スーパースナッズは、高知から転入初戦となった1400メートルのA2特別を楽勝。逃げて直線で後続を振り切ると、直線半ばあたりからは流すようなゴールで2着に5馬身差。たしかに今回のメンバーと比べると格下だったが、勝ちタイム1分28秒7は、ミスカゴシマが勝った今年の吉野ヶ里記念の勝ちタイムより1秒1も速い。それがほとんど追われずに出したタイムということでは、能力は高い。重賞初挑戦での勝利に期待したい。
ミスカゴシマは遠征競馬では結果を残せなかったものの、夏には吉野ヶ里記念を連覇し、前走有明海賞はハイペースで逃げたノーフィアーをみずから負かしに行って直線抜け出し、2着チェキラ以下を寄せ付けなかった。地元1400メートルの舞台では強い。
その有明賞で2着だったのがチェキラ。4月に大井から転入し、1300/1400メートルで9戦オール連対。重賞初挑戦となった佐賀オータムスプリントでも2着に好走。まだ底を見せていない。
中央オープンから移籍して圧倒的なスピードで4連勝と注目されたノーフィアーだが、6着に沈んだ吉野ヶ里記念以降の成績が冴えない。前走有明海賞では向正面で後続を離しての逃げになったので、そのまま粘り込むかとも思ったが直線失速して4着。巻き返しがあるのかどうか。
吉野ヶ里記念がミスカゴシマの2着で、サマーチャンピオンJpnIIIでは地方最先着の5着だったテイエムチェロキーだが、ここ2戦がいまひとつの内容。調子を戻しているかどうか。
前走900メートル戦でドラゴンゲートに3/4馬身差で食い下がったロトヴィグラスも侮れない。
◎4スーパースナッズ
○1ミスカゴシマ
▲7チェキラ
△10ノーフィアー
△6テイエムチェロキー
△9ロトヴィグラス
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ばんえい菊花賞では牝馬が上位3着まで独占。イオン、サクラヒメがほぼ同時に先頭にで障害をクリアして、イオンのほうが10kg重かったということもあるが、サクラヒメはあっさりと突き放し、残り20mあたりから渡来騎手はほとんど何もしないままの楽勝だった。6月28日のC1-1組以降は3着以内を外すことがなく、着実にクラスを上げて力をつけた。定量戦の今回はかなり堅い軸ではないか。
逆転の可能性はイオンに期待する。ばんえい菊花賞は牝馬同士の中ではトップハンデで、しかも第2障害最初に仕掛けたタイミングはちょっと早かった。今回は定量戦ゆえ、第2障害までも楽に進めるだろうし、溜めて仕掛ければ見せ場以上もありそう。黒ユリ賞、ばんえい大賞典と重賞2勝に、A2戦でも3着好走があるという実績と経験では最上位。
ばんえい菊花賞2着だったミソギホマレは重賞勝ちこそないが、黒ユリ賞2着、イレネー記念3着という実績。ここ7戦連続連対中ということでは、上のクラスでもやれる実力はある。
ばんえい菊花賞では1、2着馬より10kg軽い重量で3着だったアバシリサクラだが、今回は定量戦となってどこまで食らいついていけるか。
ここまで4頭の勝負と見るが、どれか2頭が凡走したときの3着候補としてミラクルクイーンとニュクス。
◎9サクラヒメ
○3イオン
▲1ミソギホマレ
△6アバシリサクラ
△5ミラクルクイーン
△2ニュクス
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兵庫の中距離戦線を締めくくるレースとして、昨年から1着賞金が3000万円に大幅アップ。JpnIIIの兵庫ゴールドトロフィー(2500万円)より高額になった。
このレース連覇を狙うのがジンギ。今年は重賞のみ5戦して3勝。負けた2戦でも、名古屋大賞典JpnIIIは地方馬最先着の4着、六甲盃で先着されたのは船橋からの遠征馬だった。1年以上地元馬には先着されておらず、地元ナンバー1として負けられない一戦だ。
そのジンギのライバルとなりそうなのは、同じ橋本忠明厩舎の面々。中央オープンから転入したのがテーオーエナジー。移籍初戦が笠松への遠征でオータムカップを大差で圧勝。JBCクラシックJpnIは8着だったが、勝ち馬から2秒差で、JpnI勝ちのあるカジノフォンテン(6着)やダノンファラオ(7着)とも差のない競馬をしているだけに、今後は兵庫の古馬戦線で中心的な存在となりそうだ。
橋本忠明厩舎のもう1頭は、昨年の姫山菊花賞でジンギを負かしたエイシンニシパ。この馬もそれ以降ほとんど連対を外すことがなく、六甲盃の4着も先着された地元馬はジンギだけ。橋本厩舎3頭出しのワンツースリーという決着もありそうだ。
その一角崩しを狙うのが、摂津盃を制したエイシンデジタル、8歳になって重賞タイトルからは遠ざかっているものの、昨年の園田金盃が3着だったマイタイザン、短距離を中心に使われているものの摂津盃でエイシンデジタルの2着だったメイプルグレイトなど。
◎3ジンギ
○11テーオーエナジー
▲8エイシンニシパ
△7エイシンデジタル
△5マイタイザン
△6メイプルグレイト
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少し前のことになるが、11月14日、久しぶりに帯広競馬場を訪れた。コロナの影響もあってなかなか競馬場の取材に出かけることもできず、開催中のばんえい競馬は2020年3月21日のばんえい記念以来、じつに1年8カ月ぶりのこととなった。
この日まず驚いたのは、コロナ以前と変わらないくらい多くの入場者でにぎわっていたこと。帯広市では1カ月以上コロナ陽性者がひとりも出ておらず、それゆえここにきて観光バスが一気に動き出したとのこと。現在の帯広競馬場には、『とかちむら』という地場産品を販売する『産直市場』を中心にした道の駅のような施設もあり、人気の観光スポットにもなっている。
そしてコロナの影響で長く無観客開催が続いていたにもかかわらず帯広競馬場はかなり進化していて、競馬や馬券にはあまり興味がないかもしれない観光客にも楽しめる場所になっている。
まずはスタンド裏。以前はおそらく単なるコンクリートの壁だったと思われるところが、ばん馬をモチーフにした美しい壁画となっていた。
さらにこれは以前からあるのだが、かつてスタンド裏のパドックだった場所にできた『ふれあい動物園』も充実。引退したばん馬だけでなく、ポニーやヤギなどさまざまな動物とふれあえるようになっていて、多くの人たちで賑わっていた。ここでは人参が販売されていて、馬に直接食べさせることもできる。
そして帯広競馬場に行ったら、競馬ファンもそうでない人も、ぜひ訪れたいのが入場門の外にある『馬の資料館』(入場無料)。ばんえい競馬が帯広市の単独開催(2007年度から)になる以前からある施設なのだが、当時はさまざまな歴史的資料が雑然と並べられているだけだったのが、近年ではきちんと順路ができて、展示物もかなり整理された。
ばんえい競馬に関することだけでなく、開拓時代の北海道と馬との関わりや、日中戦争のときに軍馬として十勝の馬が供出された歴史などもある。
ばんえい競馬ファンにとって必見は、ばん馬の祖ともいえる、イレネー号に関する展示だろう。
イレネーは明治44年にフランスから輸入され、昭和3年まで種牡馬として供用された。その直仔は579頭で、そのうち196頭が種牡馬となり、その血をひく種牡馬は全道で599頭にもなったと言われている。イレネー記念という、2歳シーズン(明け3歳)のチャンピオンを決める重賞のレース名としても知られる。
当然のことながら、競馬場内にも『とかちむら』にも、豚丼をはじめとした十勝ならではの食べ物も充実しているのだが、それをここで紹介すると長くなるので、また別の機会に。
夜になると目を引くのが、LED 15,000球が輝く『ばんえいイルミネーション』だ。そりに乗って記念撮影もできる。
そして競馬場を後にする際には、ライトアップされた偉大なるイレネー像を拝んで帰ろう。
笠松から遠征のドミニクに期待する。新馬戦を勝ったあとの秋風ジュニアは2着だったが、1馬身半先着されたシルバは、その後ジュニアクラウンも6馬身差で圧勝してデビューから3連勝と底を見せていない。ラブミーチャン記念は3着だったが、勝った金沢のエムティアンジェはその後地元の金沢ヤングチャンピオンも勝利、2着は園田プリンセスカップを制していた北海道からの遠征馬だった。それら強敵相手に揉まれた経験は生きると見る。
地元名古屋勢は、今回の出走メンバー中8頭が出走していた11月16日のJRA認定セレクトゴールドで単勝1.8倍の断然人気に支持されたミトノオオイが最下位に敗れたことで、一転混戦となった。ミトノオオイは1600メートルの1番枠ながら、大外のパピタにハナを叩かれ、北海道からの転入初戦で5着に敗れたとき以来の砂をかぶる競馬。3コーナー過ぎで完全にレースをやめてしまった。それが実力ではないことは明らかだが、その反動の心配もあり、今回は▲まで。
そのセレクトゴールドは3着だったが、10月13日のセレクトゴールドでミトノオオイを負かすなど、安定して成績を残しているエムエスムーンを○にとった。
前述11月16日のセレクトゴールドで好位から差し切ったレイジーウォリアーに、逃げて2着だったパピタ。さらに11月2日のセレクトゴールドでパピタをハナ差で負かしていたゴールドスノーらは勝ったり負けたりで能力的に差はない。
◎11ドミニク
○12エムエスムーン
▲3ミトノオオイ
△10レイジーウォリアー
△9パピタ
△8ゴールドスノー
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