
地元期待がブリーザフレスカ。中央未勝利から昨年秋に転入し、13戦してすべて3着以内。重賞初挑戦となったトリトン争覇を7馬身差で圧勝。今回と同じ1700メートル戦でコースレコードだった。名港盃は3着だったが、いずれも牡馬相手の重賞。牝馬同士なら圧勝まであるかもしれない。
大井のグランパラディーゾは遠征でも常に上位に食い込んでいるが、課題は距離。1600メートルでも成績はいまひとつで、さらに距離が伸びる1700メートルがどうか。
GDJ古馬シーズンでは入着までという兵庫クリノメガミエース、読売レディス杯で2着に入った高知のアンティキティラらも、あらためて上位を狙う。
◎3ハクサンアマゾネス
○6ジュランビル
▲7ブリーザフレスカ
△2グランパラディーゾ
△4クリノメガミエース
△5アンティキティラ
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