
10頭立てではあるが、南関東から3頭の遠征があり、さしずめ地元兵庫VS南関東という様相の好メンバーが揃った。
中でも実績断然はベストマッチョ。1400メートルのダートグレードで2着が2回あり、昨年のこのレースでは直線で一旦は抜け出して勝ったかと思ったところ、ゴール前でインペリシャブルに差し切られて2着。秋は名古屋のゴールド争覇を制し、笠松グランプリでは南関東勢が3着内を独占したなかで半馬身+アタマ差で3着。明けて10歳でも衰えはなさそう。昨年の雪辱なるか。
昨年1番人気で3着だったのがサンロアノーク。その後は6戦して2勝、2着3回。唯一連対を外したのはJpnIIIのかきつばた記念で、勝ったイグナイターは別格としてもJRA勢相手に掲示板に食い込む5着は評価できる。年明け笠松の白銀争覇を制して、調子を上げて臨む一戦。昨年の雪辱を果たしたいところ。
昨年のサマーチャンピオンJpnIIIで2着に追込みあっと言わせたコウエイアンカだが、その後、園田チャレンジカップ、兵庫ゴールドカップでは、ともに1番人気に推されるも末脚不発。園田より直線の長い姫路コースで末脚を生かせる展開になるかどうか。
大井のマックスは佐賀に遠征したゴールドスプリントでは、直線外から差し切る勢いだったが、高知の11歳ダノングッドに半馬身及ばなかった。そしてさらに半馬身差3着がインペリシャブル。その2頭を物差しにすれば、このメンバーでも当然勝負になる。
兵庫ゴールドカップ2着のエイシンビッグボスに、連覇のかかるインペリシャブルは押し出される形で△まで。印の順番はつけたが能力は紙一重の混戦。
◎3ベストマッチョ
○4サンロアノーク
▲8コウエイアンカ
△1マックス
△10エイシンビッグボス
△9インペリシャブル
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クインザヒーローは昨年、名古屋の重賞で3着が2回あり、大晦日には笠松に遠征してA2特別(オッズパーク2022ファイナル)を制した。そして今年初戦となった梅見月杯は、勝ち馬からは離されての4着とはいえ、1、2着は他地区からの遠征馬で、地元馬では3着ウインユニファイドに先着されたのみ。後方からの脚質ゆえ展開次第という面もありそうだが、メンバーは楽になった。10歳での重賞初制覇となるかどうか。デビュー3年目の塚本征吾騎手にも重賞初勝利のチャンスだ。
ロッキーブレイヴは下級条件から順調に勝ち上がり、昨年笠松のオータムカップで重賞初制覇。その後は東海ゴールドカップでの3着が最高という成績だが、結果を残したその2戦が笠松1900メートル戦。今回の笠松1800メートルでも能力を発揮しそう。
イイネイイネイイネは、オータムカップ、東海ゴールドカップでは、ともにロッキーブレイヴとはやや差のある結果。ただ重賞入着実績があるのが半数以下というメンバーだけに、馬券圏内は狙えそう。
オータムカップ6着もA1特別では結果を残しているタイセイメガロス、中央オープンから転入して3戦目となるロジペルレスト、正月の名古屋記念4着のスズカゴウケツらに上位食い込みがあるかどうか。
◎2クインザヒーロー
○9ロッキーブレイヴ
▲5イイネイイネイイネ
△1タイセイメガロス
△10ロジペルレスト
△6スズカゴウケツ
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ネオシエルは九州産ながら門別デビューという珍しいパターン。その門別では3戦してアタックチャレンジを勝ったのみだが、さすがに能力は高く、佐賀移籍初戦でJRA小倉のひまわり賞に挑戦し、初めての芝ながら着順こそ8着だったが、勝ち馬と1秒2差は好走といっていいだろう。盛岡の南部駒賞にも遠征し、結果は3着だが、先着されたのは北海道、船橋からの遠征馬で、能力の高さは見せた。そして地元のカペラ賞は、3コーナーから一気にまくりきり、九州ジュニアチャンピオンを制していたイチノコマチに4馬身差をつける圧勝。年明け初戦のホワイトスター特別でも直線抜け出して完勝。その実力からは、昨年のタケノサイコウに続いて、地元馬の勝利を期待できそう。鞍上には、期間限定騎乗時に手綱を取っていた石川倭騎手が北海道から呼ばれた。
JRA勢では、トライアルのミヤマキリシマ特別を逃げ切って5馬身差圧勝のゴーツウキリシマが再び山口勲騎手で臨む。その勝ちタイム1分29秒9は、近年のたんぽぽ賞の勝ちタイム(1分28〜30秒台)と比べても遜色のないもの。最後は流すような感じで記録されたタイムだけに、さらなる上積みも期待できる。
さらにJRA勢では、ひまわり賞でネオシエルにクビ差先着しての7着だったオバケノキンタ。デビュー戦のダート1000メートル戦が大差の4着だっただけに、佐賀のダートをこなせるかどうか。
もうひとつのトライアル・ノカイドウ特別を制したのがセロンテソーロ。ただその勝ちタイムがゴーツウキリシマより1秒遅く、その差をどこまで詰められるか。
ノカイドウ特別で2着だったアネロイドは、続くたんぽぽ賞チャレンジトロフィーを勝ったが、ゴーツウキリシマのタイムと比べるとやはり物足りない。連下争いまで。
◎4ネオシエル
○9ゴーツウキリシマ
▲7オバケノキンタ
△1セロンテソーロ
△6アネロイド
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過去10年フルゲートになったことがなく、少頭数もめずらしいことではないが、今回は過去10年で一度もなかったという条件がいくつもある。まずはアオノブラックのトップハンデ860kg。過去10年では850kgが何頭かいたが、馬券にからんだのは2019年、9歳時のオレノココロの2着のみ。勝ったのは800kgのメジロゴーリキだった。そして上下100kgというハンデ差も最大のもの。その要因となっている4歳牝馬(ダイヤカツヒメ)の出走もなかったこと。2018年にナカゼンガキタが4歳でエントリーしているが、出走取消となっている。760kgのダイヤカツヒメや、790kgのアーティウィングが引っ張るであろう速い流れでは、860kgのアオノブラックはいかにも厳しい。
そこで中心は820kgのインビクタ。北見記念、帯広記念では第2障害で競走中止となったが、同じ820kgだった岩見沢記念では雨馬場の速い流れで第2障害先頭から逃げ切っている。そのときのトップハンデがメムロボブサップの850kgで30kg差。今回もメムロボブサップとは30kg差で、アオノブラックとは40kg差。この重量ならあらためてのチャンスと見る。
同じ820kgがメジロゴーリキ。本来は高重量戦で時計のかかる条件で能力を発揮するが、770kgで1分29秒8という速い決着のドリームエイジカップを勝っているだけに、7歳2強とのハンデ差を考えればチャンスは十分。
メムロボブサップは昨年、840kgのトップハンデでこのレースを勝っており、そのときは最大のハンデ差が40kg。今回は自身の重量が10kg増えて、さらにハンデ差も広がった状況では勝つまでは難しそう。ただスピード決着は得意なだけに、上位に食い込む可能性はある。
あとは連下候補でヒロインズカップ組のアーティウィング、ナカゼンガキタ。
◎3インビクタ
○6メジロゴーリキ
▲4メムロボブサップ
△5アーティウィング
△7ナカゼンガキタ
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4勝馬が内に4頭、3勝馬が外に6頭と、パット見では能力拮抗かと思えるメンバーだが、戦ってきた相手を見るとスーパーチヨコの実力が一枚抜けている。先週の翔雲賞で2着だったマルホンリョウユウと勝ったり負けたりで、4走前の4着は、翔雲賞をトップハンデで制したキョウエイプラスに2秒5差。牝馬同士なら負けられない一戦だ。
そのほかはそれほど差なく、であれば近走の上昇度でベニサクラを相手筆頭とした。2走前の7着は速い流れに前半置かれてしまい、それでも最後は前との差を詰めていた。前走A-2戦を勝利したが、20kg減に恵まれたことと、今回の1番枠は気になるところ。
タカラヴェルベーヌは近走結果が出ていないが、昨年9月にいちい賞を勝ったことで賞金を積んでしまい、A-1戦で強敵との対戦が続いてきた。牝馬同士なら巻き返し可能だ。
ルイズは12月30日のA-1戦こそ、勝ったスーパーチヨコに離されての5着だったが、その後はA-2戦で好走。
ミュウは前走障害はそれほど差なく越えたが、ゴール前で一杯になってしまった。今回は全馬が一気の増量という条件ならペースが落ち着いたところで巻き返しに期待。
ココロホマレは前走B-1とはいえ障害ひと腰先頭から2着に19秒2もの差をつけた。今回は相手強化となるが、牝馬同士ならチャンスはありそう。
◎2スーパーチヨコ
○1ベニサクラ
▲7タカラヴェルベーヌ
△8ルイズ
△6ミュウ
△3ココロホマレ
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