夏に強いスパイナルコードの出番だ。夜さ恋ナイターがスタートした昨年、トレノ賞から破竹の6連勝と快進撃。その後はオープンクラスではなかなか勝てないレースが続いたが、今年6月6日のA1特別を制して復活。そこからは5戦3勝、2着2回と堂々の成績だ。トレノ賞こそフサイチバルドルに4馬身差をつけられての2着だったが、そのフサイチバルドルが不在のここなら、連覇の可能性も十分だろう。
狙っておもしろそうなのが、大井から転入4戦目となるサウロビスティー。トレノ賞こそ9差惨敗だったが、前走のA-2戦は2番手追走から3コーナー手前で先頭に立つと、直線では一瞬にしてオリジナルステップとの差を広げての楽勝だった。中央1勝、大井1勝という実績だが、高知なら重賞でも通用する素質はありそうだ。
昨年の3歳3冠馬グランシングは、昨年の11月以来勝ち星から遠ざかっているが、ここ5戦のA-1特別や重賞はすべて3着以内に善戦。トレノ賞は2着のスパイナルコードにクビ差の3着、前走も勝ったスパイナルコードに1馬身及ばずの2着。勝ち切れない面はあるが、確実に上位には食い込んでくる。
グッドヘラクレスも、オッズパークグランプリ2010への遠征を除けば、近走は地元もオープン級で常に善戦。グランシングと力差はほとんどない。
ゲイリージュピターもこれらに続く存在。展開次第では馬券圏内もあるかもしれない。
◎スパイナルコード
○サウロビスティー
▲グランシング
△グッドヘラクレス
△ゲイリージュピター
佐賀のフレーザーハクユウは、2歳時に荒尾の九州ジュニアグランプリを圧勝したあと期待されて大井に移籍したが、3戦して結果を残せず。それでリズムを崩したのか、佐賀に戻っても古馬のB1特別や九州ダービー栄城賞など3戦連続して惨敗。しかし前走、古馬B1・B2戦を逃げ切って復活を果たした。格付け的にもメンバー中最上位で、九州ジュニアグランプリを制したのと同じ荒尾1500メートルが舞台なら、負ける要素は見当たらない。
正月の門松賞を制した荒尾のレッドエンゼルが相手筆頭。その後は九州産馬による中央との交流レースを3戦して、2、8、5着だが、いずれも九州勢では最先着。九州ジュニアグランプリではフレーザーハクユウに1秒3離されての3着だったが、どこまで迫れるか。
一発があればシゲルネネ。中央未勝利から転入して3連勝のあと、前走はケージーモモタロウと一騎打ちの末、クビ差で2着。そのケージーモモタロウも、同じように中央未勝利から転入して3連勝。今回、そのケージーモモタロウこそ出走はないが、シゲルネネも荒尾ではまだ底を見せていない。
荒尾ダービー2着のアラバマフォンテンは、その後、3歳1組戦から出走取消を挟んで3歳特別と連勝。前走は初めての古馬との対戦で、C-1組で4着。3歳馬同士なら上位を狙えそうだ。
佐賀から遠征のもう1頭、ダンツウォッチは3歳の特別戦で常に上位争い。九州ダービー栄城賞も勝ち馬から1秒差の5着と善戦していて、今回のメンバーなら上位に食い込む力は十分にある。
◎フレーザーハクユウ
○レッドエンゼル
▲シゲルネネ
△アラバマフォンテン
△ダンツウォッチ
笠松のくろゆり賞といえば、かつては東海地区の一線級の馬たちによる真夏の注目重賞だったが、最近は地方競馬にも交流レースが増えて、トップクラスの馬たちが遠征競馬を中心に使う傾向にある。それゆえ地元の重賞はオープンでも一枚落ちるメンバーによる対戦が多く、今回も移籍してまだ戦歴が浅いメンバーが中心の難解な一戦となった。
ここは東海地区で実績を残しているカモンネイチャから狙ってみたい。昨年7月の名港盃を制し、続くくろゆり賞はミツアキタービンに2馬身差の2着。その後は長期休養となり、今年3月の復帰戦以降は今ひとつのレースが続いていたが、6月、7月とA2特別を連勝し、調子を上げてここに臨んできた。昨年の名港盃、くろゆり賞のときの力があれば、今回はあっさり勝ってもおかしくない相手関係だ。
福山にもいよいよ中央オープンクラスの馬が転入してくるようになった。ウォーターオーレは、今年春に福山に転入し、A2からA1を1、1、2、1着のあと、重賞初挑戦となった福山スプリントカップを勝利。これまで福山所属馬が何度も跳ね返されてきた東海地区の重賞を突破できるかどうか。十分にそのチャンスはありそうだ。
エーシンアクセランは、14度目の重賞挑戦んとなった6月のサマーカップで念願の重賞初制覇。前走オッズパークグランプリ2010はさすがにレベルの高いメンバーが揃って7着に敗れたが、先手を奪ってマイペースに持ち込めば勝ち負けも期待できそう。
大井から転入初戦となるアートルマンは、昨年までは南関東の重賞で上位争いをしていたが、転入前の2戦はさっぱり。どこまで本来の力を出せるか。
エーシンエヴァンは、今年のマーチカップで2着のエーシンアクセランから1馬身半差の3着。A2特別で2戦連続カモンネイチャの2着のあと、前走でA2特別を勝利。連下争いには加わってきそうだ。
◎カモンネイチャ
○ウォーターオーレ
▲エーシンアクセラン
△アートルマン
△エーシンエヴァン
クラキンコが牝馬として史上初の3冠に挑む。初めての2000メートル戦となった北海優駿は、前2頭とは離れた3番手追走から、4コーナー楽な手ごたえで先頭。南関東から遠征馬3頭を従え、着差はそれほどでもなかったが、まずは余裕をもっての完勝だった。クラキンコ以外の地元勢は5着が最先着だから、既存勢力とは完全に勝負付けが済んでいると見ていいだろう。北海優駿は父母仔での制覇となったが、王冠賞には父仔制覇がかかる。
距離延長で逆転の可能性を感じさせるのがサムライジャパン。クラキンコが回避した華月賞は、前とはかなり離れた5番手を進み、直線では余裕の手ごたえで豪快に差し切った。前走JRAとの条件交流、リゲル特別では、結果的に3~4コーナーで他馬の進路を妨害して失格となってしまったが、このときの直線での伸びは際立っていて、前をとらえようかという勢いで2位に入線した。さらなる距離延長で一気に頂点に立つ可能性まで感じさせる。
パシコジュリエは、華月賞で距離不安を言われながらも逃げ粘ってサムライジャパンの2着。上記2頭を逆転するまでは難しいだろうが、連下争いなら。
評価が難しいのがサラマナエイジュン。北海道では2戦未勝利のまま福山に移籍し、重賞クラスまでは行かなかったものの、そこそこの成績を残して今シーズン開幕から北海道に戻ってきた。条件クラスで5戦3勝、2着3着各1回という成績で、まだ底を見せていないという魅力はある。3戦している1700メートル戦も距離的にはまったく問題はないが、父サウスヴィグラスで2600メートルでさらによくなるということは考えにくい。
ハヤテシゲマサは、北海優駿でクラキンコ以外の地元勢では最先着の5着。やはり上位2頭とは差がありそうだが、古馬格付けではB2-1組というメンバー中最上位のクラスでそこそこのレースをしているだけに、連下争いなら十分に可能性はある。
◎クラキンコ
○サムライジャパン
▲パシコジュリエ
△サラマナエイジュン
△ハヤテシゲマサ
ハンデ55キロのアルドラゴンの回避はちょっと残念だった。このハンデなら、スーニを負かすまではともかく、他の中央馬となら勝負になったのではないか。しかし確勝を期してか、11日の地元の摂津盃を使い、期待にこたえて勝利を飾っている。サマーチャンピオンJpnIIIはハンデ戦だからというのもあるのだろうが、ダートグレードの中ではわりと地方勢が馬券圏内に健闘することの多いレースだけに、アルドラゴンには出てきてほしかったのだが。
59キロでもスーニの中心は動かしがたい。黒船賞JpnIIIは別定59キロで楽勝。58キロの東京スプリントJpnIIIも制し、ここ2戦連続の2着は、ともにスマートファルコンに屈してのもの。今回はスマートファルコン級のメンバーがいない顔ぶれだけに、負けられない一戦だろう。
プロキオンステークスGIIIで6着のあと、小倉のダートオープン(KBC杯)を制してしるセレスハントが相手筆頭。プロキオンステークスGIIIでセレスハントに先着の4着だったダイショウジェットも当然差はない。ダート1400メートルは、セレスハントが4勝、ダイショウジェットが3勝と、ともに得意としている舞台だけに、わずかなハンデ差でスーニにどこまで迫れるか。
ヴァンクルタテヤマにはこのレース3連覇がかかっているが、ここ3戦はまったくいいところがないだけに、巻き返せるかどうか。
地方勢の筆頭は、トライアルの吉野ヶ里記念を楽勝したマンオブパーサーだが、3歳時にダービーグランプリを制したあとの中央では、ダートのオープンでほとんど歯が立たなかっただけに、今回54キロのハンデで馬券圏内に食い込めるかどうかというところだろう。
◎スーニ
○セレスハント
▲ダイショウジェット
△ヴァンクルタテヤマ
△マンオブパーサー