
調教師試験に合格し、今月限りで引退する大井の真島大輔騎手が、中央2勝クラスから転入3戦目のアイリッシュセンスに騎乗する。転入初戦の九重連山賞(1800メートル)は、抜群の手応えで3コーナー過ぎで抜け出すと、直線は後続を寄せ付けずの完勝。前走はがくれ大賞典は7着だったが、遠征勢が強かった。中央時代はダート1400/1600メートルのみを使われ、13戦2勝、2着5回。負けてもほとんどのレースで勝ち馬から1秒以内の差と堅実に走っていただけに、距離短縮の1400メートルなら力を発揮する。
年末には期待にこたえて中島記念を制したリュウノシンゲン。転入後に負けたのはダートグレードと距離が長すぎた九州大賞典だけ。適距離は1600〜1800メートルあたりだろうが、昨年吉野ヶ里記念を勝っているように1400メートルも守備範囲。
スーパースナッズは昨年第1回として行われたこのレースで3着に入ったが、その後夏は調子を落とした。それでも10月以降は復調したか、10戦して1勝も2着5回で、3着以内を外したのが3回だけ。ロトヴィグラスとのハナ争いがどうかだが、1番枠からすんなり逃げられれば粘り込む場面はありそう。
大井B2級から再転入してウインターチャンピオンを制したダイリンウルフだが、その後の3戦がいまひとつ。巻き返しのかかる一戦。
ロトヴィグラスは、年明けのゴールドスプリントこそ惨敗だったが、その後は2連勝と好調。ただ良績は900メートルに集中しており1400メートルの距離がどうか。
ミスカゴシマは昨年末の中島記念で久しぶりに中距離戦を走って3着と好走。続く2000メートルの雷山特別を制した。本来得意だったはずの1400メートルに戻って復活があるかどうか。
◎4アイリッシュセンス
○9リュウノシンゲン
▲1スーパースナッズ
△2ダイリンウルフ
△5ロトヴィグラス
△10ミスカゴシマ
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中央オープンもしくは3勝クラスからの転入馬が半数以上というメンバーが、今の高知のレベルの高さを物語っている。
モダスオペランディは、転入後圧倒的な強さで2連勝したが、だるま夕日賞では内をうまく立ち回ったガルボマンボをクビ差とらえきれず。黒船賞JpnIIIでも地元馬最先着のガルボマンボに1馬身及ばず。今回はそのガルボマンボが不在となっただけに負けられない一戦だ。
重賞では黒潮スプリンターズカップの4着が最高というアポロティアモだが、その後3連勝と急上昇。同厩舎のモダスオペランディとは初対戦で、ともに赤岡騎手の手綱だったため、今回は重賞のスポット騎乗で吉原寛人騎手がどんなレースを見せるか。
昨年、建依別賞で重賞初制覇となったアメージングランは、大高坂賞がモダスオペランディの2着で、黒潮スプリンターズカップがイグナイターの2着。地元馬同士なら能力的に差はない。
中央オープンから転入して条件戦で6戦5勝と底を見せていないショームは、一気の相手強化でどこまでやれるか。
黒潮スプリンターズカップ、だるま夕日賞でともに3着のジョウショーモード、中央3勝クラスから転入して11戦すべて3着以内でA級までクラスを上げたダノンロイヤル、中央3勝クラスから転入初戦の1400メートル戦を楽勝したエースレイジングなど、可能性を感じさせる馬が多数。
サノハニーなど印が回らなかった馬もいて、レベルの高い混戦といえそう。
◎12モダスオペランディ
○1アポロティアモ
▲2アメージングラン
△4ショーム
△9ジョウショーモード
△10ダノンロイヤル
△11エースレイジング
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中央オープンから金沢に移籍初戦のトランスナショナルが参戦。昨秋、障害未勝利戦を走ったあと、ダートの3戦はいずれも掲示板外だったが、2走前の師走ステークスは勝ち馬から0秒8差、前走アルデバランSは1秒3差。その実力で、しかも前走から1カ月半という間隔ならいきなりでも通用しそう。あとは笠松の砂と小回りコースをこなせるかどうか。
地元東海勢では、ロッキーブレイヴに期待がかかる。名古屋所属にもかかわらず昨年秋以降は笠松を中心に使われ、オータムカップ、ウインター争覇と重賞2勝。笠松の中距離に限ると3戦してその2勝のほか、東海ゴールドカップは3着だが、勝ち馬とは0秒4差。トランスナショナルとの比較がどうかだが、それ以外のメンバーでは能力上位。
ウインハピネスは、一昨年秋に大井から再転入後、笠松で12戦してすべて3着以内。昨年のオータムカップではロッキーブレイヴの3着で、今回は3カ月ぶりの実戦だけに逆転まではどうだろう。
テーオーエナジーは一昨年、中央オープンから兵庫に移籍し、初戦となった笠松・オータムカップで大差圧勝。さすがの実力を見せたが、その後は勝ち星なし。休み明けの前走特別戦でも10着だっただけに、どこまで調子を戻しているか。
同じく兵庫から遠征のコスモバレットは、重賞勝ちこそないものの、昨年の新春賞が3着で、今年は4着。北海道から兵庫に移籍した山本咲希到騎手が、この馬に初騎乗でどんなレースを見せるか。
このレース連覇のかかるナムラマホーホだが、その後は前走特別戦を勝ったのみ。昨年ほどの勢いは感じられない。
◎2トランスナショナル
○1ロッキーブレイヴ
▲4ウインハピネス
△6テーオーエナジー
△3コスモバレット
△7ナムラマホーホ
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昨年の1~3着馬がここを目標に揃って出走してきて、いきなり結論から言うと、この3頭の勝負で、印の順番も昨年の着順と一緒。
過去2年は2分40秒台という、ばんえい記念としてはきわめて速いタイムでの決着。その軽い馬場はメジロゴーリキには不利と思われたが、昨年は第2障害を先頭で越えると、差なく続いたメムロボブサップとの一騎打ちとなり、2度、3度と止まったメムロボブサップに対して、メジロゴーリキは止まらず歩いての勝利。今シーズンも秋以降はかなり速い馬場状態が続いていたが、何度か砂を調整するなどして、3月の開催は徐々に時計がかかるようになってきた。予報を見ると、この最後の3日間も雨や雪は降らないようで、おそらく一昨年、昨年よりは時計のかかる馬場になって、メジロゴーリキには有利と見る。
メムロボブサップは相変わらず安定した成績で、今シーズン馬券圏内を外したのは岩見沢記念の4着だけ。それも勝ち馬とは2秒6差という接戦だった。ここも崩れることは考えにくい。ここ4戦は勝ち切れていないが、特に930kgというトップハンデで2着だった帯広記念はむしろ評価できる。
その帯広記念を920kgで制したのがアオノブラック。大一番に向けて調子を上げてきたといえそう。昨年のばんえい記念は障害で苦戦し、上位2頭からやや離れて障害を越えたが、ゴール前でメムロボブサップが一杯になったところ、あと少しのところまで迫って3着。障害のタイミング次第ではこの馬の勝機も十分。
あとはコマサンブラックとインビクタが連下に食い込む余地があるかどうか。コマサンブラックは重賞未勝利で、インビクタは雨の軽馬場を逃げ切った今シーズンの岩見沢記念が重賞初勝利。ここまで重賞を勝てなかったのは、同じ7歳世代の2強、メムロボブサップ、アオノブラックの壁があまりにも高すぎた。ただ2頭ともここにきて力をつけてきていて、コマサンブラックは帯広記念では障害先頭から3着という見せ場をつくり、インビクタは前述のとおり岩見沢記念を制した。今回、勝つまでは難しいだろうが、上位3頭のどれかが障害で苦戦した場合などに連下に食い込む可能性は十分。特にコマサンブラックは来シーズン、重賞戦線で2強に割って入るかもしれない能力は秘めている。
◎8メジロゴーリキ
○9メムロボブサップ
▲4アオノブラック
△2コマサンブラック
△1インビクタ
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翔雲賞は第2障害を越えたところで人気4頭と、それ以下が離れてという展開になって、トップハンデでも1番人気のキョウエイプラスが後続を寄せ付けず危なげなく勝利。3月5日の3歳A-1戦も上位4頭がまったく同じ着順での決着。上位4頭がそれぞれハンデを背負ってということであれば、定量になる今回はますますこの4頭の勝負と見るしかなさそう。
これまでの戦績やハンデ差を考えると、キョウエイプラスを本命にするしかないのだが、果たしてそれほど盤石だろうか。
翔雲賞でも3月5日の3歳A-1戦でも、ゴール前まではタカラキングダムが2番手だったが、末が甘くなってマルホンリョウユウに交わされてという、同じような展開での決着だった。しかし今回、全馬が経験のない未知の重量の定量戦となって流れが落ち着くことから、前半にやや行き過ぎる傾向のあるタカラキングダムには流れが向いてくるのではないか。そうなれば、ナナカマド賞でも勝っているようにタカラキングダムに逆転の目が出てくる可能性は考えたい。ただ1番枠に入ってしまったのはちょっと残念。
そして連下にはマルホンリョウユウ、ジェイヒーロー。
ほかにこれといった上り馬もなく、あとは黒ユリ賞を制した牝馬のスーパーチヨコがどうかだが、一気に増量されての定量20kg差では、馬券圏内までは厳しいと見る。
◎5キョウエイプラス
○1タカラキングダム
▲3マルホンリョウユウ
△10ジェイヒーロー
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