ホールドマイラヴに連覇の期待がかかる。昨年のこのレースを制して以降、園田1400メートルは5戦4勝。負けたのは、中央馬相手の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIのみ。そのほかの敗戦も、距離が長い1700メートルの兵庫クイーンカップと、福山への遠征。園田1400メートルのコースでは24戦13勝と、高い勝率を残している。アルドラゴンなど一線級のメンバーも不在なだけに、ここは再び大きなチャンスが巡ってきた。
相手筆頭はミナミノヒリュウ。昨年は7番人気で10着だったが、その後着実にクラスを上げてオープンまで出世。園田1400メートル戦を2連勝と好調でここに臨んできた。
穴なら笠松から遠征のエイシンイッテン。園田フレンドリーカップでは、10番人気ながらメンバー中唯一の37秒台の上がりで、勝ったアルドラゴンから2馬身+ハナ差の3着に突っ込んできた。中央3勝で笠松に移籍してからはまだ勝ち星を挙げていないが、前走盛岡に遠征したクラスターカップJpnIIIは着順こそ7着だが、レコード決着から2秒1差の1分11秒0という速いタイムで走りぬいた。こうした厳しいペースを経験したことで力をつけている可能性はある。
3走前に姫路1500メートルのA1特別を勝ったコスモトノも、園田1400メートルの舞台は得意とするところ。
前走摂津盃こそ4着だったが、その前の5戦はいずれも3着以内のタマモリターンも馬券圏内が狙えそう。鞍上が木村健騎手に戻るのも気になるところだ。
◎ホールドマイラヴ
○ミナミノヒリュウ
▲エイシンイッテン
△コスモトノ
△タマモリターン
グランダム・ジャパン古馬シーズンの第3戦には、第2戦の兵庫サマークイーン賞から中4日でエレーヌとトウホクビジンが遠征してきた。
ここまで、第1戦を制した兵庫のキーポケットが17ポイントでトップ。エレーヌが15ポイントでこれを追う展開。キーポケット不在のここは、エレーヌが突き放すチャンスだ。3歳シーズンの女王となったエレーヌは、ここ水沢では留守杯日高賞制し、そればかりか同厩舎が4着までを独占するという圧倒的な組織力を見せた。しかし今回は古馬が相手ということもあり、そう簡単にはいきそうもない。
地元勢では、中央から転入して圧倒的な強さで2連勝の3歳馬コンゴウプリンセスがいる。初戦の水沢戦は、楽にハナを奪うと直線で突き放し大差の圧勝。2戦目は盛岡で行われたひまわり賞で、こちらは1~2コーナーから向正面で他馬にハナを譲って2番手追走となったが、3コーナーで再び先頭に立つと、直線はまたも後続を突き放すばかりで10馬身差の圧勝となった。少なくとも岩手の3歳馬が相手では問題にならない。
ホッカイドウから遠征してきたライネスゴルトもまだ底を見せていない。デビューは4歳になった昨年6月で、以来13戦10勝、2着1回、3着2回という成績。目下4連勝中で、前走は古馬B1特別を後方追走から直線楽々と差し切って見せた。
これに、兵庫サマークイーン賞4着のトウホクビジンを加えた4頭の争いだろう。
本命はライネスゴルト。古馬B1級でまったく問題にしない勝ち方は、可能性を感じさせる。
エレーヌも、兵庫サマークイーン賞では単勝元返しのキーポケットを完封しての勝利だった。しかしこの暑い時期に中4日での輸送で、持てる力を発揮できるものなのだろうか。グランダム・ジャパン3歳シーズンでは、中5日で水沢→佐賀の連闘で勝利したが、あのときは4月。今よりも気候的にははるかに楽だったはずだ。
地元のコンゴウプリンセスはどうだろう。たしかに2戦ともにまったくの楽勝、圧勝だったが、まだ同世代との対戦しかないのが気になるところ。とはいえハナに行くのはこの馬くらいしか見当たらず、スローに持ち込めば一発はあるかもしれない。
ただ、エレーヌと同厩舎同馬主のトウホクビジンが、以前のように久々に逃げの手に出る可能性はある。そうするとコンゴウプリンセスにとっては厳しいレースになるかもしれない。
◎ライネスゴルト
○エレーヌ
▲トウホクビジン
△コンゴウプリンセス
3歳3冠初戦のばんえい大賞典は、別定重量戦で行われることもあり、近年の成績を見ても軽量牝馬の活躍が目立つレース。今年もトップハンデ、テンマデトドケの700キロから、ツジノコウフクヒメの650キロまで、上下50キロの差がついた。
ここは3連勝中で最軽量のツジノコウフクヒメから。C1級だが3連勝中なだけに、もっと上のクラスでも勝てる実力がありそう。重賞はバレンタインカップ3着、イレネー記念6着だったが、近走の成績を見れば当時より力をつけているのは確実だ。
高いレベルで好調なのがホクショウバトル。とかちダービー以来大敗が続いていたが、ここにきてB2とB1・B2の決勝混合を連勝。最軽量馬と30キロ差の680キロなら十分勝負になる。昨年暮れのヤングチャンピオンシップで、断然人気のテンマデトドケをしりぞけて勝った勝負強さも魅力だ。
好調ぶりではレットダイヤも負けていない。今シーズン14戦して10連対。特にここ7戦で連対を外したのは3走前のみ。前走B4級を勝って670キロならチャンスだ。
重賞で2、3着があるアウルメンバー、バレンタインカップにとかちダービーを制しているダイリンビューティの2頭は、大一番での激走という場面があるかもしれない。
◎ツジノコウフクヒメ
○ホクショウバトル
▲レットダイヤ
△アウルメンバー
△ダイリンビューティ
テイエムヨカドーは、このレース4回連続での挑戦。07年度は馬インフルエンザの影響で08年1月に延期して行われ3着。08年9月にも再び3着。そして昨年は1番人気に推されながらも2着。今年は船橋に移籍しての挑戦となる。船橋移籍後3戦目で臨んだ昨年12月のクイーン賞JpnIIIはユキチャンにクビ差の3着。今年4月の南関東牝馬重賞、しらさぎ賞でも惜しい2着があった。ここは重賞初制覇のチャンスだろう。今年好調の森泰斗騎手にとっても、足利所属時代から通じて重賞初制覇がかかる。
中央勢の筆頭は、3歳のコウユーヒーロー。ユニコーンステークスGIIIはバーディバーディから1秒2差の8着。続く3歳1000万下のあおぎりステークスでは、これまた1秒2差の8着。このときの勝ち馬は、その後ジャパンダートダービーJpnI・4着、先日の重賞・レパードステークスを制したミラクルレジェンドだった。そして前走、古馬との1000万下で勝ち馬からコンマ4秒差の3着と好走した。1000万下でそこそこのレースをしているのはこの馬だけで、中央勢では断然の実力といっていい。
実力、格付け的にも2頭の一騎打ちだろう。
ただ、2頭が激しくやりあってどちらかが崩れる可能性というのも考えられ、そこに食い込んできそうなのが、トライアルのえびの特別を勝ってここに臨むスズノブレイヴ。そのえびの特別で1秒1も離されて3着だったカシノグローブが、2戦目のトライアル大隅特別制していることからも、トライアルではえびの特別のほうがレベルが高かったといえそうだ。
大隅特別で1番人気に推されながら3着に敗れたテイエムハエゲナは、着順の変更こそなかったものの、4コーナーでかなりの不利を受けていた。このとき実力を出しきれなかったとするならば、見直す必要がある。
九州勢では、佐賀のカミノチカラがどこまで迫れるか。昨年の霧島賞は6着だったが、今年は佐賀のオープン特別で3勝を挙げ、昨年よりは力をつけている。
◎テイエムヨカドー
○コウユーヒーロー
▲スズノブレイヴ
△テイエムハエゲナ
△カミノチカラ
グランダム・ジャパン古馬シーズンの第2戦となる兵庫サマークイーン賞には、第1戦・読売レディス杯の1~3着馬と5着馬が揃って出てきた。
中心は、やはりその読売レディス杯を制したキーポケット。今年正月の新春賞では初めて牡馬相手の重賞も制し、その実力は読売レディス杯でも示したとおり。今回、その読売レディス杯上位馬よりも実績が上というメンバーが見当たらず、キーポケットにとって地元に戻ったここは負けられないレースだろう。
相手には、グランダム・ジャパン3歳シーズンの初代女王となり、古馬のタイトルも狙ってきたエレーヌに期待したい。読売レディス杯は、地元金沢の2頭が引っぱる速い流れでかなり離れた後方2番手を追走。さすがにあの位置からでは追込みも不発で3着に敗れた。流れに乗って離されずについていけば、前走東海クイーンカップで見せた鋭い末脚で差し切る場面もあるかもしれない。
3番手には、シルバーウインド。読売レディス杯では積極的な競馬で直線を向いて先頭に立つも、キーポケットに差し切られた。今回も当然のことながら上位争い。
キーポケット以外の地元勢では、ともに重賞勝ちがあり、近走もオープンクラスでそこそこのレースを続けているバージンサファイヤとエンタノメガミだが、両馬ともに得意とするのは1400メートルで、1700メートルになるとやや安定感に欠ける。
ならば、たびたび遠征競馬を経験しているトウホクビジンとダイナマイトボディが穴候補としておもしろそう。
トウホクビジンは、近走あまりいいところがないが、ダートグレードを中心に使われているだけにそうした成績も仕方ない。読売レディス杯も5着だったが、地方の牝馬同士なら実力では見劣りしない。
ダイナマイトボディも今年に入ってからは5着が最高という成績。しかし昨年11月の兵庫クイーンカップでは、今回出走している有力馬を相手に完勝。今回はそのときと同じ園田1700メートルが舞台だけに、一発を期待したい。
◎キーポケット
○エレーヌ
▲シルバーウインド
△トウホクビジン
△ダイナマイトボディ