今年重賞を制した馬がいないというメンバーの9頭立て。このレース3連覇がかかるグレイトパールの状態がどうかということが焦点となりそう。昨年は約半年の休養から復帰戦のA級特別6着から、このレースをコースレコードで5馬身差の圧勝。今年ははがくれ大賞典7着から7カ月の休養明け初戦となった韓国岳賞が5着。昨年の復帰戦より着順こそ上だが、序盤から前とは離れた位置での追走となって、そのまま差を詰めることなく、勝ったドゥラリュールから2秒7差。さすがに昨年ほどの状態にはないと見て△まで。
その韓国岳賞を勝って転入後5連勝としたドゥラリュールは今回不在となり、その2着だったのがコンカラー。中央オープンから転入して4戦2勝、2着1回。中央ではダート1800〜2000メートルで4勝を挙げ、転入後も2000メートルの国見岳賞でゲットワイルドに8馬身差をつけての圧勝ということであれば、この2500メートルの距離でも能力を発揮できるのではないか。
国見岳賞でコンカラーの2着だったゲットワイルドは、昨年の九州大賞典が3着で、中島記念が2着。今年4月以降勝ち星から遠ざかっているとはいえ、準重賞やA級の特別では堅実に掲示板内は確保。ドゥラリュール不在ならこの馬にもチャンスはありそう。
タイセイレオーネは高知から転入してA2の一般戦2着のあと、前走韓国岳賞が2着コンカラーに2馬身半差の3着。それにしても高知でC1のファイナル記者選抜で勝てなかった馬が、佐賀のA級で上位争いということでは、今の高知のレベルの高さがうかがえる。
昨年、岩手の重賞で3連勝という活躍を見せたランガディアは、国見岳賞がコンカラーの3着で、韓国岳賞がタイセイレオーネに続く4着。復調あれば上位争いも。
◎6コンカラー
○4ゲットワイルド
▲3タイセイレオーネ
△8グレイトパール
△5ランガディア
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絆カップが1200メートルに距離短縮となったことは、キラットダイヤには願ってもない幸運。中央から転入して2戦目から短距離重賞3連勝中。中央時代の実績は1000メートルのみで、1200メートルでは大敗ばかり。しかし盛岡1200メートルの岩鷲賞、ヴィーナススプリントでは2着に6馬身、10馬身という圧倒的な強さを見せた。
相手探しの一戦だが、タイセイブラストでどうだろう。中央時代も含めて1200メートル以下では勝ち星がないが、それでも盛岡1200メートルでは2着、3着はある。1600メートルで発揮するパフォーマンスからは、キラットダイヤ以外が相手なら能力上位と見る。
10月25日のスプリント特別で2、3、4着だったのがドラセナ、スティンライクビー、ケイアイテディ。勝ったコンサートドーレが高知から転入して4戦3勝で、唯一の敗戦が水沢850メートルの早池峰スーパースプリントでキラットダイヤの3着だったということであれば、この3頭にとってはやはりキラットダイヤは高い壁となりそう。
◎4キラットダイヤ
○7タイセイブラスト
▲9ドラセナ
△3スティンライクビー
△8ケイアイテディ
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今シーズンのホッカイドウ競馬の古馬中距離路線は、スローに落としたリンノレジェンドが逃げ切るか、前のペースが厳しくなって、後方から直線勝負のクインズサターンが差し切るか、というレースが何度か繰り返された。
そうした状況でも新興勢力として存在をアピールしたのがサンビュート。中央2勝クラスを勝っての転入で、その後2連勝で臨んだ旭岳賞は、直線クインズサターンとの追い比べで惜しくもアタマ差2着。わずかな差は、クインズサターンが内を突いたぶんだったかもしれない。まだ若い4歳ということもあり、転入4戦目での上積みも期待できそう。
瑞穂賞はリンノレジェンドが楽な単騎逃げとなって、さすがにうしろ過ぎたクインズサターンは直線追い込むも4着。今回はそれほどスローペースにもならないだろうし、同じ轍を踏むこともないだろう。連覇の可能性も十分。
昨年2着だったルールソヴァールは今シーズンの復帰が8月で、2戦目となった瑞穂賞がゴール前、クビ、クビの接戦で3着。直線での伸びはクインズサターンよりよかった。そのレースぶりなら位置取りや展開次第でチャンスはありそう。
瑞穂賞をギリギリ逃げ切ったリンノレジェンドだが、今回はさすがに楽な単騎逃げにはならないと見て印を下げた。
旭岳賞3着、瑞穂賞ではクビ差2着だったリコーワルサーも能力的に差はない。
◎7サンビュート
○13クインズサターン
▲1ルールソヴァール
△6リンノレジェンド
△12リコーワルサー
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ジャスパーシャインの連覇に期待する。中央未勝利から転入後4連勝で重賞初挑戦だった昨年、3コーナーを回ってもまだ1頭だけ離れた最後方だったが、直線大外一気は衝撃だった。今シーズン前半は結果が出なかったが、8月のエトワール賞ではイダペガサスをとらえきれず2着だったものの、ウポポイオータムスプリントでは大外一気を決め、イダペガサスに2馬身半差をつける完勝だった。直線追い込み一手のタイミングひとつだが、ここ2戦のレースぶりならその持ち味を発揮できると見る。
イダペガサスは、金沢に遠征した金沢スプリントカップを5番人気で2着に好走すると、エトワール賞、ウポポイオータムスプリントで、前述のとおりジャスパーシャインと1、2着を分け合った。内枠から早めに抜け出せるのは有利だが、それもタイミングひとつだろう。
スタートダッシュが抜群に速いアザワクは、デビュー以来1000メートルしか勝ち星がなく、1200メートルになると最後の200メートルで失速ということがほとんどだった。しかし今年8月のロードカナロア・プレミアムでは初めて1200メートル戦で逃げ切って見せた。強敵相手だが、マイペースに持ち込んで粘れるかどうか。
11歳になったメイショウアイアンは今シーズン勝ち星がなく、さすがに昨年ほどの勢いにはない。直線どこまで前に迫れるか。
スマートアヴァロンは中央オープンから転入した今シーズン、1200メートル戦で2勝を挙げたが、このメンバーに入ると勝ち負けまではどうだろう。
◎10ジャスパーシャイン
○2イダペガサス
▲9アザワク
△12メイショウアイアン
△4スマートアヴァロン
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第1回として行われた昨年は、地元北海道勢のワンツーで6、13番人気という波乱の決着だったが、サッポロクラシックカップと同じ決着でもあった。今回、中央馬がいずれも1勝というメンバーなら、地元北海道勢に期待する。
ブリーダーズゴールドジュニアカップでは5馬身差の圧勝で、サンライズカップでも期待されたシャルフジンだったが、直線先頭もナッジに差し切られ1馬身半差で2着。とはいえそのときは牧場から戻って間がなく、仕上がり八分の状態。万全の仕上げで臨む本番での巻き返しに期待。今年、中央・地方を通じたダート種牡馬ランキングで1位に立っているヘニーヒューズ産駒ということでも注目だ。
ナッジはデビュー3戦目に初勝利を挙げたものの、勝ちきれないレースが続き、しかし1700メートル、1800メートルと距離を伸ばして3連勝。シャルフジンを差し切ったサンライズカップは圧巻だった。その勢いなら4連勝も期待できそう。
8月のサッポロクラシックカップを制したリコーヴィクターは、サンライズカップで1番人気に支持されたものの3着。3〜4コーナーでもたつく場面があり、それでも直線ではしっかり伸びた。その敗戦だけでは見限れない。
中央4頭はいずれもダート1800メートル戦を勝っただけというメンバーで能力比較が難しい。プラタナス賞で強いメンバーとの対戦を経験したコマノカモン以下、上積みがあれば勝ち負けまで。
◎13シャルフジン
○4ナッジ
▲8リコーヴィクター
△5コマノカモン
△2アイスジャイアント
△10オディロン
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