9日メインは重賞「第48回赤松杯」(水沢1600m)。1着馬から3着馬には春のマイル王決定戦・シアンモア記念(5月7日 盛岡ダート1600m)の優先出走権が与えられる。当初、昨最優秀牝馬ゴールデンヒーラーの登録もあったが、出走を見送った。しかし、ほかの一線級がずらり顔をそろえ、今シーズンの古馬戦線を占う重要な一戦であるのに変わりはない。
主軸にノーブルサターンを指名する。中央ダート4勝。2019年のマーキュリーカップで2着を確保し、3歳時にはJpnII・兵庫チャンピオンシップでも2着を確保したダート強豪。南関東移籍後も2021年の梅見月杯(名古屋)を制し、重賞・ブリリアントカップで2着を確保した。
昨年は精彩を欠いていたが、サンタアニタトロフィーでは6着ながら直線で鋭い脚を使って6着。復調ムードをうかがわせて岩手入り。トウケイニセイ記念を完勝し、続く岩手版グランプリ・桐花賞ではヴァケーションを完封。重賞2連勝を飾ってシーズンを終えた。
その後は宮城県の牧場で休養に入り、赤松杯から始動は当初の青写真どおり。ここに合わせて意欲的に乗り込まれ、万全の態勢で臨む。久々のハンデは地力でカバー。すでにトウケイニセイ記念で水沢1600mを勝っているのも心強い。
グローリーグローリは中央ダート1400m3勝、ダート1600m1勝でオープンまで出世した。その後、障害へ転向して1勝2着1回。転入初戦は未経験の地方ダートがカギだったが、0秒8差で圧勝。好発進を決めた。今回は岩手トップグループが相手。前走のようなレース運びはできないだろうが、仮に2連勝を飾れればシアンモア記念でも主役扱いになる可能性大。陣営も力が入る。
ヴァケーションはJpnI・全日本2歳優駿を優勝し、NARグランプリ2歳最優秀馬の栄誉を獲得した。以降は秋の鞍(2020年)の1勝のみにとどまり昨年4月に、岩手入り。これがずばりとはまり、赤松杯2着からシアンモア記念を優勝。JpnIII・マーキュリーカップでも3着善戦し、以降も岩手競馬の王道をまい進。1勝止まりだったが、年度代表馬に選出された。
冬期間はいつもどおり茨城の牧場でリフレッシュして帰郷。赤松杯から始動するが、あくまでも春の目標はシアンモア記念2連覇。過去実績から左回りの方が反応が鋭く、今年は盛岡で行われるシアンモア記念は大歓迎。その意味で赤松杯は叩き台。勝って当然だが、今回は単穴評価に落ち着く。
セイヴァリアントは昨年、南関東A2から転入後、3勝2着4回。トウケイニセイ記念でも2着を確保した。今季初戦は3着に終わったが、出遅れがすべて。時にゲート出が悪いケースもあり、不安がつきまとうが、スタート互角なら巻き返し必至。
クロールキックは2歳時に寒菊賞を制し、昨年の開幕初日、3歳重賞・スプリングカップで後の二冠馬グットクレンジングを子ども扱いにした。その後は脚部不安のため長期戦列離脱。桐花賞でひとまず復帰したが、さすがに息が持たず9着。しかし一度レースを使って冬休みを迎えたのが奏功。今季初戦を快勝し、復調の手ごたえをつかんだ。
バスカヴィルは芝ダートを問わずいい脚を長く使えるタイプ。ただ前走はクロールキックに完敗3着。前崩れになった際の3着候補まで。
◎(6)ノーブルサターン
〇(2)グローリーグローリ
▲(1)ヴァケーション
△(5)セイヴァリアント
△(4)クロールキック
△(8)バスカヴィル
<お奨めの1頭>
3R ルドヴィカ
年をまたいで3戦連続で2着。惜しいところで勝利を逃がしているが、今回はメンバーが手ごろ。待望の初勝利に王手をかけた
文/松尾 康司