2019年、JpnI・全日本2歳優駿を優勝したヴァケーションが岩手へやってきた。父はG/JpnIで9勝をあげたエスポワールシチーで三世代目の産駒。デビュー2連勝を飾り、3戦目3着から重賞・平和賞を制し、勢いを駆って全日本2歳優駿をアタマ差で快勝した。
その後は精彩を欠いたが、名古屋遠征・秋の鞍賞で逃げたステラモナークをキッチリ捕らえて完勝。以降は2着最高にとどまり、岩手へ新天地を求めてきた。
畠山信一調教師「現オーナーから声がかかったのは昨年11月でした。さっそく休養先の茨城の牧場に行ってみましたが、休養中ながらトレッドミルなどを使って結構な運動を消化していました。水沢に入厩したのは2月末です。馬場は開放していましたが、まだ岩手は寒かったので、牧場でしっかりと乗り込んでもらいました。昨年8月以来の実戦ですからね。能力検査を使い、状態を見てA級特別か、赤松杯を考えています。春の最大目標はシアンモア記念です」
JpnIホースの転入はジャパンダートダービーを制したヒガシウィルウィン以来のこと。まずはヴァケーションの動向をジックリ見守ってほしい。
21日メインはB2級三組による水沢1600m「アラバスター賞」。中8日、9日の過密スケジュールのため相次いで自重。7頭立ての戦いとなった。
コアドライヴは昨年8月、南関東1勝・C2から転入。格付けにも恵まれて移籍2戦目を快勝したが、以降は苦戦の連続。しかし秋に入って再び盛り返して11月以降は2着3回3着1回。次年度に期待をつなげる内容を見せてシーズンを終え、今季初戦2着。重賞ウイナー・センティグレードにひとまくりを決められたが、自身も向こう正面から動いて連対を確保した。今回はメンバーが手薄になって絶好の勝機。スローに落とされない限り、勝ち負け必至だろう。
オーチンハラショウは3歳時、佐賀重賞の常連。その後も堅実さを発揮し、昨年9月に岩手入り。1勝2着3回3着2回と安定した取り口を披露し、馬券対象から外れたのは3走前の4着のみ。前走も1枠に入って終始インで揉まれる競馬を強いられたが、直線でしっかり伸びて3着。多少、じり脚のイメージがあるが、7頭立て7番枠なら自分のレースができる。
コスモマーヴィは北海道2勝から南関東へトレード。東京ダービーにも出走した実績を誇る。南関東B2から転入後、1勝のみは物足りない面があるが、前走インを突いて進出。オーチンハラショウとは0秒1差4着なら好勝負になる。
チェリーベルツは冬場に南関東へ移籍して2戦使って再転入。初戦は後方のままに終始したが、5走前の盛岡戦で逃げ切りを決めて完勝。強力な逃げ馬が不在なら先手を主張。マイペースに持ち込めればあっさりまで。
デザートナイトは前走、7月以来の実戦。しかも出遅れを喫したのも痛かった。過去、水沢1600m8勝とベスト条件。大型馬がひと叩きされて反撃に転じる。
リメインオブザデイはただ1頭、シーズン初出走。実戦を使っていないのはハンデだが、B2通用は昨最終戦2着で証明済み。
◎②コアドライヴ
〇⑦オーチンハラショウ
▲⑥コスモマーヴィ
△⑤チェリーベルツ
△④デザートナイト
△①リメインオブザデイ
<お奨めの1頭>
2R ノットオンリー
B2から降格戦を完勝。地力の違いを見せつけた。850m適性も非常に高く、迷わず追いかける手