23日メインは2017年以来、重賞へ再格上げされた「第22回あすなろ賞」(水沢1900m)。水沢を舞台に行われるのは2008年以来、久々となった。このレースの1着馬から3着馬には岩手伝統の一戦「第49回一條記念みちのく大賞典」(6月20日)の優先出走権が与えられる。
本命は連闘で臨んできたチャイヤプーンで迷いはない。まずはシアンモア記念を振り返ってみたい。
逃げはタイセイブラスト、スティンライクビーの2頭だったが、1コーナー過ぎにスティンライクビーが先頭に立って大逃げを打った。ヒガシウィルウィンは4番手をキープし、その後ろをエンパイアペガサスが追走。チャイヤプーンはスタートで若干出遅れて7番手インからの競馬となった。
向こう正面でチャイヤプーンがじわじわと前へ接近し、ヒガシウィルウィン、エンパイアペガサスも徐々にスパート。直線を向いて内ヒガシウィルウィン、中エンパイアペガサス、外チャイヤプーンの叩き合いに持ち込まれた。
3頭が互いに譲らなかったが、ヒガシウィルウィンが最後でもう一伸び。エンパイアペガサスの追撃をクビ差封じて優勝。一方、チャイヤプーンは残り50mで脚いろが怪しくなり、村上忍騎手がムチを入れたところ、間をおいて内に切れ込んでいく。赤松杯でも早め先頭に立ったあと、内に切れ込んだが、今回も同じアクションを起こした。
レースリプレイを何度も見返し、過去のレースも改めてチェックした。すると1月2日、大師オープンの4コーナーで森泰斗騎手がムチを入れると、ワンテンポ置いて外によれてブレーキをかけた。
おそらくだが、チャイヤプーンはムチを入れられると激しく反発するらしい。ムチを怖がっているのではなく、気の強い馬ゆえに怒りを表しているように映る。
今回の注目点は最後の直線。メンバー比較から最有力に間違いなく、あとはどこで抜け出すか。そして内に切れ込むクセをまた出すのか。あすなろ賞はチャイヤプーンの反応が最大見どころになるだろう。
ヤマショウブラックは不来方賞、桐花賞を優勝した2019年度の年度代表馬。昨年は頂点を目指すのがテーマだったが、時計のかかるダートに手こずって入着止まり。マーキュリーカップ9着後、南関東へ移籍したが、5戦0勝に終わって帰郷。
北上川大賞典から始動予定だったが、球節が腫れたため出走取り消し。以降は休養に専念し、今年3月に復帰。初戦2着、赤松杯7着に敗れたが、メンバーが緩和された前回快勝。これでようやく復調の兆しをうかがわせた。
今回、ヤマショウブラックにラッキーなのは金曜日に降った雨。桐花賞を快勝したように軽い時計勝負で最大能力を発揮するタイプで馬場が渋るのは好都合。仮にチャイヤプーンを破れば今後の視界も明るくなる。
ジェイケイブラックは中央未勝利から転入後、11勝2着4回。着外わずか3度のみと抜群の安定感を誇る。ただ北上川大賞典8着に敗れたように重賞突破レベルかどうか。加えてコース広い盛岡の方が合い、コースもカギ。ひとまず今季3、2着の成績から▲評価が妥当だろう。
パンプキンズは昨年の覇者。舞台は盛岡1800mで8馬身差をつけて逃げ切った。こちらも盛岡コースが合うが、絶好枠プラス軽い馬場。気分良く逃げれば自慢の粘りを発揮するシーンまで。
ブラックカードは中央芝2000m1勝、ダート1700m1勝・2勝クラスから転入。初戦を2着にまとめ、上々の滑り出し。ひと叩きされた上昇度と距離延長を味方に上位をもくろむ。
グランメガスマイルは休み明け戦でヤマショウブラック、ジェイケイブラックに次ぐ3着。こちらも変わり身を見込める。
◎⑨チャイヤプーン
〇⑤ヤマショウブラック
▲⑦ジェイケイブラック
△②パンプキンズ
△④ブラックカード
△⑥グランメガスマイル
<お奨めの1頭>
3R ギャレット
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